
2019年9月
タシュケント散策の大トリ「地下鉄の駅めぐり」です。タシュケントの地下鉄はそれぞれ趣向を凝らした芸術的要素が強いらしく、せっかくなので見に行って来ました。

といっても全駅制覇等々のその筋のマニアさんではないので、お出かけついでの見学程度です。その中で特に印象に残った3カ所を紹介します。

ちなみに私達が訪問した2019年は、少し前までウズベキスタンでの地下鉄撮影が禁止されていて、訪問時点でSNSにもネットにも、実際に撮影したという確実な情報があまり見つけられず「本当に大丈夫かなぁ?」と、かなりビビりながら駅に向かいました。
アリシェル・ナヴォイ駅(Alisher Navoi)

ウズベキスタン古典文学の創始者、詩人で政治家でもあったアリシェル・ナヴォイの名前が付いた駅です。…ん?ナヴォイ?そうです、あのナヴォイ劇場もこの先生から名前が付けられました。

地下に下りるエレベーターの前に立派で繊細なモザイク画がありました。

エレベーターで下っていると、どんどんモザイク画が迫って来てなかなかの迫力。しかもこのモザイク、よく見ると槐色や濃紺がさりげなくほどこされていて花びらがキラキラして見えるんですよ(画像はアレなんで現地で見てね)。

さぁやって来ました、アリシェル・ナヴォイ駅の地下ホーム。構内の撮影が本当に解禁されたのか心配だったので駅員さんに確認しました。返事はOKでした。…それでは遠慮なく撮りまくりましょう。

ホームの壁に飾られた数々の作品は、ナヴォイの代表作「ハムサ」をテーマに著名な芸術家が作り上げたそうです。

実はナヴォイのハムサを知らないので(無学ですみません)、何が描かれているかはさっぱり???

ハムサはわからなくても、この芸術作品の美しさは、なんとなーくわかる…気がする。

素材は陶器かな。光沢が綺麗。

ナヴォイの誕生と没した西暦が書かれているので、どうやらこの御方がナヴォイのようです。

執筆中のナヴォイ。

休憩スペースの柱に箱が取り付けられていました。

中を見ると本が入ってました。これって手に取って読んでいいのかな??それとも施錠されて展示されてるだけかな?(ビビって確認できなかった)

おまけ。構内のお菓子屋さん。
オルマゾール駅

他の駅と比べて旧ソっぽい重く無骨な印象のオルマゾール駅です。
→Googleマップで見る

以前は旧ソ時代の国民的英雄サビル・ラヒモフ氏と同じ駅名でしたが「あばよ旧ソキャンペーン」の一環で、現在のオルマゾール駅に改名されたようです。

階段を下るごとに時代を遡っていく感じがする。

旧名でもあった第二次世界大戦で活躍したサビル・ラヒモフがテーマになっていて、いくつか巡った地下鉄の駅の中でも、ちょっと異色の空気が漂っていました。

サビル・ラヒモフというのは、ウズベキスタン出身者初の赤軍将校だったようですね。

第二次世界大戦時の英雄がテーマなんで、他の駅のようなキラキラ感とは無縁。

今後ウズベキスタンが旧ソ色を消す方向に進むとなったら、もしかしてこの駅はいずれ改装されるのかな…と思いつつ。

ウズベキスタンの辿った歴史を垣間見る、貴重な駅だと思いました。
コスモナウトラル駅

ナヴォイ劇場に行くのに便利なコスモナウトラル駅です。周辺は綺麗に整備された公園になっていて、ぷらぷら散策するのにいい感じでした。

この駅は名前からもお察しのように、宇宙がテーマのようです。

宇宙をイメージしたこのオブジェは陶磁器かな?ひとつだけ青い惑星が立体的に飛び出している。よーく見ると宇宙には軌道のように細い線がいくつも描かれてる。

地下構内は夜空に瞬く星空をイメージしたのかキラッキラしてます。構内の壁には陶器製?のような素材の丸い枠の中に、旧ソ連以前からの宇宙開発に携わった人物などが描かれていました。

宇宙工学の父ツィオルコフスキーがいました。現代に至る宇宙開発の基礎理論、その源を生み出した学者さんです。

天文学者ウルグベクもいました。

イスカンダル星のスターシャかと思ったら違いました。よく見たら女性の宇宙飛行士さんでした。誰がモデルかなぁ…と思いながら、その横の月面に描かれた蟹のようなモノをよくよく見ると…

蟹じゃなかった。月面を遠隔操作で走る車「ルノホート」でした。

束の間の宇宙旅行から戻ると、我が惑星にこんなポスターが…。

このテの落書きは世界共通。書かれている文字が、卑猥な言葉じゃないことを祈る。
