自転車でめぐるポロンナルワ遺跡・後半は、クワドラングル以外を見学します。ポロンナルワ遺跡の中心地「クワドラングル・エリア」から離れ、どんどん北上しますよ~。
- パバル・ヴィハーラ(Pabalu Vehera)
- シヴァ・デーワーラヤNO.2(Shiva Devalaya No.2)
- マニックヴェヘラ(Manik Vehera)
- ランコス・ベラ(Rankoth Vehera)
- ランカティラカ(Lankatilaka Viharaya)
- キリ・ヴィハーラ(Kiri Vehera)
- ガル・ヴィハーラ(Gal Vihara)
- デマラ・マハー・サーヤ(Demala Maha Seya)
- 蓮の池(Lotus Pond)
- ティワンカ・ピリマゲ(Thivanka Image House)
- 石立像(Pulasthi Rishi Statue)
- ポトグル・ヴィハーラ(Potgul Vihara)
パバル・ヴィハーラ(Pabalu Vehera)
クワドラングルを離れると、たちまち観光客がいなくなりました。
パラークラマ・バーフ王妃の建立した、優しい雰囲気の仏塔です。ここは、周囲を樹木に囲まれ、南国の鳥たちが飛び交うひっそりとした雰囲気が気に入りました。樹木の下でお釈迦様気分で座禅でもしたら気持ちよさそう。
仏像の横に尾っぽをピーン!としたトカゲくんがいました。
よく見たらかわいい顔してる。
これはガードストーンかな?半身埋もれています。柔らかな体つきをしています。
こちらは筋肉体操な体形ですね。やや放置気味な遺跡に惹かれます。
シヴァ・デーワーラヤNO.2(Shiva Devalaya No.2)
先ほどのパバル・ヴィハーラから更に奥へ進んだ行き止まりにある、こじんまりとした石造りのヒンドゥー寺院です。ここまで来ると、本当にもう誰もいないんじゃないかと思うほど周囲は静まり返っていました。
ところが!誰もいないと思ったら、中にヒンドゥー教の信者の方がいらして、現役バリバリの祈りの場となってるじゃないですか。私達を見ると中に入るようにすすめ、赤い塗料を手に持って額につける気満々です。赤い塗料というのはヒンドゥー寺院をお参りする際に額につけるアレです。
で、どうしたかというと・・・中に入らずUターンしてしまった・・・。だって・・・まさか人がいるとは思わなかったんですよぉ。ビックリすると人はなぜか逃げたくなります。
寺院を少し離れたところで見ていたら、私たちの後に来たカップルちゃんが中に入って行きました。あの子達の額に赤い塗料がつけられたかどうか見届けたかったけど、なかなか出てこなかったんで、どうなったかは不明です。
マニックヴェヘラ(Manik Vehera)
8~9世紀ごろに修道院や仏塔など仏教の集合施設があった場所のようです。ここも多くの観光客はスルーです。周囲は静けさに包まれていました。
繊細な浮彫が素晴らしいです。
昔々多くの仏教徒がこの仏塔を回り、祈りをささげたのかなぁ・・・。
ランコス・ベラ(Rankoth Vehera)
アヌラーダプラクラスの仏塔がドーンと出現しました。
「アヌラーダプラの仏塔に似てるなぁ~」と思っていたら、案の定ルワンウェリ・サーヤをモデルにしたとのことです。どちらかといえば色的にアバギリ大塔の方に似てると思いました。
ここは観光ルートに組み込まれているようで、再び観光客がどっと増えました。
すぐ近くの立派な菩提樹を囲むように、油の入った小さな器が並んでいます。
その油を仔犬を連れた母さんワンコが舐めていました。油が栄養になるのかな?たくましい母さんワンコです。体に害がなければいいんだけど。
ランカティラカ(Lankatilaka Viharaya)
まるで要塞のような高い塀に囲まれた巨大な仏像です。
お~・・まるでタイのスコータイみたい。
塀の浮彫も素晴らしいです。
高い塀はお猿さん達の住処になっていました。
周辺には遺跡がいくつか点在して、ぶらぶらと見て歩くのが楽しいです。
遺跡にはカンボジアの「タプローム」みたいなスポアンの木もありました。スポアンの絡まる遺跡は雰囲気あっていいけど、ジワジワと建造物を破壊するやっかいな植物らしいですよ。
苔を丁寧に取り除いています。こうやって遺跡を日々管理されてるんですね。
おや?おもしろい鳥もいました。
キリ・ヴィハーラ(Kiri Vehera)
ランカティラカのすぐ近くにある白い仏塔です。アヌラーダブラも含めてこのタイプの仏塔をいくつも見た後だったので、感動はかなり薄めというか、正直見飽きてきました。とはいえ、ここも見どころのひとつなんで、とりあえずのっけてみました。
ガル・ヴィハーラ(Gal Vihara)
巨大な石仏が見ものの、クワドラングルと双璧をなす人気の遺跡です。ポロンナルワで見るべき遺跡○選とかの「まとめサイト」があれば間違いなく紹介される遺跡だと思います。
駐車スペースに自転車を停めて、池のほとりの遊歩道を少しばかり歩きます。
蓮の花が綺麗。
途中に長年寄り添って来た風のお猿の夫婦がいました。旦那の方は立派な「てぃんてぃん」をお持ちで。あまりにご立派なので、上半身だけアップで。旦那にはパンツはいて欲しい。
ここでチケットチェックがありました。日本人のオッサンのくだらない会話に笑顔で応じてくれる優しいお姉さんです。
おお~思っていた以上にビックサイズの仏像です。
そして、どれも優しい顔をしています。
どうやら後ろの岩盤から掘り出したようです。
岩の一部に網に塞がれた場所がありました。
中を見ると仏像です。ご本尊様でしょうか?
