谷川岳の西黒尾根登山口からスタート、平標山の家テント泊を目指した谷川岳主脈縦走です。
→その1・西黒尾根登山口→中ゴー尾根分岐
→その2・オジカ沢ノ頭→万太郎山(このページ)
→その3・万太郎山→平標山の家
→その4・平標山の家→青年会新道→ゴール
中ゴー尾根の分岐を過ぎ少し歩いた所です。肩の小屋から主脈縦走路へ入ってからの序盤は、穏やかな稜線を爽やかな風に吹かれながら楽しく進みます。
ちょっとした岩のヤセ尾根の登りもあったりしますが、この頃はまだまだ楽しむ余裕がありました。(終盤には些細な登りでさえ地獄の苦しみに感じるようになるんですが、それはまだ先のこと。)
9:06オジカ沢ノ頭。この頃はまだまだ元気いっぱいです。ただ逃げ場のない強い直射日光がキツイなぁ。
このあと何度もピークを踏むのですが、その先では必ずズドーンと落とされ再び登り返すというアップダウンの繰り返しで、これがこの主脈縦走の特徴かなぁと思いました。
谷川岳の名物的存在、カマボコ型の避難小屋がありました。
木のスノコが所々朽ち落ちてましたが避難小屋としては充分使えそうです。特に急な雷雨などに遭遇した日にゃ、この避難小屋の有難味が身に染みると思います。
避難小屋からは草地をグングン下り、そして再び登り返します。この辺りでガスが少しずつ湧き始めました。
9:35小障子ノ頭。辺りはすっかりガスの中ですが、登り返しでヘロヘロな上に暑さも加わって「キツイな~」と思い始めていたので、ヒンヤリとしたガスの発生にはかなり救われました。熱くなった肌がクールダウンされて気持ちいいです。
この辺りも何気に花が多いんですよね。
チングルマもあちこちで咲き始めていました。
花を撮るために何度もしゃがむとより一層体力を消耗するので、なるべく素通りしたいんですが、花の誘惑に負けてついつい足が止まります。
9:50大障子避難小屋です。ここもカマボコ型の避難小屋ですが、サイズが少し大きいし周囲がちょっと開けているので開放感があります。
内部はフラットで、ここは頻繁に利用されている感がありました。
地図によると近くに水場があるらしいので「もしや美味しい湧水でも汲めるのかもしれない」と、期待に胸をふくらませプラティパスを抱え意気揚々と登山道から枝分かれしている小道を下って探しに行ってみました。
ところが奥に見える雪の下だったのか、しばらく探してみても水場は見つけられませんでした。しかもこの水場への斜面上部が縦走路のトイレ的存在になっているようで、よくよく見るとあちこちに便や紙が見え隠れするという残念な光景。糞便地帯周辺の雪解け水がサラサラと下の残雪地帯へと流れ込む光景を見てすっかり意気消沈。登山道へ戻る登り返しもあって、余計な体力と時間だけを消耗してしまったな~。
これを境により一層、足取りがズーンと重くなります。
重い足取りでの登り返しがツライのなんのって。
横を見ると見事なゼブラ模様の残雪。ちょっとだけ残念な気分がほぐれました。
10:31大障子ノ頭です。はぁ~~シンドイッッ。登り返しのキツさに鬼のような表情になっています。この先には主脈縦走路のボス的存在「万太郎山」がドーンと構えているハズですが、幸か不幸かガスでその姿は見えません。
万太郎への登山道の途中、足元には可憐なシラネアオイが花を咲かせていました。
これからいよいよ万太郎への登りに入る頃、気が付けばいつの間にやらガスが消え、再びジリジリと太陽が容赦なく照り付け始めました。本当なら景色が抜けて嬉しいハズなのですが「なんでこのタイミングでガスが抜けるんだよぅぅ、暑いようっっ」と思わず泣きが入ってしまった。
前方を見上げると、なにやら標柱のようなものに光が反射し、その周辺をチラチラと動く人の姿が見えます。(よぉぉーし、あそこが山頂だ!あともう少しだっっ!がんばれ!)と自分に言い聞かせるも、万太郎の大きさは伊達じゃなかった。山頂がすぐ近くのように見えて、全然辿り着かないんです。
途中で擦れ違ったハイカーさんに「ほら後ろ、ガスが抜けてよく見えますよ」と言われ振り向くと・・おおっ、いままで歩いて来た道がすっかりと見渡せるじゃありませんか!
やがて万太郎の山頂到着!!・・・と思ったら、おや?ここは山頂じゃないよーーー!吾策新道との分岐だよーーーっっ!
歩いて来た道を眺めながら、よくまぁ、あれだけ「〇〇の頭」を越えて来たもんだと笑ってしまった。アンパンを食べた肩の小屋は、もう遥か遠くです。それにしてもガスが抜けて気温が上昇したからか、この辺りから小さな羽虫がわんわん集ってきます。単に体が臭かったから?
11:27(本当の)万太郎山山頂に到着しました。山頂は分岐のすぐ先にありました。
三角点。
山頂からは、これから進む縦走路がよく見えます。
山頂の先客は単独男性。谷川岳から平標へ抜ける日帰り縦走予定だったものの、土合側に置いた車の回収時間に間に合いそうもないのでここで引き返すとのことです。
そうなんです、この主脈をマイカーで日帰りするには、下山後にバスと電車を乗り継いで出発地点へ戻らなきゃならないのです。そのバスと鉄道の接続時間がいまいちな上に土合駅に停まる鉄道の本数も少なく、これがより一層主脈縦走の難易度を上げているような気もします。
そして山頂にはもうひとり単独男性が。この方は逆に平標側から来てここから引き返すピストンだそうです。男性とはこの後ほぼ同じペースで進みました。