赤湯温泉 山口館 2022年5月
まずはじめにくれぐれも軽装での訪問はやめてください。ふらりと湯巡り感覚で行く場所ではありません。赤湯温泉へは登山道を行くのでそれなりの体力と装備が必要です。もし行かれる場合、登山は自己責任ですので責任をもって出掛けることになります。
今回、十数年ぶりに赤湯温泉へと温泉目当てに日帰り登山で出掛けてきました。結果、時間が許すならばそのまま赤湯に一泊して存分に楽しみたい心境でした。ですが時間の都合でそうも言ってられないので日帰り入浴と沢のほとりで昼食&小休憩してから帰路につきました。
日帰り入浴の受付はセルフ式です。各自、専用の料金箱へ現金を投入して支払いを済ませます。そして履いてきた登山靴をいったん脱いで備え付けの入浴者専用サンダルへと履き替えます。露天風呂への移動は登山靴ではなくサンダルでなくてなりません。ザック等の持ち込みも禁止されています。どうやら山道具全般の浴場への持ち込みがダメなようです。
久しぶりの山口館でしたが浴槽自体は以前と変わらず3つあります。メイン浴槽的な存在の「玉子湯」ですが以前の完全混浴から時間帯により男女別と混浴に分けられていました。訪問時の「玉子湯」は男性用の時間帯でした。沢沿いにある完全な露天風呂で雰囲気もよく登山の疲れも癒されます。薄く黄土色がかった薄り湯で湯温は41.7℃(実測)。熱くも温くもない丁度い良い湯加減で湯浴みができます。源泉は浴槽端の底部より自然湧出しているようで時おりボコボコと泡が湯面に上がって来るのが確認できます。湯量はとくに豊富という部類ではない温泉なのでこの浴槽サイズでは鮮度云々は二の次でこのロケーション重視です。他に入浴客は居なくて貸切状態で1時間ほど滞在して湯浴みを満喫できました。
訪問時では「薬師湯」も男性用となっていたのでしっかりと浸かってきました。こちらの浴槽ですが明治時代は内湯として利用されていたそうです。その為、木材が浴槽の一部に利用されていると山口館の公式Webに記載があります。屋根掛けと周囲を囲われている造りとなっています。ここの源泉も足元から自然湧出しています。 緑色がくすんだ様な薄濁り湯で湯舟縁からのオーバーフローがあります。湯温は41.4℃(実測)なので適温で湯浴みができました。
(三昧・2022年5月)
15年ぶりに「あるいてしか行けない温泉」赤湯温泉山口館へ行ってきました。ドラゴンドラ山麓駅のさらに奥へ続く林道をどんどん進み、車で行ける終地点「小日橋」からは徒歩で林道歩き、そして登山道に入ってからは本格的な山道を歩いて辿り着く正真正銘「山奥の秘湯」です。
小日橋から登山口までの林道歩きは、雪融け間もない時期特有の「冬の間の落石や倒木」が多く残っていて歩きずらい状況でした。細いけれど流れが急な「棒沢」の橋を渡るといよいよ登山道です。
登山道に入ってからは木の根が這う急登があったり、油断すると谷側に滑落しかねない細いトラバースもあります(実際に滑落事故も起きています)。普段から山歩きをしている人にとっては「よくある樹林帯」ですが、これがフラッと「秘湯に行ってみよう」だと要注意。どちら様もしっかりとした登山装備・登山届・地図の携行・天候の確認・早立ちでお願いします。登山道をどんどん進み、橋が見えたら赤湯温泉山口館は近いです。
15年ぶりの赤湯温泉山口館は以前と変わらない素朴な深山の山小屋風情で、特に大きな変化は無いように思えました。ただ以前は混浴だった渓流沿いの露天風呂「たまご湯」と「薬師湯」は昼間の訪問では男性専用となっていて、女性の立ち寄り入浴では「青湯」のみの利用となっていました。「たまご湯」「薬師湯」「青湯」の入り比べを楽しみにしていたのでちょっと残念。三か所の浴槽全部楽しむためにも次はぜひ宿泊!と心に決めました。
料金を支払った後は青湯へ向かいます。青湯は渓流のすぐ横に造られた半湯小屋状態の風呂です。半湯小屋状態なので周囲からの視線が遮られ(といっても誰も来ませんでしたが)リラックスして入浴ができました。青湯は4~5人サイズの石風呂となっています。湯口より流し込まれる源泉はほぼ無色透明でごく僅かなささ濁りを帯びても見えます。湯面から優しい鉄臭がフワッと香り、浴槽サイズにしてじゅうぶんな投入量もあり鮮度も良好、丁度いい適温で心地よい湯浴みを楽しむことができました。ちなみに前回もこの青湯周辺には蛇が数匹いたのですが今回もいました(人間が近づくとすぐ逃げます)。地面があたたかで蛇くんも居心地いいのかもしれません。
