
2019年9月13日
温泉とトレッキングの街、キルギス・カラコルの山中、アルティンアラシャンの朝です。

今朝の気温なんと-1℃。霜が降りてました。まだ9月中旬なのに冬のような寒さに震える。

アラシャントラベルゲストハウスの朝ごはん。

ほぼワンオペで頑張る宿のお兄ちゃん(高校生くらい)が作る渾身の目玉焼き。

今朝も来た。お宿の猫。(他のお客さんの所には行かず何故かずーっと我家に張り付いている)
アラコル湖目指してホーストレッキング

今日は朝から馬に乗ってアラコル湖トレッキングに行きます。ホーストレッキングと呼ばれるアレ。
アルティンアラシャンからアラコル湖には歩いても行けるらしいですが、徒歩だとかなり時間がかかるらしい。それにホーストレッキングなんていう、我家とは縁遠そうな成金臭プンプンのアクティビティが手頃な料金でできるチャンスだし、ということで、昨日宿のお兄ちゃんに頼んで手配してもらいました。

集合場所は川を渡ったお隣のゲストハウスの庭先。繋がれているのは、今日お世話になるお馬さん達かな?
お隣のゲストハウスは朝食の時間だったらしく、テーブルを囲むたくさんのお客さんの姿が見えました(こっちのお宿はずいぶん賑わってるなぁ)。女将さんみたいな人が湯気の立ち上るスープを配膳している姿も見える(いいなぁ…熱々スープも出るのかぁ…)。まぁ「隣の芝生は青く見える」ってことで。
庭先には一張だけテントがあって、欧米風の兄ちゃんがひとりでバン齧ってた。「昨夜はどうだった?」と聞くと「もの凄く寒かった」らしいです。

まだ誰も来ていないので、お宿のワンコと遊ぶ。
そうこうしているうちに、本日のホーストレッキング参加者が集まって来ました。全部で10人くらいかなぁ。
お馬さんの乗り方をレクチャー

「これが今日乗る馬だよ」とオジサンが2頭のお馬さんを連れて来ました。2頭とも大人しい。親子か兄弟かな?

そして馬の乗り方を教えてくれました。
歩きたいときは「はいっ」と言ってお腹を両足でポンポン。スピードを上げたい時は何度もポンポンを繰り返す。ポンポンすればするほど速く走るらしい。右に行きたい時は右側の綱を、左に行きたい時は左側の綱を外側に引く。
止めたい時は「どぅるぅぅぅー(巻き舌気味)」と言いながら綱を後ろに引く。馬を降りたら後方には絶対に行っちゃダメ(蹴られるから)。
馬に乗るなんて、子供の頃に牧場で引馬のポニーに乗ったことがあるくらいなんだけど…と聞くと「この馬は頭がいいから問題無し」だそうです。
アラコル湖に向けて出発!

