この界隈は未湯の箇所が多い。今回、湯岐温泉に足元湧出の共同浴場があるというので出掛けてみました。湯岐温泉は数軒の旅館が並ぶ小さな温泉地。いかにも湯治場といった印象を受けました。
お目当ての足元湧出の共同浴場は「岩風呂」という事です。山形屋旅館さんの庭先にあるような共同浴場は、独立した湯小屋となっていました。岩風呂は無人なので山形屋さんにて利用料金を支払う仕組み。岩風呂は混浴となっており脱衣所も一つしかない。夜間21-22時は女性専用時間が設定されている。
岩風呂は岩の裂け目より源泉が自然湧出していて、その岩をコンクリなどで囲み浴槽としたもの。5-6人サイズの浴槽で、底部の大岩の裂け目よりブクブク状態の泡と共に源泉が湧出しているのが分かる。湯量が少ないのか、裂け目からの源泉に加えて浴槽内のパイプからも湯が注入されているよう。更に一段ほど小上がりの場所に一人サイズの加熱浴槽があり、ここより岩風呂への湯の流れ込みもある。岩風呂は38℃と温いので、加熱浴槽は上がり湯として利用されていた。
無色透明、とろみ感があり石膏臭が感じられるお湯。浴槽縁の切り込みよりの溢れ出しての掛け流し。
今回は立寄りで短時間の湯浴みでしたが、このような温めの湯は宿泊してじっくりと長湯するのがベストでしょう。体の芯から温まる良い湯でした。
(三昧・2006年11月)
福島県内の中でも比較的アクセスしにくい部類に入る湯岐温泉です。周囲を田畑や林に囲まれたのどかな地に、ほんの数軒のこぢんまりとしたお宿が寄り添い建つ温泉地で、他所の温泉場からは少し距離があり、「はしご湯」したい向きには少々足が向きにくい地となっています。そのぶん、滞在型の湯治には向いているのかもしれません。
その湯岐温泉の中でも特に知名度が高い「岩風呂」と呼ばれる湯小屋に立寄ってみました。この湯小屋は山形屋旅館の敷地内ともいうべき玄関先にあり、立寄り客の料金徴収も山形屋にて行っています。共同浴場とも呼ばれていますが、山形屋旅館所有の湯小屋にも見えます。
湯小屋内は脱衣所を含め完全混浴です。壁沿いから浴槽底へと続く大きな岩を囲むように6~7人サイズの長方形浴槽が造られ、岩の底部亀裂よりポコポコと湯が湧き出ています。湧き出す湯は「ぬるめ」の無色透明。ただし浴槽横にある加熱(?)小浴槽からの流れ込みが結構多く、それほど「ぬるい」くはありませんでした。訪問時は足元湧出そのものよりも流れ込み湯の方が勝ってか、噂に聞いていた「タマゴ臭」は感じられず、石膏臭が感じられる程度です。ただ、温まり度は高く、さすが名湯だな・・と思いました。ここは立寄りではなく、じっくり数日滞在の湯治が良いと思いました。
(まぐぞー・2006年11月)
▼1時間以内です
▼料金など
▼岩風呂
湯岐温泉 山形屋旅館 岩風呂 データ
福島県東白川郡塙町大字湯岐字湯岐31
0247-43-1370(山形屋旅館)
6時~21時8時~19時(受付18時)
土・連休8時~14時(受付13時)
女性専用時間9時~10時・14時~15時・(宿泊者)21時~22時
300円(1時間)→500円(1時間)
訪問:2006年11月
湯岐温泉 山形屋旅館 岩風呂 温泉分析
単純温泉 38.7℃ pH=9.6 溶存物質計=175.1mg Na=41.3mg K=0.7 Ca=1.3 Fe2=0.1 F=1.0 Cl=5.0 OH=0.7 SO4=12.0 HCO3=24.5 CO3=33.1 BO2=0.5 H2SiO3=54.9 (H17.7.21) ※内風呂だけ気温の低い期間のみ加温との表示あり