浴後は渓流沿いに降りて持ってきたオニギリを食べながらのんびり寛ぎました。それにしても山口館の前を流れる渓流はなんでこんなに青く美しいんでしょうか。さっきまでこちら側にいたご主人がいつの間にか対岸の斜面によじ登って何か山菜らしきものを採っています。今晩のおかずにするのかな?そんな光景を見ながら次回こそは是非是非「山口館」に宿泊したいと思いました。
(まぐぞー・2022年5月)
▼小日橋からスタートです(しばらくは林道歩き)
▼季節柄か林道は荒れていました
▼落石も多いです
▼この橋を渡ると登山道に入ります
▼木の根が這う急登が続きます
▼ここでdocomoが通じるそうです
▼この橋を渡ると赤湯温泉山口館はすぐです
▼赤湯温泉 山口館 玄関
▼渓流に面した山小屋です
▼男女別入浴時間など案内いろいろ
▼入浴料は赤い箱に入れます
▼温泉の案内
▼昼間は男性用になったタマゴ湯(以前は昼間も混浴でした)
▼別の角度から(足元からぷくぷくお湯が湧きます)
▼浴槽からの眺め(渓流の激しい流れが目の前です)
▼タマゴ湯の近くにある薬師湯(こちらも昼間は男性用)
▼薬師湯浴槽
▼昼間は女性用の青湯
▼別の角度から
▼石に「青湯」と刻まれています
▼浴後は河原で一休み
▼珍しい蛇ジムグリ(たぶん)がいました
▼金精様
▼山口館に群生しているツバメオモト
▼動画もどうぞ(1分45秒)
山地図アプリと紙地図
山の温泉に行くのに必要な登山マップは「YAMAP」や「ヤマレコ」で無料ダウンロードできます。無料でひと月にダウンロードできる地図数は限られますが、頻繁に行かなければ十分だと思います。地図アプリの他に、もしスマホが使えなくなった時のために紙の地図も携帯されると安心です。
赤湯温泉 山口館 データ
山口館公式サイトによると小日橋から林道と登山道を歩いて2時間15分くらい。登山装備・入山届は必須です。
入山前に駐車スペース・登山道・温泉利用の最新情報を赤湯温泉山口館の公式サイトで確認されることを強くおすすめします。
新潟県南魚沼郡湯沢町三国
025-772-4125
2007年6月訪問時は混浴利用だった「薬師湯」「たまご湯」の日中~18時は男性用となりました。この間に女性が利用できるのは青湯のみのようです。18時~20時は男女入れ替え、20時以降朝まではフリー利用。館内休憩利用休止中。
立ち寄り時間要問合せ
500円
訪問:2022年5月
赤湯温泉 山口館 温泉分析
玉子の湯 ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 50.3℃(*浴槽出口で測定)14.2L/min(自然湧出) pH=6.3 溶存物質計=3668mg Li=0.8mg Na=648.4(50.55mv%) K=18.4 Mg=26.1 Ca=494.2(44.20) Sr=4.3 Mn=0.4 Fe2=2.3 F=0.7 Cl=1449(72.00) Br=8.1 I=4.5 SO4=408.8 HCO3=439.3 H2SiO3=122.9 HBO2=38.9 HAsO2=0.7 As=0.5 (H30.8.7) ※温泉利用状況=掲示見当たらず
薬師の湯 ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 48.2℃(*浴槽出口で測定) 16.2L/min(自然湧出)pH=6.3 溶存物質計=2851mg Li=0.6mg Na=498.0(50.12mv%) K=13.2 Mg=16.8 Ca=393.1(45.40) Sr=3.1 Mn=0.4 Fe2=1.3 F=0.7 Cl=1043(67.68) Br=6.3 I=2.4 SO4=404.1 HCO3=335.5 H2SiO3=104.7 HBO2=27.6 HAsO2=0.5 CO2=282.0 (H30.8.7) ※温泉利用状況=掲示見当たらず
青の湯 ナトリウム・カルシウム-塩化物泉・硫酸塩泉 50.2℃ (*浴槽流入口で測定) 11.9L/min(掘削自噴) pH=6.7 溶存物質計=1948mg Li=0.4mg Na=326.0(48.53mv%) K=8.5 Mg=6.9 Ca=282.5(48.25) Sr=1.9 Mn=0.3 Fe2=1.1 F=0.6 Cl=619.5(60.10) Br=3.5 I=1.5 SO4=395.1 (28.31) HCO3=200.5 H2SiO3=82.7 HBO2=15.9 HAsO2=0.5 CO2=67.1 (H30.8.7) ※温泉利用状況=掲示見当たらず