数年前、旅館部に宿泊しました。目にも鮮やかな黄緑色の良質に満足でした。久しぶりに国見の湯に浸かりたくなり、今回は自炊部を予約。自炊部は旅館部を囲うように3棟が点在しています。
今回利用した「竜川荘」は旅館棟玄関の斜め横にある鄙びた木造二階建てのもの。部屋は6畳和室、天井からぶら下っている裸電球が湯治場ムードをいっそう盛り上げてくれます。備品は座布団・卓袱台のみで余計なものは一切ありません。今回は布団一式のレンタルも追加注文しました。他に自炊棟内には共同の調理場に冷蔵庫、水洗の清潔なトイレがありました。
お風呂は旅館部内にあり、自由に24時間いつで利用可。男女別大浴場(薬師湯)・男女別小浴場、混浴露天風呂の三箇所です。大浴場は以前とは違って新しい「薬師湯」が新設されていました。以前の大浴槽は取り壊されていて、浴槽だけが野ざらしになっている状態。
新しい薬師湯は4分1円形(扇形)のコンクリ造りですが、早くも白っぽい温泉析出物でコーティングされている。まぐぞーによると女湯の方が広いかも??との事だが真相は不明。浴室上部にっは太い丸太が配置されていました。湯は黄緑色の半濁り湯で透き通ってはいない。湯口50℃、浴槽43℃ですが、実際の湯温より熱く感じるお湯です。飲泉コップが湯口に設置してあり、口に含むと苦エグ味、甘い感じのタマゴ味がする。湯口でのタマゴ臭はなかなか強烈ものでした。
深夜に目が覚めてしまい、そのまま大浴場(薬師湯)へ直行。やや湯気こもりの浴室。この時間帯は湯浴み客がほとんど居ないせいか、お湯は黄緑色の透明に近いもので30L/min投入の掛け流し。誰もいない浴室でまったりしていると新しいのか木の香りが漂っています。手足の指や爪を見ると間が真っ黒に変色している。石塚旅館に来るまでに浸かった温泉との反応で変色したのでしょう。浴後に一時間ほど経ってから体を摩るとベトベトとした感触になるのは温泉成分でしょうか?さらに数時間ほど経過した湯タオルからは、懐かしの青森県「秋元温泉」系の香りが放たれていました。
小浴槽は以前と変わらずにそのままであったのが嬉しい。オバQのO次郎のような形をしている4-5人サイズの男湯小浴槽。床や浴槽縁には析出物がたっぷりと付着していて、一大幾何学模様ワールドになっている。石塚旅館のお風呂の中で、ここの小浴槽の湯が一番良い。とてもキレイな蛍光黄緑色の透明湯はなんとも目にも鮮やかなもので見るも楽しいです。湯口50℃、浴槽43℃の湯が20L/minほどの掛け流し。弱甘味にエグ味、タマゴ味にタマゴ臭が良いです。すべすべ浴感ありで、湯の鮮度も良好と来てとても気持ちがよく気に入りました。それにしてもこの温泉の香りは何度嗅いでも良いものです。
石塚旅館の名物的存在でもある混浴露天風呂にも浸かりました。訪問時はチェックインからチェックアウトまであいにくの雨模様でした。せっかくなので濡れるのを覚悟でちょっとだけ湯浴み。さすがに悪天候なので誰も入湯客はいません。夜間の湯浴みだったので湯色などの詳細は不明。42℃の以前と変わらなく良い印象。
(三昧・2006年9月自炊棟宿泊)
三年振りに訪問しました。相変わらず人気の石塚旅館です。前回は旅館部宿泊でしたので、今回は自炊部に宿泊してみる事にしました。
自炊部は大きく分けて三棟あり、それぞれ離れた位置に点在、今回案内された「竜川荘」は、旅館部玄関すぐ横に位置しています。木造の二階建てで、部屋の照明は橙色の明かりが灯る裸電球ひとつという、なかなかの鄙び具合。旅館部や他二棟の湯治部は賑わっていた様子でしたが、この「竜川荘」だけは利用客が少ないようで、我家の他2組が利用しているのみ。おかげで・・というか、夜ともなればシーンと静まり返り、木々を渡る風の音しか聞こえません。お隣の小さな音すらも筒抜け状態で、会話も思わずヒソヒソしてしまいます。
共同利用の台所には、冷蔵庫、無料のガス台、魚を焼くグリル台、数は少ないものの一通りの調理器具、食器などが揃っています。台所は我家がほんの少し使用した程度で、他の方は自炊をされない様子でした。
