インド・ラダックのレーで病院へ行ったものの診察受けないで帰ったはなし

2019年8月

ラダック滞在中、1週間ほどヌブラ渓谷に行き、その時の虫刺されが原因で蕁麻疹が出たので、レーの病院と診療所に行きました。

ところが実際に行ってみて、結局どちらも「この程度なら我慢しよ」と治療は受けずに帰って来ました。今回はその顛末について。

はじまりはトコジラミ

ヌブラ渓谷からレーに戻ってすぐに、足に虫刺されの発疹がポツポツと出始めました。強い痒みのコレは、過去にもボルネオのシパダン島でヤラレたことがあるベッドバグ(トコジラミ)だなぁ。

しかも自分の体質なのか刺された箇所だけじゃなく、他の場所にも次々と発疹が広がるんです。

「まいったなぁ…とりあえず病院に行ってアレルギー抑える薬もらってこよう」
 

レーの総合病院(患者さん大殺到)

まずはGoogleマップに載っていたレーの総合病院的な「ソナム・ノーブー・メモリアル病院(Sonam Norboo Memorial Hospital)」へ行ってみた。ここが凄かった。

場所は中心地から少し空港寄りに下った幹線道路沿い。

ソナム・ノーブー・メモリアル病院をGoogleマップで見る

 

開院時間の30分くらい前に到着すると、既に病院の入口付近が混雑しています。

 

患者さん自体は少ないと思うんですが、なぜか付き添いの人が妙に多いんですよね。患者さんひとりに4~5人の家族で付き添っているような。家族総出で来てる?

 

オープンと同時に院内へ流れ込むと、まずは受付で5ルピーの登録料を支払い、蕁麻疹を伝えると紙に書いた整理券をくれました。

待合室に行ってみると、この日がたまたまだったのか人が溢れる大混雑っぷり。もちろんソファーは全て埋まっていて、立って待っている人も相当数です。

ここで驚いたのは、診察室の入口に我先に見てもらいたい人(主に患者さんの家族)が診察中のドクターやスタッフに何か口々に訴えながら懇願するように殺到して、パンデミックでも起きたのかと思うほど凄い状況になってました。

おそらくラダックの中でも特に大きい総合病院で、過酷な山岳道路を何時間もかけてやっとたどり着いた患者さんも少なくないんだと思います。

周囲を見回すとソファーに横になるお婆ちゃん、家族に支えられながらやっと待合室まで来た人、日本だったらすぐに処置室に運ばれそうな本当に体調が悪そうな人もいて(うわーこの程度の蕁麻疹で受診なんかできないよ)と、申し訳ない気分になって診察を待たず(スタッフさんに告げて)この日は帰りました。
 

メインマーケットの診療所(犬に噛まれた人が次々と)

その後も一向に蕁麻疹が治まる気配がなく、今度はゲストハウスの女将さんに教えてもらったメインマーケットの雑居ビルの中にある小さな診療所へ行ってみました。

Googleマップでは3階にあるレストランにピン付けしてありますが、診療所はこの階下(2階)にあります。

診療所のある雑居ビルをGoogleマップで見る

ここも狭い待合室はギュウギュウですが、前回の総合病院みたいに診察室に患者さんの家族が殺到することもなく、みんな小声でお喋りしながら順番待ちしています。

待っている間に犬に嚙まれたというドイツ人女性が来て、この人はただちにワクチン接種。なんと注射を打つのはドクターではなく受付で会計事務をするオジサンでした。

ドイツ人女性は「え?あなたが打つの?」と最初は不安そうでしたが、慣れた手つきでパパっと準備を進め、受付カウンターの向こうで皆が見守る中パパッと接種完了。その手際の良さにドイツ人女性もご満悦でした。この、あまりに慣れた様子に、レーでは毎日相当数の人が動物に噛まれてるんだなぁ・・・と思いました。

そうこうしているうちにまたも犬に噛まれたというラダッキ女性が手を出血させながらやって来ます。私の隣に座った女性は犬に噛まれた恐怖からか顔面蒼白で手が震えていました。ラダックの人たちは狂犬病の怖さを強く理解しているので、痛さよりもそっちの恐怖からの顔面蒼白なんだと思います。

「犬に噛まれた?」と聞くと「そう」と頷きます。「うちの夫なんて足の傷口を犬に舐められてワクチン接種したんだから」とタイでの顛末を女性に聞かせ謎の狂犬病ワクチンマウント取り。そしてぺろぺろ犬が舐める仕草をすると、女性が笑って顔に血の気が戻ってました。よかった。

先に接種したドイツ人女性がドクターの治療を終えて出て来て、笑顔で「彼は注射のプロよ」と受付事務の男性を絶賛。犬に噛まれたラダッキ女性はすっかりリラックスして、このころには手の震えも収まってました。よかった、よかった。その後ただちにワクチン接種と咬傷の処置してました。

次々に来る犬に噛まれた患者さんを見ているうちに、またも蕁麻疹ごときで診てもらうのが申し訳なく、受付の注射のプロに告げて受診せず帰ることにしました。

ここでわかったことは、犬に噛まれた人はすぐに急患として狂犬病ワクチンを打ってもらえること。狂犬病ワクチンは暴露後できるだけ早く一回目を接種しなければならないので、これはありがたいと思いました。

ドイツ人女性は会計を見て「安い!」と驚いていたので、値段はわからないですがどうやらかなり安いっぽいです。

ちなみにこの後、私はトルコで猫に噛まれて狂犬病ワクチンを接種したんですが、なんと無料でした。ただ狂犬病ワクチンを接種できる病院がとても限られていて、通うのにちょっと苦労しました。そう考えると町中の小さな診療所でも迅速に対応してくれるレーってイザという時にはありがたいなぁと思いました。

あ、それと、発端となったトコジラミからの蕁麻疹は、このあと数日で自然と消えました。

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