それでは出発~!最初はキレイに一列に並んでアルティンアラシャンの谷を奥へ奥へ。樹林帯の登山道をどんどん登ります。

やがて目の前が開けると、広大なキルギスの山々が清々しい。

幾つかの渡渉もありました。

登り続きでお馬さんも喉が渇くのか、渡渉の度に水をゴクゴク。

途中に点々と放牧中のお馬さん。人を乗せて歩くお馬さんをチラ見しながら、(お仕事大変ですね)と言わんばかりにノンビリ草を食んでます。

馬の扱いに慣れてくると、グループ単位でバラけて来ました。馬に慣れている人は草原を結構なスピードで走らせたりしてた。

ガイドさんは3人いて、ひとりは先頭、ひとりは後方、ひとりは極端に離れた馬を連れ戻したり遅くなった馬を走らせたりと忙しそうに行ったり来たりしてました。

ガイドさんといっても観光案内などはなく、馬の動きを見守る感じ。

ガイドさんが近くに来ると、あきらかに馬に緊張が走るんですよ。ハッとなって急ぎ足になったり、水を飲むのを止めたり。ガイドさん達が馬のボスかもしれない。

どんどん標高を上げ登ってゆくと、

周囲の山々に雪が目立って来ました。

おっ、ユルタ(キルギスの伝統的家屋)がある。その先は山に囲まれているから、あそこが終点かな?
キルギスの秘宝アラコル湖

ここからは急登なので、馬を降りて徒歩で向かいます。

ちょっくら湖を見て来るから待っててね。

ユルタの標高は3535mでした。

日本では見たことが無いような花が咲いてました。

ここを登り上げるとアラコル湖が見えるらしいですが、ほんの少しの距離なのになかなかの傾斜で結構キツイ。標高高くて空気が薄いからかな。

そしてまさかの雪。登山道が完全に雪道になってました(滑り止めもトレッキングポール持ってないし、こりぁ帰りの下りで苦労しそうだぞ)。
そしてついに…

アラコル湖ーーー!!
ここまで来てやっとその姿を現すキルギスの秘宝。急峻な山々に囲まれた翡翠色の湖があまりに美しい。
神秘的な光景に圧倒されたのか、みんな喋ることなくアラコル湖を見つめていました。聞こえるのは谷を吹くヒョオヒョオという風の音だけ。

遠くどこまでも続く山々が見える。

皆が群がっているあそこが一番高い地点かな。…というわけで行ってみた。が、景色は特に変化なし。日本のような山頂標識も見当たらず。

さて下山。来た道の方を見ると、遠くにお馬さんが待機しているユルタが見える(結構、距離があったんだなぁ)。

そしてやっぱり苦労した雪道の下り。私達も含めてほとんどの人がトレッキングポールも滑り止めも持って来てなかったんで、帰りはちょっとした地獄絵図。

しゃがんでペンギン歩きする人、すっ転んでそのまま意図しない尻セードになっちゃった人、3人で手を繋いでビビりながら下っていたら全員同時に滑りコケてドリフのコント状態だった人たちなどなど…。

圧雪状態の登山道より、あっちの方がスムーズに歩けたかもしれない。

なんとか転ばず無事帰還。

何か転がってる…と思ったら、ガイドさんが寝袋で昼寝してた。
乗せた人の痛みがわかる?お馬さんの不思議な能力

帰路はみんな馬に慣れたからか、付かず離れずグループごとに距離を取ってアルティンアラシャンへ戻ります。とはいえ監視はしっかりされていて、変な方向に大きく離れるとガイドさんがすっ飛んできて軌道修正。

このまま帰路も快適に…と思っていたら、なんとここまで来て、お馬さんに乗り続けて尻が急激に痛くなってきました。お馬さんが速めに歩くと尻がポンポンポンと弾み、その度に強い痛みが…。

(イテテッッ)と顔を歪ませていると、なんとお馬さんが歩く速度を落としたんですよ!「痛いってわかったの?」とお馬さんに聞いてみたけれど、まぁ無言でした。
お馬さんって、ひょっとして背中に乗せている人の「痛い」を感じとれるのかなぁ?だとしたら本当に凄いな。

私のお馬さんが速度を落としたので、三昧のお馬さんも速度を落としました。ガイドのオジサンに聞くと「この2頭は父と息子で、生まれた時から一緒育てると、こうして常に一緒に行動するようになる」らしいです。へぇぇーそうなんだ。

アルティンアラシャンに戻って来ました。お馬さん達、本当にお疲れさまでした。朝は単なる「今日乗る馬」だったのに、長い時間一緒にいたら離れがたくなってしまいました。
アラコル湖は評判通り美しかった。けれど、それ以上にお馬さんの賢さと優しさに心が満たされた一日でした。

ホーストレッキングの後は、冷えた体を温めに温泉へ直行。好きな時に個室の掛け流し温泉に浸かれるのがアルティンアラシャンの良い所。一か月くらいここに居座って湯治生活してみたいな。
