2018年8月31日(金)
礼文島、久種湖畔キャンプ場の朝です。
今日はいい天気になるかな?と期待しつつバンガローの外に出てみると、昨日と変わらずどんよりとした天気。むしろ今日の方が風が強いような気も。
朝ごはんを買いにセコマまで車を走らせます。やっぱり天気悪いな~。今日もアザラシは無理かな。ちなみにこの画像まだ7時前なんですが、人々が昼間より活発に動いています。礼文島は朝が一番活気づくのかもしれません。
海を見ると・・・
朝も早よから、いくそうもの小舟が、うねる海間に揺れています。
よく見ると顔に大きな水中メガネをつけた男性が、海中を覗きながら長い棒を海の中に突いています。やがて長い棒が海からスルスル出て来るとその先っぽには丸いウニが。そして素早く網の中にポイッと投げ込まれました。あの小舟はウニ漁の船でした。
セコマのイートインスペースで朝ごはんを食べた後、再び久種湖畔キャンプ場に戻りチェックアウト。管理人さんに「アザラシ見れるかなぁ」と聞くと「今日はそんなに波はないし、旗も出てるから、もしかしたらいるかもしれないけれど・・・どうかなあ?」と、ちょっと鈍いお返事。礼文島にはアザラシが多く見られるポイントが二か所あって、一か所は昨日行った金田ノ岬、もう一か所は久種湖畔キャンプ場のすぐ近くの海岸なんです。で、念の為そちらにも行ってみましたが・・やっぱりいなかった~っっ。
今日はいよいよ島めぐりの最終日、礼文島から稚内へ戻るフェリーは夕方なんで、それまで島内を散策します。
スコトン岬
緑豊かな丘を越えて向かったのは、
島の一番北にあるスコトン岬です。ここは強風のメッカだそうで、車の扉を開閉する際に風に煽られて隣にぶつけたり扉がめくれてしまうこともあるらしい要注意箇所ですが、訪問時は幸い風はほとんど吹いていませんでした(ちょっと寒かったけど)。もし強風が吹いていたら、風に向けて車を停めてねってレンタカーの案内書に書かれていました。強風と言えば福島県の安達太良山も有名で、登山後車に戻ってみたら、隣の車の扉にぶつけられたらしい大きな傷がバッチリ残っていたことがありましたっけ。ぶつけた車はすでに逃げた後でした。
ガラーンと寂しげな駐車場には土産店がひとつ。この更に岬の北端へ歩いた崖下の海岸に「え?こんなとこに建物があるの!?」と驚いた民宿「島の人」が一軒あるんですが、そこが営業している土産店です。
最北端のトイレ。
そしてスコトン岬です。
目の前に見える岩礁の島はトド岩というらしいですよ。
三角点風の謎の設置物もありました。これはいったいなんでしょう?「にしん、さだめる、ゴーヤさん」ってとこでしょうか。なんじゃそりゃ?
静かすぎるスコトン岬に一台観光バスがやってきました。降りて来たのはなんと北京語圏のお客さん!こんな北限まで来ちゃうの~~!?と、ちょっとビックリ。
「島の人」の売店でトド肉の肉まんとコーヒーをいただきました。初めて食べるトド肉はかなり独特の味がしましたよ。日本中探してもトド肉まん食べられるところなんて滅多にないと思うのでいい思い出になりました。後から来た観光客の夫婦がコーヒーの値段を指さして「ちょっと高いわね」なんて言ってるけど(実際はそれほど高くないですよ、コンビニの値段に慣れ過ぎちゃいませんか?)、なんたってここは島の北限ですからね~。槍ヶ岳とか富士山とか、山の上なんてもっと高いよぉ。
売店には、こんな穴あき貝殻も置かれていてストラップなんかを作れるようになっていました。この穴あき貝殻が拾えるのは、久種湖畔キャンプ場近くの船泊湾です。
澄海岬(スカイ岬)
次に来たのはトヨタレンタカーご主人イチオシの澄海岬(スカイみさき)です。岬へは駐車スペースから少しだけ歩きます。
おぉっっ「澄海」の名の通り、ガラスのように青く澄んだ海がありました。これで天気がよく光が海にさしこめば、更に美しく輝いたことでしょう。
