2019年2月28日
バットゥバ村の朝です。
昨日のジャンスー村より更に冷え込み、村のあちこちで焚火がたかれていました。
朝は日本の冬並みの気温なので防寒着は必須ですね。
昨日夜中まで鳴り響いたあのスピーカー爆音も朝は鳴らさないようで静かです。
家に戻ると炊事棟ではカムオンさんが朝食の準備中でした。右の優しい笑顔の女性がお世話になっているこのお宅のママさんです。この世帯の家族構成はお父さんお母さんと子供達4人ですが、近所の人も行き来しているので10人くらいの大家族みたいになっています。
朝食はパンケーキとフルーツです。ここで採れたというハチミツが美味しかった~。
そして今日は、このお宅のママさんの原木タナカを塗らせてもらいました。カムオンさんがスリスリしている木がタナカの原木です。
確かに粉タナカに比べて濃厚で色付きが全然違います。汗による流れ落ちも断然少ないんですよね。タナカを塗るなら原木タナカです!
ラスト・トレッキングスタート
一晩お世話になったパパさんママさんにお礼を言って最後のトレッキングに出発です。
初日に雷雨に降られた時はどうなることか不安だったけれど、その後は雨も降らず快適なトレッキングです。
そして例によって、おチビちゃんチーム(フランスご夫婦)とちょっとだけ合流。フランスご夫婦、なんと今日は奥様のお誕生日とのこと。ご主人、奥様の荷物も持ってあげてます。優しいね~。
この仲良しガイド二人の楽しいやり取りを見るのも今日が最後。寂しいなぁ。トレッキングが終わったら、バイタクに二人乗りでカローに帰るんだそうですよ。「えっ、ふたり(ドライバーも合わせると3人)で乗ってあの峠を上れるの?大丈夫?」と言ったら「大丈夫でーーす!」と猛反論。年頃女子に体重にかかわる話題は禁物です(^^;
しばらく歩くと一頭の牛がいました。遠くで牛の群れが草を食んでいるのに、この牛だけ離れて一頭です。
「あれ?群れから離れて、のんびり屋の牛かな」
なんて最初は笑っていたんですが、カムオンさんが牛の足を見て「アッ」と、みるみる悲しそうな顔になります。どうやらこの牛は足に怪我をしてうまく歩けていないんです。カムオンさんの表情から、この牛の怪我はちょっと大変なのかなぁと察しがつきました。集落に住む人達にとって牛は本当に大切な存在なんですね。「あの牛大丈夫?」と聞いたら「たぶん大丈夫」と言ってましたが。
ここよりインレー湖入域
インレー湖への入域ゲートです。ここで2回目の入域料(ひとり15000チャット)を支払います。トレッキング申し込み時は「2度も払うのか~順番失敗したなぁ」なぁんて思っていたのに、トレッキングがあまりに楽しくて、この頃にはもうそんなことどうでもよくなっていましたが。
なんのこと?と思われた方はコチラの記事を合わせてドウゾ
何やらチビッ子たちが手を振っています。
行ってみると子供達のお母さんが逞しくコンクリートの原料を掘り出していました。この地域に学校を建設中で、そのためのコンクリートを掘っているとのこと。
こちらがその現場。この地域に居住しているのはパオ族ではなくトゥントゥー族で言語も微妙に違うんだって。村の名前はジャンスー村。・・・ん?ジャンスーって、初日に泊まったパオ族の村と同じ名前だよね?「郵便物ちゃんと届くの?」って聞いたら「それは大丈夫」とのこと。
その現場近くでまたもや懐かしの・・。
ほどよく疲れたタイミングにこちらのお茶屋さんでオヤツ休憩です。
パオ族の有名な音楽グーループだそうです。
そして再び歩き始めると豊かな農地が続きます。
これは11月に行われる「ロケット祭り」の発射台なんだそうな。発射されたロケットは、どこに飛ぶかわからずそのスリリングさが逆に楽しいらしい。みんなでダンスをしたりとにかく盛り上がるみたいですよ。「今度来てみて!」とカムオンさんイチオシのお祭りです。
この直後にこの辺りの地主さんと出会い、カムオンさんが楽しそうに会話をしていました。その様子をみていると、こうやってトレッキングルートとして安全に使用できるのも、地主さんとの信頼関係があってこそなんだと思いました。
赤く広大なミャンマーの豊かな大地。雨季になれば、この大地も緑の作物で彩られるんだと思います。
可憐な花々。
大きく枝を広げる菩提樹。
そしていよいよインレー湖に向けて降下します。
途中の木陰で一休み。風が吹き抜け心地よいです。カムオンさんはトレッキングの間ずっと「私は風が好き」と言っていました。
「そういえば、カム・オンさんの名前にはどういう意味があるの?」
「黄金(カム)夕陽(オン)です」「パオでは名前に黄金をつけるのが人気なの」
黄金の夕陽・・
きっと親御さんは「この子が一日を無事に過ごし毎日輝く夕陽が見られますように」の願いをこめて名前をつけたのかもしれません。とても美しく素敵な名前。
「ヨーコ(私の本名)にもパオの意味があるわよ」
「パオでヨーコは、ここ(here)って意味!」
「えーーっ!なにそれーーーっっ!」
そんなたわいのない会話をするのも、あとわずかだなぁ・・と思うと、なんとなくしんみりとした気持ちになってきます。
その後は一気にインレー湖へ向けて降下。
そして平坦になる頃、
この食堂でゴールです。
最後の昼食。
そしてインレー湖まで徒歩で移動。
カローからインレー湖トレッキングの〆はボートでニャウンシェまで
私達はここからボートに乗ってインレー湖を横断し、ホテルのあるニャウンシェへ戻ります。
カムオンさん、二泊三日おじさんとおばさんのお世話をしてくれて本当にありがとう。短い間だったけれど、まるで娘ができたような楽しい三日間でした。
ボートは水草地帯を抜け
たくさんのカモメたち。
湖ではあちこちで漁をしてましたが、
誰もインレー湖名物の片足漁法はしてなかったよ~。
やがて細い水路に入り
川の水がほどよく濁ってきたころニャウンシェの町に到着。
ニッと笑う白い歯が素敵な船頭さん、ありがとうございました。
ホテルに戻ると、いつものお兄ちゃんが「荷物届いてるよ~」と迎えてくれました。三日ぶりのシャワーは最高に気持ちよかったなぁ。
ホテルの部屋からは二泊三日歩いてきた山並みが見えます。あの山の中に小さな集落が点在し、今日も人々が鍬を打ち、牛を追って暮らしているんだなぁと思と、それまではなんてことなかったその景色がとても特別なものに思えました。