スリランカ|トリンコマリーの市場と地引網漁

仏教遺跡の街「ポロンナルワ」から次にやって来たのは、「スリランカの中でも特に海とビーチが美しい」と、ここ数年旅行者の間で人気うなぎ登りのトリンコマリーです!

前回の記事でも少し触れましたが、トリンコマリーは民族紛争を発端とした内戦が1983年に激化、2009年の終結宣言までの26年間、一般の観光客が立ち入ることができなかったのはもちろん、7万人以上の死者・28万人もの人々が難民となりました。その閉ざされた26年間、まったくの手つかずとなったトリンコマリーは、こうして美しい自然を残すことになったというのは、なんとも複雑な気持ちになる話です。

 

トリンコマリーの町は、これまで巡って来た(比較的仏教色の強かった)スリランカの町と比べても、ずいぶんヒンズー教の寺院が目立つ気がしました。そしてイスラム教寺院やキリスト教寺院も点在しています。

 

流れる空気はどこかノンビリとして、素朴な「普段着のスリランカ」が見られるような気がしました。

 

トリンコマリー中央市場と魚市場

 

トリンコマリー散歩で外せないのが市場!トリンコマリーの中央市場は、バスステーションの向かいにありました。
→(Trincomalee Central Marketトリンコマリー中央市場をGoogleマップでみる)

 

規模はそれほど大きくないんですが、見るからに鮮度の良さそうな野菜がたくさん。

 

お客さんも多く、もしかしたらトリンコマリーで一番活気のある場所かも!?

 

カレーに合いそうな野菜がたくさん。こうしてみると野菜って美しいですよね。

 

これはナツメヤシ??

 

家の近所にこの市場があったら毎日買い物に来ちゃうなぁ。

 

トリンコマリーの中央市場には、クズ野菜を食べに鹿が集まってます。

 

暑くて日陰でまったり。

 

魚市場は中央市場の近くの別棟になります。

 

ブルーを基調にした海っぽい建物が魚市場でした。
魚市場をGoogleマップでみる

さすが海の町トリンコマリー、みるからに鮮度の良さそうな魚が並んでます。

 

でもそれほど数が多くないのは、もしかしたら漁業を生業にしている人が多いからかなぁ?

 

右のはキンチャクダイ?どんな味がするんだろ??

 

いけすもありました。

 

濃厚な水牛ヨーグルト「カード」

 

ポロンナルワからのバスで、トリンコマリーに近づくと車窓から見えた露店で、なにやら白い蓋がかぶせられた素焼きの丸い容器を売っていました。最初「何を売ってるのかなぁ?」って思っていたんですが、その正体は水牛のお乳で作ったヨーグルト「カード」でした。日本でヨーグルトというと冷蔵保存が普通ですが、カードは常温(しかも炎天下!)で売られていました。

 

私達もトリンコマリーの町でひとつ購入。このお店の男性、なんと福岡県に居たことがあるそうです。

 

カードはプレーンヨーグルトです。そのままでも濃厚で美味しいですが、瓶で一緒に売られている黒蜜のような甘ーーいシロップをかけて食べるとより一層美味しい!

 

ローカル食堂と甘味屋さん

 

こちらは中央市場近くの食堂です。

 

スリランカのカレーはどこで食べても、安定の美味しさ。

基本的にスリランカの食事は指でつまんで食べますが、一か月旅行しておきながら結局最後まで上手に食べることができなかったなぁ。いつもお願いしてスプーンを借りてます。

 

これまでの町では見かけなかった魚介類もメニューに並んでいました。スリランカではカツオのカレーはよく出くわすんですが、こういうイカの姿焼きは初めてで、ちょっと興奮したなぁ~。(カレー味です)

 

レストランの並びにある甘味屋さんです。もしかして同じ経営?スィーツといえば女性や子供のイメージがありますが、主力のお客さんは男性でした。男性がフラリと立ち寄って、甘味をササッと食べてサッと出ていきます。

 

みんなが食べていたのがコレ!店員のお兄さんに聞いたら「フッサルラ」というスリランカの冷たいスィーツだそうです。

切ったフルーツがたっぷり入って、その他にゼリーやアイスも乗った、スリランカ版パフェみたいな感じです。これがとーーっても美味しくて3回連続で立ち寄って食べちゃいました。もっと早く知っていればスリランカじゅうのフッサルラを食べ歩いたのに。

 

トリンコマリーの地引網

 

私達の宿泊していたホステルは砂浜のすぐ近くだったんですが、リゾートというより、漁師さんの家々が多い印象でした。その海岸で昼過ぎから行われるのが、地域の男性陣で行われる地引網です!

沖に張った大きな網を、昼過ぎから夕方にかけて、少しずつ引きあげるんです。

 

同じリズムでゆっくりと左右に揺れながら後退し、最後尾にいた人が次は一番前に移動して・・・を繰り返して数時間かけて引きあげます。

 

何回か混ぜてもらったけど、これが重いし、暑いしで相当な重労働ですよ!ぜひ一度、一緒に引いてみて。

 

 

いよいよ魚が近づいて来ると、どこからともなくご近所さんが集まり、ついでにワンコも集まり、おこぼれを狙うカラスも大群で押し寄せて、てんやわんやの大騒動になります。

 

自分の魚じゃないのに、引き上げられた魚を見るとわくわくどきどき、興奮マックス!

 

じゃーーん!本日の収穫です!

 

これを皆でわけて持ち帰ったり、売ったりするようですね。

 

どや、見てみぃ!!

 

 

小さい魚は子供たちに。

 

こんな大きな魚をもらった子もいました。

地引網、ぜったい観光客にウケると思うから、ツアーにすればいいのに!地引網に参加して(長丁場なので終盤だけ)、そのままビーチでバーベキューディナー。インド人や中国人はこういうの好きだと思う。

 

漁の後は網の手入れです。

 

(残った魚はいないかなー?)ワンコもうろうろ。

 

そんなトリンコマリーの美しい景色の中に気になることがありました。海岸沿いに、元々は建物があって、いまは更地となっている土地がたくさんあるんです。トリンコマリーは2004年のスマトラ島沖地震で甚大な津波被害をうけたところ。もしかして被災した場所なのかなぁ・・・と思いました。

 

地元の人に「ここには何も建てないの?」と聞いたら、なんと空き地の多くが中国人によって買われたと言ってました。「ここも、あそこも中国人が買ったよ」って。同じセリフをコロンボの海岸沿いでも聞いたなぁ。「リゾートホテルができるかも」って言ってたんで、数年後にトリンコマリーは中国資本の一大リゾート地に変貌していたりして。

こうして土地を買い占める中国人を地元の人はどう思っているか気になって聞いてみたら、「中国人は観光に来てたくさんお金を使ってくれるから大歓迎だよ」って言ってました。もしこれが30年前だったら、「中国」って言葉がそっくり「日本」ってなってたかな?

中国資本うんぬん抜きにしても、これだけ美しい海とビーチが世に出た今となっては、もはや放っておかれるわけもなく、今後リゾート地として急成長しそうな予感がします。

次回はトリンコマリーのヒンズー教寺院にお邪魔します。

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