山間の集落奥に湧く温泉公衆浴場です。GW期間中に行きましたが昼間は駐車場のあまりに混雑ぶりに驚いていったん退散。広範囲な地方ナンバー車や1126ナンバーをチラホラ見かけました。
出直して19時過ぎに再び訪問。玄関に入ると靴を脱いで下駄箱へ。番台におばちゃんが居て受付けしてくれます。受付のすぐ横にはちょっとした畳敷の休憩所がありました。左側に男湯脱衣場、貴重品ロッカーが少しあり。分析書&湯使いもきっちりと掲示ありです。
浴室に入ると左側に洗い場シャワー6台、右側には3−4人サイズ正方形内湯があります。湯口代りのパイプから加温源泉が適量投入されています。浴槽内は体感43℃に届かない程度かな。薄い緑黄土色濁り、スベスベ感、鉄錆臭味、重曹甘味ありの複雑な知覚あり。福島・会津地方の只見川沿いに湧く温泉に似ているかも。
浴室から扉を開けると半露天風呂のような空間がある。ドン突きに長方形4人サイズ浴槽、右手には6人サイズの岩風呂を配置。6人サイズ岩風呂は適温に加温されていて快適な湯浴みを満喫しました。
気に入ったのはドン突きの浴槽で、こちらではなんと24.3℃の非加熱源泉にそのまま浸かることが出来ます。冷鉱泉なのでヒヤッとしますがすぐに慣れてきます。浴場空間が薄暗く、お湯の湯色は??でした。この非加熱浴槽は常に賑わっていて、特に人気の湯口付近には一度も近づけないほどでした。ただ、源泉の湧出箇所から1km引き湯が影響しているのかCO2=1162mgの数値程の炭酸は感じられず。可能なら源泉横に湯船をこしらえ源泉本来のパワーを感じ入浴してみたいです。
(三昧・2024年4月)
周囲を里山に囲まれた長閑な地域の外れにある共同浴場です。暗くなって田畑沿いの道を進むと、アナグマ、タヌキ、ウサギ、キツネの里山アニマルオールスターズが次々と道路を横切りました。やがて民家も途絶えて「本当にこの先に温泉があるのかなぁ?」とちょっと不安になりかけたところで、たくさんの車が停まる恵比須之湯に到着しました。
訪問したのはゴールデンウィーク真っただ中、一度明るい時間帯にも訪問していたのですが、駐車場を埋め尽くす様々な地域の車の多さに驚いて「さすがに夜になれば観光客も減るだろう」と、日の暮れた頃に再訪してみました。それでもやっぱり観光客がひっきりなしなやって来て(自分たちのその中のひとり)、恵比須之湯が知名度抜群の人気の施設であることが伺えました。
恵比須之湯は木造のこぢんまりとした施設で、この風情がまた人々を惹きつけるのかもしれません。受付で料金を支払い浴室へ。ちなみに管理人さんによると「いつもの日曜日よりは空いている」とのことです。
脱衣所を出るとまずは内湯です。使い勝手のいいシャワーの並ぶ薄暗い浴室は、ほんのりとした電球色の照明が灯り雰囲気良いです。4人サイズほどの四角い浴槽がひとつあり、黄土色の加温源泉が適温で静かに掛け流されていました。印象的なのが長年の溢れ出し湯が積み上げた浴槽や洗い場の析出物です。見事な千枚田になっていて、パっと見て3センチほどの厚みになっていました。
内湯の向こうは露天風呂ですが、屋根掛けや壁などに囲われて、少し外気に触れられる内湯の印象でした。露天風呂には浴槽が二つあり、ひとつが5人サイズのぬるめ浴槽で、黄土濁りの加熱湯を掛け流しています。
そしてもうひとつが2~3人サイズの非加熱源泉掛け流し、これが恵比須之湯の真骨頂だと思います。ほんのり薄く濁りを帯びた湯は、そっと浸かると最初はヒヤッと冷たく感じます。湯面からは生臭いような鉄臭と土類が香り、源泉を一口含むと甘塩味にほんのりと炭酸風味も感じます。加温浴槽と非加熱浴槽の交互浴がたまらない心地よさで、ついつい長湯をしてしまいそうでした。
(まぐぞー・2024年4月)
▼外観
荒城温泉 恵比須之湯 データ
岐阜県高山市丹生川町折敷地415
0577-78-2877
13時~21時(1月・2月20時)までに退館
火曜日・12月31日~1月2日休み
600円
訪問:2024年4月
荒城温泉 恵比須之湯 温泉分析
荒城温泉 含二酸化炭素-ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉冷鉱泉 24.3℃ 130L/min(掘削動力) pH=6.2 溶存物質計=2.284g Li=1.1mg Na=298.9(47.69mv%) K=15.5 Mg=36.5 Ca=207.9(38.04) Sr=1.2 Ba=0.6 Mn=0.5 Fe2=7.4 F=2.9 Cl=83.3 Br=0.4 I=1.7 SO4=4.9 HCO3=1474(90.15) H2SiO3=147.5 HBO2=8.6 HAsO2=1.4 CO2=1162 (H29.9.8) ※温泉利用状況=加温あり(源泉槽以外)