2019年5月
バラナシのガンガー(ガンジス川)観光の目玉といえば、やっぱりボート乗りでしょ!ボートに乗って朝日の昇るガンガーを拝み、沐浴する人々や火葬場ガートを川の上から見学するのです。バラナシに行ったらガンガーでボート乗りは必ずやろうと思ってました。
さぁバラナシに着いた、ガンガー沿いを歩いて散歩した、沐浴も見学したし膝下までガンガーに浸かってなんちゃって沐浴もした、青空ヨガ教室も参加した。
・・・で、肝心のガンジス川のボートってどうやって乗るの?
ほんとうならバラナシのゲストハウスでボートツアーのお誘いがあったり、ガンガー沿いを歩いていると「ボート乗らない?」の勧誘があるらしいのですが、いまのところそれらしきことがないなぁ。
というのも宿泊していたのがバラナシのガート群でも上流の端っこにある「アッシガート(Googleマップ)」という外国人観光客が少ないガートで、積極的な客引きが少ないのかウロウロしてもぜんぜんお声がかからない。お世話になっていたゲストハウスはツアーの売り込みを一切してこない。
なのでゲストハウスのご主人に「朝のガンジス川でボートに乗っていろんなガートを見学したい」と聞いてみると「ボートに乗りたいの?それなら紹介するよ」となりました。
ガンジス川のボートはシェアかプライベートのどちらかで、とうぜんシェアの方が安いんですが、せっかくはるばるバラナシまで来たし私達はプライベート(貸切)でお願いすることにしました。
料金は2019年5月時点で二人でボートを貸切って500ルピーでした。ゲストハウスのご主人によると「信頼のおける真面目な船頭さん」ということで楽しみです。
ガンジス川ボートの朝は早い
当日の朝はとんでもなく早かった。ゲストハウスの外まで船頭さんが迎えに来てくれるんですが、ガンガーの日の出に合わせてボートに乗るので朝の5時・・・とんでもなく早いです。
「こんな早朝に船頭さん来てくれるかなぁ?」とまだ薄っすらと暗い中ゲストハウスの外に出て見ると、もう船頭さんが外に立ってました。
ゲストハウスからアッシガートは徒歩数分、ぷらぷら散歩すればいつの間にか着いちゃう距離です。さすがにこの時間じゃまだみんな寝てるかな、と思っていたら早くも家事をされているご婦人方が。インドの奥さん達はホント働き者だなぁー。
アッシガートに着くと日の出を前にプージャというヒンズー教の伝統的儀式を行ってました。こんな早朝なのに見学者がいる。
興味津々プージャを見ていると「マダム、これは朝来ればいつでも見れますからボートに乗りましょう」と船頭さんに促されます。「そうだね、明日でもまた見学に来てみよう」なぁんて話していたら、その後一度も朝早く起きられず。プージャを見たのはこれが最初で最後になりました。
ボート乗り場で船頭さんが指さす方を見るとカワセミくんがいました。逆光で色がわかりにくいですがインドのカワセミはカラフルでちょっとデカい。
ボートに乗り込みいよいよ出発です。
すーっと静かにボートは滑り出します。
出発地点のアッシガートはバラナシガート群の上流にあるので、ボートで下流へ下りながら様々なガートを見学、そしてマニカルニカーガートという火葬場まで行ったところで再びアッシガートまで戻るというのが今日のコースのようです。
「他に見たい場所があれば行きますよ?」と聞かれましたが、よくわからないので船頭さんにお任せすることにしました。
船頭さんです。物腰柔らかで穏やかな印象の御方です。この仕事を毎日していたら体が鍛えられるだろうなぁー。
続々と他のボートも出発です。
それにしてもガンガーって川の上まで来るとこんなに静かなんだ。オールが水をかく音と鳥の鳴き声だけが聞こえてくる。
おっ!ガンガーが黄金色に輝いています。
ここら辺はアッシガートから近いから何度かウロウロしたとこだ。モルゲンロートで数倍増し綺麗に見える。
昼間見るガンガーとは別世界。
ひときわ重厚な建造物が目をひく城塞の「チェート・シン・ガート(Googleマップ)」がありました。建てた18世紀藩主の名前がそのまんまガート名になっている。
よく見ると建物の途中で色が変わってるなぁ。あれはきっとあそこまで水に浸かったんだと思う。船頭さんも雨期になるとガンガーはかなり増水すると言ってました。
おや?見覚えのある2本の煙突の黄色い建物が見えて来た。サドゥの写真撮ったらチップ要求されたとこだ~。
バラナシのガート群にある二つの火葬場のうち小さい方の「ハリシュチャンドラガート(Googleマップ)」です。この間は火葬の様子を近くで見学させてもらったけど今朝はまだひとつも煙が上がってない。(小さい方の火葬場ハリシュチャンドラガート見学の様子はこちらをどうぞ)
ヒンズー教寺院のケダー・ガートです。カラフルでとてもポップ。
重厚な茶色い建物群の中に赤と白のしましまガート。
急に人が増えたなぁーと思ったら、ここがガート群の中でも一番有名な「ダシャーシュワメード・ガート(Googleマップ)」らしいです。
わわわわわっ、すっごい人・人・人!
