この記事では2019年7月インド北部のマナリ(バシスト村)から行った秘境スピティ谷への小旅行を紹介しています。全部で6ページ構成のうちの3ページ目、スピティ谷の観光拠点カザを紹介しています。
スピティ谷の観光拠点カザ
2019年7月11日
開通直後のマナリ~スピティ谷の酷道をジープで派手に揺られながらようやく辿り着いたカザです。スピティ渓谷の観光拠点に多くの人が宿泊利用するのがここカザだと思います。
→カザの位置をGoogleマップで見る
(カザに来る人の多くが利用するオールドカザのバス停にリンクしました)
3450mの高所に位置するカザは、周囲を荒涼とした山岳に囲まれていました。
3450mといったら富士山よりちょっと低いくらいですよ。そんな高所の荒野を切り開いてこうして集落をつくりあげてしまう。人間って逞しいなと思いました。
普通に高山病になりそうな標高ですが、標高2000mのバシスト村で約一か月過ごしていたからか幸いにもそれらしき体調不良はまったくなかったのはよかったです。
訪問前はもう少し規模の大きな(マニカランくらいの)町を想像していたんですが、実際に来てみると乾いた山岳地帯に切り開かれた小さな集落でした。
それほど数は多くないけれど飲食店や土産物店、雑貨店もあるので滞在中の不自由はなさそう。
訪問時はシャッターが閉まった店が多くて、集落全体がどこか寂しげでした。もしかしてモンスーンの7月はシーズンオフだったのかなぁ?他の月(例えばモンスーン前の6月とか)はどうだったんだろう?
カザはチベット仏教を信仰する人が多いようで、チョルテン(仏塔)があり地元の人たちが通るたびにその周りをまわっていました。出会う人々はとても素朴ですれ違うと「ジュレー」と微笑んでくれます。ジュレーって最初なんのことか意味がわからなかったんですがどうやら挨拶の言葉だったんですね。後に訪問するラダックでも挨拶はジュレーでした。
チョルテンとくれば当然のようにマニ車もありました。
ATMではダライラマ法王がニッコリ微笑んでいました。ダライラマ法王の目の前じゃ悪いことできないね。
カザに来た人が薄っすらと気になるコレ。山肌の矢印部分に何か白字でデカデカと描かれています。
ズームアップすると・・・乾いた急斜面の山肌に巨大な文字と仏陀が描かれていました。ときどきインドの集落で同じような山肌の巨大文字を見かけるけど、あんなザレた急斜面にどうやって描いたんだろ?
カザはバシスト村やレーと同じくワンコ多めです。外で飲み食いするとアツイ視線に囲まれます。
カザで宿探し
初日にカザに到着したのはもう夕方近く、急いで今夜泊まる宿を探さなきゃいけません。宿探しが終わらないと気分がまったく落ち着かない。
ジープの到着したオールドカザのバス停から村の中心部をニューカザ方面へ歩き、飲食店や土産物店が連なる賑やかな場所を少しばかり過ぎると静かな住宅地です。
ここにいくつかのお宿が集まっていました。一般的なゲストハウスの他に自宅をホステルとして改装したお宅も目立ち、カザでは宿には困らない印象でした。
先ずは真っ先に目がついたカザの中では規模が大きめなアパートメントタイプのお宿へ。部屋を見せてもらうとインドでよく見かけるやや年季の入った簡素な部屋で、夜寝るぶんには問題なしです。いつもなら(疲れてるし早く荷物を置きたいし)ここで決めるとこですが、今回はせっかくスピティ谷まで来たので他の宿も見てみることにしました。
お次は民家の部屋を貸し出しているホームスティタイプのお宅を見せてもらいました。
こちらはまだ新しい部屋で清潔感がありかわいらしい家具も置かれています。日本でいうところのペンションみたい。ゲスト用の部屋は二つありシャワールームは共用ですが「今日はあなた達だけになるかも」とのこと。料金も予算内だったので今回はこちらでお世話になることにしました。
チェックイン後に屋外の椅子で休んでいたら部屋を見に来たドイツの親子が「部屋を見せて」とやってきて、娘さんに「ここに泊る?」と聞いたら「たぶん泊ると思うけど他も見てみる」と言ったっきり戻って来なかったので、この日の宿泊客は本当に私達だけになってしまいました。
宿が決まったところでようやく安心して食事です。カザには数軒の食堂があって、その中の一軒にお邪魔しました。
注文したのはチーズのかかったチョーミン(焼きそば)です。この頃「インド北部はチーズとヨーグルト(カード)が美味しい」ということがわかってきて、何かにとり憑かれたかのようにチーズとヨーグルトを食べまくっていました。チョーミンのチーズがけおいしいですよ、おすすめ。
それとモモ(餃子)も外せません。チーズの入ったモモを作ってもらいました。おいしかった。
スピティ谷・カザの通信事情と電気事情
2019年訪問時カザは通信事情がかなり悪かったです。Wi-Fiは壊滅的、私たちがインドで使用していたボーダフォン、エアテルは使えませんでした。「じゃあ皆どうしてるの?」と、現地のお姉さんに聞くと「ここで使えるのはジオだけよ」だそうです。(ジオだけかぁ・・・)2泊3日しか滞在しないし使えなくてもまぁいっか。
停電は当然のようにありました。特に夕方以降は停電しっぱなしの印象。確認はしなかったけれど、もしかしたらラダックのヌブラ渓谷のように通電する時間が制限されていたのかも?ヘッドライトの持参をおすすめします。
インドは都会と僻地のインフラ格差が激しすぎる。住民の皆さんは随分過酷な生活を強いられてるなと思いました。インド政府にはインフラ整備をホント頑張って欲しい。
カザでも悪いATM事情
カザもインドの他の村同様にATM事情は悪いです。ざっと確認したところオールドカザの中心地に二か所ATMがありましたが、訪問日の夕方はどちらもお金が無く引き出し不可でした。
ステイトバンクのATMは夕方6時頃現金の補充に来てましたが、翌朝にはすでに現金が無くなっていました。面倒だけど補充に来るタイミングで並んで現金を下ろすのが一番確実だと思います。(もっといっぱい現金入れてよーと思うけど、あまり大量に補充しない理由が何かあるんでしょうかね?)
ATMの前に銃を持った警備の人が立っていて中で人がゴソゴソやってたら補充の合図。これが始まると人がポツポツ集まり始めて並んだりするので、すかさず列に並ぶか近くでスタンバイ。現金は早い者勝ちなんで、なるべく早めに入手をおすすめします。
現金の補充時間は変わるかもしれないので、近くの商店の人に「だいたい何時頃お金来るの?」と聞くのが一番確実です。
夕暮れになると冷たい風が吹き、どこか侘しさ漂うカザです。夜になるといよいよ静かな集落は、遠くで犬たちの鳴き声だけが聞こえ、窓から濃紺の闇夜を見上げると、空にはキラキラと輝く星空が広がっていました。(なんか、ずいぶん寂しいところに来ちゃったなぁ・・・)
明日はスピティ谷カザ周辺の集落や寺院を観光します。