鷲羽岳、三俣蓮華岳、そして黒部五郎小屋へ|北アルプス・テント背負って6日間・11

2018年7月に北アルプス周回テント泊6日間(薬師峠→雲ノ平→高天原→三俣蓮華→黒部五郎→薬師峠)5日目、テント泊した三俣蓮華岳キャンプ場から鷲羽岳を登った後に、三俣蓮華岳を越えて黒部五郎小屋を目指します。

 

2018年7月24日(晴れ)

朝です。

 

この日の朝は4時50分の時点で11℃もある暖かな朝でした。夜も気温はあまり下がらず、おかげで奇跡的に結露がありません!結露が無いって快適だ~~。

まだ5時ですが既に出発する人も多く、夜明け前に鷲羽岳や三俣蓮華岳方面にいくつかのヘッドランプが見えました。

 

本日は三俣から黒部五郎小屋まで移動するだけなので、のんびりできます(いつものんびり・・というか行動は遅いですが)。朝ごはんは相変わらずアルファ米です。

 

鷲羽岳へ

 

7:00まずはテントを置きっぱなしにして鷲羽岳を歩いてきます。

 

鷲羽岳の登山道は太いのでスムーズに歩けました。

 

例によってアタックザックなどという洒落たものは持っていないので、薬師岳の時と同じくペチャンコにした大型ザックを背負ってという、なんとも情けないみたくれです。

 

眼下に広がるハイマツの海に三俣山荘が見えます。そしてその斜め右後ろの残雪周辺がテント場、さらにその後ろが三俣蓮華岳ですね。こうしてみると三俣山荘がいかにいい場所に建っているかわかります。

 

途中で見えた鷲羽池。ここへ降りるかすかな登山道らしき筋があったんですが、この辺りで電波を拾っている人がいました。どうやらこの辺りでは水晶小屋と鷲羽岳の八合目(ん?七合目だっけ?)で携帯の電波が拾えるらしいです。水晶小屋はともかく鷲羽岳八合目って・・微妙。

 

そして、この辺りに来ると妙に温泉マニア心をくすぐる火山ガス臭が漂ってきます。どうやら鷲羽池の背後、槍ヶ岳との間に見える茶色いギザギザの山、その名も硫黄岳っていうらしいですが、その山肌が一部白くなっているのが見えます。あれはどうみても噴気地帯でしょう。もしかしたらどこかの湯元に活用されているのかも?

 

猛禽のペリットらしき物体がありました。白い毛と小さな骨のかけらです。ウサギを食べたのかな?

 

8:00鷲羽岳山頂に着きました!ゆっくり歩いて丁度1時間ってとこです。

 

この日も360℃の大展望。

これだけ毎日いろいろな角度から北アルプスの山々を眺めていれば、ある程度山座同定もスムーズにできそうですが、相変わらず全然ダメで、山頂で居合わせた他のハイカーさんに聞きまくりでした。

 

10分くらい山頂の景色を眺めた後は、戻ります。

鷲羽岳ではあまり人に会わず「平日だからかな?」なんて思っていたのですが、山荘近くになって続々と登ってくる団体さんに遭遇。

声をかけると韓国からのお客さんでした。同じ黄色いタグを付けていたのでツアーかなにかかな?それにしても韓国から日本の山に登山に来る人が本当に多いですよ。富士山はもちろん、八ヶ岳でも団体さんとすれ違ったし、この数日後に登った槍ヶ岳は山小屋もテント場も大勢の韓国のお客さんで埋め尽くされて「あれ?ここは韓国?」なぁんて思うほどでした。

 

9:30三俣山荘に戻ってきました。

 

鷲羽岳下山後は、三俣山荘の展望食堂でランチです。今回の縦走では二日目に太郎平小屋の押し寿司を食べた以外は、シリアルバーやトレイルナッツなどの行動食だったので、こうして時間がある時はゆっくり山のランチを食べたいです。

 

展望食堂は目の前に槍ヶ岳などを眺めながらゆったりとコーヒーを飲んだり、軽食を食べられるちょっといい感じの食堂でした。

 

前回の記事でも紹介しましたが、注文したのはジビエ丼とオムライス。どちらも美味しかったです。

 

数日ぶりに街の食べ物を食べたって感じがして大満足でした。

 

11:00お腹も心も満たされたところで、テントを撤収して本日の目的地、黒部五郎小屋を目指しましょー。一晩お世話になりました。

 

まずはテント場のすぐ後ろに見える三俣蓮華岳を越えます。三俣蓮華岳山頂を通らず時間も短縮できる巻道もあるんですが、訪問時は急こう配箇所にまだ残雪があり登山道の要注意地点にあげられていました。この巻き道を通った女性に話を聞いたら「残雪箇所が急斜面で怖かった」とのこと。我家は無難に、山頂コースでゆきます。(でもこの山頂コースも怖かった・・・)

 

この登山道も大絶景の連続でした。

 

北アルプスの縦走をはじめてから、毎日毎日朝起きてから夜寝るまで、刻々と変わる絶景に囲まれ続け、山からたくさんのご褒美をもらった気がします。

 

三俣蓮華岳の三俣側山頂直下はテント装備だと怖い

 

三俣峠から登り上げる三俣側の山頂直下は急こう配で、しかもザレていて重いザックではかなり怖い感じがしました。足がフラついて、一歩でも後ろに引かれたら「はい、アウト」ってな感じでしょうね。

個人的印象では今回歩いた周回コース中ではここが一番怖いなぁと思いました。可能な限りテント装備では歩きたくないとこです。

今回は残雪で利用しなかった、三俣蓮華岳山頂を通らず時間も短縮できる巻道がどんな感じか気になるとこです。

 

11:55三俣蓮華岳です。山頂は広く、座ってゆっくり休憩できそうでした。

 

山頂から先は、三俣山荘側のザレた急こう配とはうってかわって、ゆ~ったりとした登山道が続きます。

 

山頂以降、登山道上には所々に黒部五郎小屋の誘導電波が。

 

ここにも

 

これなら迷うことはなさそう。

 

途中なかなかのお花畑がありました。

 

北アルプスを縦走していると、これが当たり前の景色になってしまうのがコワイとこ。

 

おや?眼下にポツンと赤い屋根が見えてきました。あれが黒部五郎小屋だと思います。

ここもまた、なかなかの立地に小屋を構えました。縦走中に何軒かの小屋を見て来ましたが、眺めの良い開けた場所であったり、美しい湿原に囲まれていたり、どれも極上立地をキープしています。こういう所に小屋を構えられるのは、やっぱりご先祖様による早い者勝ちなんでしょうか?

 

13:52黒部五郎小屋に到着しました!

ここもまた、湿原に囲まれたメルヘンの世界でしたよ!

つづく。

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