2019年3月18日
昨日ダンブッラからアヌラーダプラへやってきた私達。きょうはアヌラーダプラ訪問一番の目的、世界遺産にも登録されている遺跡群、その「有料エリア」を見学します。・・・はて?有料エリアとは?アヌラーダプラ遺跡群は「有料エリア」と「その他のエリア」にわかれていて、そのどちらにも見ごたえたっぷりの寺院や遺跡が点在しているんです。
- アヌラーダプラの新市街から遺跡群へ
- アヌラーダプラ遺跡群有料地区のチケットをジェータワナ博物館(Jethawana Museum/Ticketing Office)で購入
- ジェータワナ・ラーマヤ(Jethawanaramaya temple)
- ツイン・ポンズ(Twin Ponds/Kuttam Pokuna)
- サマーディ仏像(Samadhi Buddha Statue)
- アバギリ大塔(Abhayagiri Stupa)
- Bodhi Tree Shrine 2
- Dighapashana Cave
- ムーンストーン・サイト
- ラスナ・プラサダヤ(Rathna Prasadaya)
- ゾウの池 (Eth Pokuna/Elephant Pond)
- トゥーパーラーマ・ダーガバ(Thuparamaya Dagaba)
- ルワンウェリ・サーヤ(Ruwanwelisaya)
アヌラーダプラの新市街から遺跡群へ
ホステルで貸してくれた自転車に乗って、アヌラーダプラ遺跡群の有料エリアへ向かいます。最初にチケット購入のためジェータワナ博物館(Jethawana Museum/Ticketing Office)へ向かいました。チケット販売場所は2019年3月時点で二か所あり(詳しくは前回の記事)、宿泊していたホステルからだと、ジェータワナ博物館が近かったのです。
オーナーさんに「このルートで行きなさい」と教えてもらったRajarata Reach Resort(宿泊したホステル)からジェータワナ博物館(Jethawana Museum/Ticketing Office)までの道順です(スリランカ全体地図が表示されている場合はリロードしてみてください)。大雑把に道順を記しているので、ロータリーの横断など現地の交通ルールで、くれぐれも交通事故に気を付けてください。特に街を抜けるまでは交通量も多く恐怖でした。
ちょうど朝の通勤ピークと重なって、街を抜けるまでは車が多くてビビりながら進みます。
街を過ぎると田園ののどかな景色が広がります。盛大に子分を従えてトラクターが進んでいました。
なんと、日本では滅多に見られないトキとコウノトリのツーショット。スリランカってホントに鳥が多いんですよ。でも当のスリランカの人々が鳥に全然興味を示さないという。モッタイナイ~っっ。
アートな案山子。
アヌラーダプラ遺跡群有料地区のチケットをジェータワナ博物館(Jethawana Museum/Ticketing Office)で購入
ジェータワナ博物館のすぐ近くまで来ると、同じように自転車で乗り付けた欧米人が数人ウロウロしています。チケットを買う場所がわからないって言うんです。この辺りは建物が点在して確かに入り口もちょっとわかりづらい。近くにいたスリランカ人に「チケット、チケット」と聞くと「あっち」と指をさした方向にみんなでゾロゾロ。もっとわかりやすい案内板を設置してくれたらいいのになぁ~。(その後できたかもしれないけど)
チケットを購入したジェータワナ博物館です。→Googleマップでみる
博物館内にあると、地味にチケット販売所がありました。ここに来るまでに既にひと汗かいて、背中にリュックの形で汗がベットリ。
チケットはひとり25US$、一日のみ有効です。スリランカルピー払いもOK、4525スリランカルピーでした。
チケットには左端に三枚切り離しできる半券がついていて、ジェータワナ博物館で早速一枚切り取られました。各チェックポイントで一枚、また一枚と切り取られ、気づいたらすべて無くなってました。どういうタイミングで切り取られるのか最後まで謎でした。
どーでもいいけど、手が日焼けしてますね。この辺から自分で「日本人」と言わないと、タイ人かフィリピン人かブルネイ人に間違われる率が高まってきました。
