台風の影響で天気がスッキリしなかった初日、関東にもいよいよ梅雨明け宣言が出された二日目、そして猛暑となった三日目。そんな三連休は、真ん中の19日に山歩きしてきました。本当はテント泊第二段を目論んでいたんですが・・予定していた18日の天気がグズグズだったんで諦めました。
2015年7月19日(日)
例によって魚河岸並みの早朝に向かったのは、新潟県南魚沼にある巻機山。山頂部は湿原となっていて、今の季節なら初夏の高山植物が楽しめるハズ。・・・と思い、ノコノコ出かけて来ました。まぁ、結果から言いますと終始ガスガスで景色は真っ白けっけ。そのぶん、幻想的な湿原風景は楽しめました(←負け惜しみ)
明け方、桜坂登山口に一番近い駐車場に到着。ここは有料ですが、まだ係の人が来ていない時間帯では、出庫時に料金を支払います。ちなみに登山バッヂもここで売られています。料金所の近くに水洗トイレもあり。駐車場に着いたのは4時頃。すでに数組のハイカーさんが準備をされていましたが駐車場には、まだまだ空きはありました。
4:51身支度済ませて出発!ジメリとした湿度の高い薄暗い樹林帯を黙々と進みます。おそらくは、この日の天候の所為かと思うのですが、無風でジットリとした湿気が常にまとわりつき、不快感極まりないです。足元は粘土質のニュルツルで、油断すると足を滑らせそう。
5:40五合目。ここから少しだけ空気の動きがあり、湿度は少しだけ楽になったような・・ならないような・・。
この先、南会津のようなブナ林が続きます。
六合目。目の前に切れ込む沢と深い山々が広がります。景色は爽やかですが、相変わらず湿度200パーセント。体感的には全然爽やかではありません。
6:50えー・・と・・ココは七合目かな?この辺りから森林限界を超えたようです。湿度は相変わらずですが、蒸し暑さは緩和されました。
この先、笹が茂る道で本来なら歩きにくそうですが、訪問時はしっかりと刈り払いがされて、とても歩きやすくなっていました。復路では刈り払いの皆さんと擦れ違いましたが、こうして整備してくださるおかげで、快適に登山道を利用する事ができるのだと思います。感謝、感謝です。
道端にはモウセンゴケ。
キンコウカも花を咲かせています。
池塘とニッコウキスゲがポツポツと。
丁度、見頃でしょうか。
7:36ニセ巻機山・九合目。
ここから先は木道が続きます。ワタスゲもポツポツあり、晴れていれば、きっと気持ちの良い道。
花も増えてきました。
7:44避難小屋到着。
外観こそ風雪で年季が入っているように見えますが内部は二階建ての清潔な避難小屋で、特に二階部が広く綺麗です。非常時用の無線も設置、小屋内のトイレはなんとバイオ式!おかげで綺麗で臭いも無し。使用後のトイレットペーパーを持ち帰る袋まで用意されていました(屋外トイレは普通のボットンでした)。これまで利用された先人方々の美しい心が映されたような避難小屋です。
こんなに綺麗で快適な避難小屋なので人気は必須。この日だけでもたくさんの小屋泊まりの人と擦違いましたよ。一番乗りは、おそらく9時頃到着したグループかな?
ありがとうございます。どちらさまもゴミは、一つ残らず持ち帰りますよう。トイレの協力金もお忘れなく。
避難小屋をウロついた後は、小屋前のベンチで、ガスに霞む残雪を眺めながらオニギリ休憩をしました。その後、山頂目指して写真撮りつつプラプラと移動。ガスに霞む池塘が、なんとも幻想的です。(晴れていれば、もっと最高だったろうなぁーー)
それにしたって、ガスの湿気パワーが凄いの何のって・・。汗もかいていないのにシャツがウエットに。まつげには水滴までつく始末。
8:18山頂標柱のある広場に到着。この広場は「御機屋」という素敵な名前が付けられています。眺めが良いらしいのですが、ガスに囲まれ当然のように何も見えません。
この辺り一帯は草原が広がる穏やかな地で、花々達が、しっとりと雫をまとっています。
この地に初めて足を踏み入れた先人は、天空の園のような景色に畏敬の念を持ち、そして、織姫様が静かに機を織る、そんな姿が本当に見えたのかもしれません。
8:29牛ヶ岳方面へ少し行った場所にある最高地点。特に標柱もなくケルンが積んであるだけでした。
本当なら牛ヶ岳や割引山へも行ってみようかと予定していましたが、こんなガスまみれの中、眺望も望めそうにないので今日はここで引き返すことにしました。
8:54避難小屋まで戻って来ました。
せっかくなので、小屋の先にある水場を見に行ってみました。残雪から流れる雪解け水が美しい沢となっています。触れてみると手が凍るかと思うほど冷たい!
その後、避難小屋に戻り再びオニギリ休憩。樹林帯ではあれほど蒸し暑かったのに、ガスがかったこの辺りでは少し肌寒いくらいでした。
そうこうしているうちに、たくさんのハイカーさん達が続々と上って来られました。その大半が中高年世代で、巻機山は落ち着いたハイカーさんが多い印象を受けました。
9:33充分満喫したので帰ります。
帰りも景色を眺めつつ写真を撮りつつノンビリと。(明日も休みなんで、慌てて帰る必要もなく気が楽です)
そんな気の緩みが織姫様に露見したのか、樹林帯で粘土質の登山道で派手にコケ、滑り台のように落下、その先に構える大きな岩に肩と足をドーーン!と強打。骨が折れたかと思うほどメチャメチャ痛かった!(実際は折れてません)
更にはその隙にブヨには耳を嚙まれ、まさに「泣きっ面に蜂」じゃなくて「泣きっ面にブヨ」。
そして帰りの樹林帯も、やっぱりジメジメ蒸し蒸し不快指数200パーセントで、登山道には山ヒル、山ナメクジがコンニチワ。
たくさんのハイカーさん達とも擦違いましたが、皆さん高温多湿のサウナ登山道に苦悶の表情で、顔からは大量の汗がポタポタと滴り落ちておりました。
11:51登山口到着!
はじめて歩いた巻機山(井戸尾根)は、キツイ急登はないものの、ゆっくりとした登りがダラダラ続く持久力を試される山と感じました。
それにしても、梅雨の最後の置き土産と言わんばかりの、高温多湿に大苦戦。今度はぜひ、爽やかな秋に歩いてみたいです。高層の草原は草紅葉し、きっと、織姫様が織った錦のようにそれは美しい景色が広がるのだと思います。
帰りの汗流しは、久々の越後湯沢山の湯。相変わらずの良い湯でした。