ここには、もうひとつ美しいものがありました。
道端のあちこちに花が咲いてるんです。
礼文島の花のピークシーズンにはもっと美しい光景が見られそうです。
金田ノ岬で礼文島のウニ
お次は昨日アザラシに振られた金田ノ岬です。やっぱり今日もアザラシはいません。海が穏やかな日は難なくホイホイとみられるそうですよ。
といっても、今日のお目当てはアザラシではありません。
魚介類が美味しい「あとい食堂」で・・・
豪華な昼食です!昨日買った礼文島プレミアム商品券の残りをここで使い切りました!ウニを敷き詰めたウニ丼もありましたが、他の海鮮も食べたかったんでコレにしました。ボタンエビもタコもホタテも美味しかったけれど、やっぱりウニの美味しさは格別でした。関東で一般的に売られている箱に入ったウニは、ミョウバンが使用され独特のエグミと臭みがあるんですが、この鮮度の高い礼文島のウニは、ただ、ただ、甘く濃厚で本当に美味しいです。まぁちょっと値段が張るのがアレですが、夏の礼文島でウニは外せません。
北のカナリアパーク
そしてビューンと島の南端へ移動。北のカナリアパークです。映画の撮影を記念して整備された公園らしいですが、海の向こうに利尻富士を望む断崖の丘に古びた小学校が建つ様子は、あまりにロマンチックでした。この日は生憎、利尻富士は隠れちゃってましたが。
草原の向こうには灯台がポツン・・。この現実離れした景色はなんなんでしょう。ここは現実の世界でしょうか?
猫岩・桃岩
猫岩・桃岩です。この高台から周囲の岩を眺めるんですが、
こちらが猫岩。こちらに背を向けて海を眺める猫背のネコです。なんだか哀愁漂う後ろ姿がいいですね。
猫岩の近くの行き止まりにポツンと家が見えます。なんでも桃岩荘という宿のようで、あそこの若い男性スタッフが、港でフェリー到着時に「お帰りなさぁぁーーーいぃぃっっ」と絶叫しながら旗を振ってお客さんを出迎えていました。
こちらが桃岩です。場所によってはオッパイ岩とかつけられそうですが、ここではあくまでも桃岩です。
そのオッパイ・・じゃなくて桃岩の下を路線バスが走ってきます。この展望台でしばらく停車した後に発車するので、観光に利用しているお客さんもいました。
海を見ると・・・
ここでもウニ漁をしていました。
メノウ浜
最後に来たのはメノウ浜です。ここには乳白色のメノウという石がたくさん打ちあげられるそうですが、
これがメノウかなぁ?これならたくさん落ちてました。全然違ってたりして。
これにて礼文島の観光は一通り終了です。一日でギュっと巡ったので慌ただしい印象ですが、島自体がそれほど広くレンタカー利用だったので、時間に追われることもなく普通に観光できました。礼文島はトレッキングコースが整備されているので、次は初夏の花のシーズンにハイキング目当てで来てみようと思います。それと心残りはやっぱりアザラシかなぁ。多くの人は普通に見れるそうなんで次こそはっっ。
礼文島はいろいろ見どころもあって楽しめましたが、やっぱり一番心に残ったのは、番屋の並ぶこの素朴な風景でした。幼いころ過ごした故郷にちょっと似ているような気もしました。
その後はフェリーに揺られて稚内まで戻るんですが、待合室には北京語圏のお客さんが数十人もいて、しかもみんな揃って舞台役者ばりの大声でワァワァと喋くりまくっています。出航の汽笛を聞きながら、楽しかった島旅の余韻に浸ろうというという思いはもろくも打ち砕かれました~っっ。
皆様は二階の一等席に行かれたのでホッと一安心だったんですが、一階の二等席にまでバンバンに喋り声が聞こえてきます。うーーん、どんだけデカい声で話してんだ~。
さようなら、礼文島。次に来るときはハイキングするよ。
島がどんどん遠くなってゆく。
やがて稚内のネオンが目の前に。
ただいま。
・・・んっ!?
それでは、きょうのところは、おやすみなさい。