人と舟多すぎ。
この大混雑を見てダシャーシュワメード・ガートってどんなとこだろう?と興味でボートをおりた後に行ってみたら、ガートに至る道は門前町のようにお土産屋さんや食堂がズラリと軒を連ね、大勢の観光客が行き交う賑やかな観光地って印象でした。
ここまでのインド旅行でめったに会うことのなかった(ハンピにはちょっといた)、ゲスい客引きも続々と登場。路地を歩けば日本語で「はっぱ、はっぱ」って声かけてくるしダメだこりゃ~。
川面を見ると火が灯された小さい「灯ろう」がどんどん流れてきます。
「ミアーガート(Googleマップ)」お~、やっとるやっとる。アッシガートみたいな足元の不安定な砂地じゃなく、ああしてガート上で沐浴した方が安全かもしれない。
突然モノクロ写真になったかのような煤けた建物が見えてきました。
あれが有名な火葬場の「マニカルニカーガート(Googleマップ)」かぁ。ガート群に大小ふたつある火葬場のうちの大きい方で、バラナシでは必ずといっていいほど観光客が見学に行く有名な場所みたい。観光客を乗せたボートがここだけ局地的に集結していたし、ここが一番停泊時間が長かったのでガンガーボートのハイライトなのかも。
火葬場は写真撮影禁止と聞いていたので確認すると「ここからなら大丈夫」ということで遠景を撮らせていただきました。撮影禁止というのは火葬の様子がリアルにわかる距離で撮ってはダメということかなぁ?大量の木材が大量に積まれ、牛様やワンコがウロウロしてる。
さっき通過した小さい方の火葬場ハリシュチャンドラガートは今朝はまったく火葬が行われていなかったけれど、こちらのマニカルニカーガートは幾つかの炎があがり、朝から火葬が行われてる。やっぱり「一生に一度の火葬は有名なマニカルニカーガートでやりたい!」って人気なのかも。
船頭さんのサービスなのかボートはどんどん火葬場に近づいて、「さすがにこの距離はマズイかな」という場所まで行ったのでカメラはしまいました。
船頭さんに「他に行きたいところはある?」と聞かれたけど三昧が少し船酔い気味になったので早く帰ることにしました。「帰りは上流に戻るし時間かかるね」と思っていたら船頭さんがエンジン稼働のボートに声を掛けて牽引してもらうという楽々スピード移動。
帰りにもう一度ハリシュチャンドラガート(小さい方の火葬場)の前を通ったけれど相変わらずお客さんがいなかったな~。人気ないな~。昔ながらの屋外火葬じゃない今どきの火葬設備もあるのにもったいないなぁー。
あまり利用者がいないからか、雑然としていたマニカルニカーガートに比べて木材もキッチリ整理整頓されてすごく綺麗で収納上手な火葬場に見える。
途中で牽引してくれたボートとはサヨウナラ。再びのんびり手漕ぎで帰ります。
流れのあるガンガーをガンガン泳ぐ強者発見。
見慣れたアッシガート近くまで戻ってきました。
ボートに乗り込んでから戻ってくるまで約1時間30分の遊覧。陸上からガート沿いを歩くのとはまた違った景色が見られたし、なにより朝日に染まる静寂のガンガーは美しかった。
次にボートに乗る機会があったらガンジスカワイルカをぜひ見てみたいな。