この摩崖仏の向かいが緩やかな天然の岩盤になっていて、みんなその上に乗って写真を撮ったり、仏像を眺めたりしていました。
ここに座って爽やかな風に吹かれて仏像を眺めていたら、ちょっと眠気が・・・。しばしの休憩タイム。
休憩して元気が復活したので、さらに北上します。ここから先はグっと観光客が減り、道の状態も悪くなりました。熱帯の鬱蒼とした樹木に囲まれた土の道は、日本でいう林道クラスで自転車ではチョット走りにくいです。
デマラ・マハー・サーヤ(Demala Maha Seya)
この看板を目印に、樹木の鬱蒼とした土の道をずんずん進むと現れます。
パラークラマ・バーフ王が途中で作るのをやめちゃった未完の仏塔です。大きく屋根掛けされ、現在も発掘・修復真っ最中。この規模から相当に大きな仏塔かな、と思います。
この遺跡に仔犬のきょうだいがいました。たぶんスタッフが仔犬のために餌を置いたんだと思いますが、なんとその餌を意地悪な猿が横取りしています。
仔犬たちはとても怯えていました。もっと大きくなれば、あんな猿ごとき簡単に追い払えるのに、小さな仔犬が非力でかわいそうでした。
蓮の池(Lotus Pond)
寂しい森の中のダート道を進むと、突如現れるガラーンとした広場にポツンとある蓮の形をした沐浴場跡です。
いまは水は入っていません。サイズは結構大きめで、これが温泉浴槽だったらマニアはほっとかないと思います。
そういえば、日本の温泉場にも似たような浴槽がありました。
さぁ、いよいよお次はポロンナルワ遺跡有料エリアの最奥に位置する遺跡です。
この先が鬼のような上り坂なんです!私は自転車でのぼり切れなくて途中から手で押して行きました。足元は石ころもあるガタガタのダートだし暑いし、ここはホントきつかった。
ティワンカ・ピリマゲ(Thivanka Image House)
やっとの思いでたどり着いたティワンカ・ピリマゲです。
おお~っっ、なんと立派な建物!汗と土埃でベトベトになりながらも来てヨカッタ。
ここは中の撮影禁止でした。薄暗い内部には仏像と、シギリヤレディのような女性たちの壁画が残されていました。
外壁の浮彫が豪華絢爛で見事なのは表側だけで、裏に回ったら単なるレンガ壁でした。なんというか舞台の書割のような。裏はこれから修復するのかな?
鮮やかな袈裟を着たチビッコ僧侶くんたちも見学に来ました。遺跡には全然興味ないみたいで、中に入ってもすぐに出てきて、それよりも外のお土産屋さんに夢中。
この後、南の遺跡「古の図書館(Potgul Vihara)&石立像(Pulasthi Rishi Statue)」も見学に行く予定でしたが、すっかり体力を使い果たしてこの日はギブアップ。残りの南の遺跡は翌日のエレファントサファリでチャーターしたジープの運転手さんにお願いして立ち寄ってもらいました。
で、翌日あらためて見学した南の遺跡です。
石立像(Pulasthi Rishi Statue)
石に彫られた謎の石立像です。仏像ではありません。手に仏典を持ったこの男性像はスリランカの紙幣にも描かれているほど有名なのに「で、本当は誰なの?」って、確実な正体がわかってないんです。ポロンナルワを繁栄に導いたパラークラマ・バーフ1世説が有力なんですが。
最初にこの像をパッと見たとき「あっ、インドのアガスティヤだ!」って思いました。とても容姿が似ていたことと、タミル語文学の祖って言われるアガスティヤ。この像のすぐ近くには遺跡、古の図書館跡があります。
そしてアガスティヤの別名は「水がめの子」。この石立像のすぐ近くにあるものといえば・・・
パラークラマ・バーフ1世が造った、ポロンナルワの巨大な「水がめ」パラークラマ・サムドラです。
なぁんて、想像してみたものの、実は彫刻した人の隣近所の普通のオジサンがモデルだったりして。
ポトグル・ヴィハーラ(Potgul Vihara)
さきほどの石立像から徒歩で移動できる距離にある、パラークラマ・バーフ1世の建てた仏教経典を保管した古の図書館跡です。
先代王達の礎をもとに、ポロンナルワを仏教都市として開花させたパラークラマ・バーフ1世。ここが仏教都市ポロンナルワのはじまりかぁ・・・と思うと、なにか胸に迫るものがありました。
最後の最後に、ゲストハウスのオーナーが「南の遺跡から北の遺跡へ」と言った意味が、ここへ来てようやくわかった気がしました。
以上でポロンナルワ遺跡群の見学は終了です。小さな名も知れぬ遺跡の全てをもじっくり見学すれば、あと数日必要なくらいボリュームのある遺跡群でした。アヌラーダブラ遺跡群もそうですが、スリランカの遺跡見学の最大の敵は「暑さ」だと思います。どちら様も熱中症にご用心。