ジェータワナ博物館は以前は公的建物だったものを博物館として使っているようで、スタッフのお姉さんに「ここも見学していいのよ」と言われるがままにちょっと覗いてみたけれど、なんというか・・・鄙び系博物館。外にもちょっとだけ遺跡が置かれていました。遺跡見学出発前にココでおトイレを済ませましょ~。
遺跡群を巡る前に木陰でまったり。
お猿さんもまったり。
ジェータワナ・ラーマヤ(Jethawanaramaya temple)
最初に見学したのはコチラ。名前からも察しの通りチケットを購入したジェータワナ博物館(Ticketing Office)のすぐ後ろにあります。この仏塔を最初に見たときは、その迫力に大圧倒でした。
近づいてみると総レンガ造りというか、ビッシリとレンガが積みあがっています。
仏塔の横には小さなお堂があり、極彩色の涅槃仏。
礼拝のグループがやってきました。
キャンディの仏歯寺でみたと同じ鳴り物を鳴らしながら、さきほどの小さなお堂に向かっていました。
ツイン・ポンズ(Twin Ponds/Kuttam Pokuna)
その名の通り同じような貯水池が縦に二つ並んでいます。僧侶の沐浴場として使用されていたそうです。いまはたくさんの魚たちの住処になっていました。
古の時代から大きな人工池を造り栄えたアヌラーダプラを、私は水の都だと思っています。
弟の復讐を恐れアヌラーダプラを離れたカッサパ王は、新天地シギリヤの乾いた地に故郷のアヌラーダプラを模したかのような水の庭園を造り上げていました。シギリヤロックの山頂で見た貯水池と、このツイン・ポンズはどこか似ているなぁと思いました。
それはさておき、この駐車場に気になる車が・・・。
サマーディ仏像(Samadhi Buddha Statue)
樹木に囲まれ優しい表情を浮かべるブッダ像です。スリランカの中でも特に美しいといわれ、絶大な人気を誇るそうです。
訪問前はもっと小さな像を想像していたけれど、なかなかの大きさ、立派なブッダ像でした。ちなみに写ってるご婦人二人にブルネイ人かと聞かれました。ブルネイからの観光客も多いんですかね?
樹木の中の派手さはない場所ですが、この土産物店の多さから、サマーディブッダ像人気がどれほどのものかが伺えました。
アバギリ大塔(Abhayagiri Stupa)
ジェータワナ・ラーマヤと大きさも、見た目も双璧をなす巨大な仏塔に圧倒されます。スリランカでは消滅してしまった大乗仏教の総本山だった場所です。
こちらにも色鮮やかな寝釈迦様。
Bodhi Tree Shrine 2
悟りを開いたブッダ像が静かに参拝者を迎えていました。
すぐ近くの菩提樹には壊れた仏像らしき一部が・・・。
ここも外で靴を脱いで参拝します。砂が熱い・・・。
Dighapashana Cave
古の修道院跡です。ここに立ち寄る観光客はグっと減ります。というか誰もいなかった。
ここまでの道は綺麗に整備されているものの、樹木に囲まれ、なにより観光客の姿が無くて寂しいです。ただ、所々ポツン・ポツンと警備の人が立っていて、笑顔で手を振ったり、日本とスリランカの友好について話したりしたのが楽しかったなぁ。
この辺りからちょっと怪しい黒い雲が湧いてきたんですが、やっぱり降ってきました。スコールが。すぐ横のアボカドの木の下でも欧米の一人旅のお姉さんが雨宿りしてたんですが、足止めをくった観光客をあてこんだ流しのトゥクトゥクに声をかけられて、自転車ごと乗ってっちゃった。
ムーンストーン・サイト
アヌラーダプラ遺跡群最大の見どころの一つ、ムーンストーン・サイトです。スコールが過ぎ去った頃を見計らって見学に行ってみました。ムーンストーンはスリランカの寺院入り口にある半月型の彫刻が施された石板です。聖域に入る際にこれを踏むことによって、邪気が払われるとかそんなお清めの意味があったと思います。
スリランカの傑作と称されるムーンストーンです。このムーンストーンだけは柵で囲われ保護されていました。ただ屋根掛けはないので、雨風で徐々に風化していくんだと思います。
緻密な彫は勿論、動物達が生き生きと、表情豊かに描写されていました。
ムーンストーンは人間の業と死生観を象徴的に表現しています。炎のような欲にまみれた世界(一番外輪)、その中で私たちは生まれ老いて死んでゆき(動物達)、清い心を忘れず(鳥と花)、やがて天国(中央の蓮)へ・・・という意味だったかな?