今回の再訪で大きく変化のあった場所が一箇所。それは以前の男女別大浴場が廃止となり、まったく別の大浴場「薬師湯」が新築されていたのです。新しい大浴場は、20人は入られそうなドーンと広い長方形内湯浴槽がひとつ。目にも鮮やかな澄んだ緑色の湯が満たされ、パウダー状白湯花が底に沈殿しています。浴槽内を歩くと湯花が舞い上がり、白濁を帯びたクリームメロンソーダ色へと変わります。湯口を嗅ぐとガス臭に混ざり青森県の秋元温泉にも似た独特の臭いも少々。浴槽が広いので小浴場よりも湯温は低め(といっても43℃)、若干鮮度にも劣る気がしましたが、新しさや広さも手伝ってか、この浴室が一番人気でした。
そして以前と変わりない鄙び風情の小浴場ですが、薬師の湯ばかりにお客さんが行くので、こちらは何時でも貸しきり状態。湯も45℃と熱く、鮮度もよいものでした。源泉地からは薬師湯の方が近いのですが、やはり利用客の圧倒的少なさと、浴槽サイズの小ささは影響大かと思います。浴後しばらくすると肌にベタベタ感が残ります。
混浴露天風呂は相変わらず大人気。今回は雨降りでジックリ楽しめなかったのが残念。
(まぐぞー・2006年9月自炊棟宿泊)
▼宿泊した自炊棟「竜川荘」
▼竜川荘看板
▼館内廊下
▼宿泊した部屋
▼共用の台所
▼食事はスーパーの総菜にしました
▼部屋からの眺め
▼料金表
温泉
▼新設された薬師湯・男性浴室
▼薬師湯・女性脱衣所
▼薬師湯・女性浴室
▼湯口
▼鮮やかな緑色の湯です
▼旧大浴場跡
▼祠がありました
▼ひっそりと金精様が祀られていました
▼男性小浴室
▼析出物が見事です
▼この広告が気になる
▼女性小浴室
▼別の角度から
▼併設の露天風呂
▼露天風呂湯口
▼混浴露天風呂
▼混浴露天風呂
▼こちらも鮮やかな緑色
国見温泉 石塚旅館 データ
岩手県岩手郡雫石町橋場字竜川山1-5
090-3362-9139(現地)
019-692-3355(転送)
090-3362-9139(衛星)
宿泊しました:一泊素泊まり2000円+布団代600円利用
冬期休業(5月中旬~11月初旬頃営業)
入浴のみ10時~16時(受付15時)
400円→700円
訪問:2006年9月(泊)
国見温泉 石塚旅館 温泉分析
平成16年11月10日
薬師の湯 含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉(硫化水素型) 49.8℃ pH=6.8 溶存物質計=4175mg Na=870.0mg(79.10mv%) K=34.2 Mg=77.9 Ca=51.9 Al=0.4 F=2.7 Cl=215.5 HS=11.8 SO4=227.3 HCO3=2565(78.74) CO3=1.2 H2SiO3=83.7 HBO2=37.8 CO2=410.7 H2S=20.9 (H16.11.10) ※温泉利用状況=該当なし
※2006年訪問時、温泉分析書が更新されていましたが、前回のH16分析データと比較すると、温泉の重要な溶存物質の一つである硫黄成分の減少が目に付く。HS(硫化水素イオン)54.9→11.8に激減。H2S(硫化水素ガス)49.4→20.9の半分以下に減少。泉質も硫黄泉から硫化水素泉に変化していました。
平成3年7月31日
薬師の湯 含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉 54.5℃ pH=7.1 溶存物質計=4616mg Na=970.0mg K=35.0 Mg=89.2 Ca=145.5 Mn=0.3 Al=0.6 F=0.1 Cl=180.8 HS=54.9 SO4=266.8 HCO3=2736 CO3=2.6 H2SiO3=91.2 HBO2=43.2 CO2=175.8 H2S=49.4 (H3.7.31)