ラスナ・プラサダヤ(Rathna Prasadaya)
ここはその昔、アヌラーダプラ時代終焉へと舵をきることになった、歴史舞台となった場所。
今では数本の支柱が残るだけですが、なんと立派な五階建て建造物だったようです。
ここで有名なのが、スリランカ一の傑作と誉れ高いガード・ストーン。これも実物をみたかった遺跡のひとつです。さきほどのムーン・ストーン同様に柵で囲われ保護されていました。
みてください、この緻密さ、そして人肌が感じられるような優しさ。いつまでも眺めていられます。
またスコールがやってきました。ワンコと一緒に雨宿り。雨が止むとワンコは「こっちおいで」と道案内してくれました。
ここは?
ここにも素晴らしいムーン・ストーンが残っていました。
甲高いウミネコのような鳴き声が聞こえたので見に行くと、大きな孔雀がいました。
ゾウの池 (Eth Pokuna/Elephant Pond)
南国の樹木に囲まれた静かな場所にある大きな大きな古の人工池です。その大きさから「ゾウの池」と呼ばれたとか。僧侶用ってことですが、長い歴史の中ではゾウの一頭二頭くらいこのプールに浸かったのかも。
水の都アヌラーダプラを象徴するような水利システムを採用したこの池、なんと数百メートル離れた別の大きな池から地下水路を通って水が供給されていたって凄い。
せっかくなんで、近くの池の方も見学に行ってみました。かなり自然派で、植物に覆われて肝心の池が遠いです。しかも、再びのスコールが近づいているようで、どんよりしています。
トゥーパーラーマ・ダーガバ(Thuparamaya Dagaba)
トゥーパーラーマ・ダーガバは、アヌラーダプラ最古の仏塔とのこと。雨上がりの仏塔が南国の太陽に照らされて美しく輝いていました。
入り口ではワンコが「いらっしゃ~い」
ガード・ストーンも「入ってもいいんやで」
お釈迦様の右鎖骨が収められていると言われ、絶大な信仰を集めるトゥーパーラーマ・ダーガバです。
ルワンウェリ・サーヤ(Ruwanwelisaya)
アヌラーダプラ遺跡群・有料エリアの最後に訪れたのがこちらルワンウェリ・サーヤです。アヌラーダプラのシンボル的存在、純白の巨大な仏塔です。単に大きなだけでなく、建立にまつわる勇敢な王とその息子の、反発しあいながらも最後は相手を思いやる親子の愛情物語が人々の心をひきつけるのかなぁと思いました。
ちょうど、参拝の行列に出会いました。
びっくりするくらい規模の大きな参拝グループです。
眺めていたら、参列していた小さな男の子を抱いた御家族がやってきて「うちの子があなたたちを見て、手をのばして喜んで笑うんです、この子と一緒に写真を撮ってもらってもいいですか?」と、とても高揚した様子でお願いされました。たしかに男の子が私を見るとキャアキャアと笑うんですよ。人生初のモテ期到来ですよ!聖地を巡りに巡って、モテ運がついたかな?
仏塔を守るようにリアルなゾウが囲んでいます。
こっちのゾウはデフォルメタイプかと思いきや、よくみたらやっぱりリアル。ゾウ大国スリランカでは、ゾウの骨格までもリアルに表現します。
仏塔は大勢の参拝者で大混雑。ルワンウェリ・サーヤにはブッダの使った托鉢があると言われているそうですよ。
サイチョウに見送られて、きょうの寺院・遺跡見学はここまで~。
この日は疲れ果てて、夕食はホステル近所の食堂でカレーのお持ち帰りしました。