早朝に折立の薬師岳登山口を出発、途中の太郎平小屋で明日のお弁当の予約と明後日の高天原温泉の宿泊予約を済ませ、本日の寝床、薬師峠キャンプ場に到着しました!
薬師峠キャンプ場にテント(正確にはツェルト)を設営した後は、きょうのうちに薬師岳を登っておこうと思います。
登頂用のアタックバックなんて洒落たものは持ってないので、背負って来たデカバックパックを空にして(置いていく荷物は施錠したテントの中に入れて)、水と雨具と小腹満たしのお菓子だけ持っていきました。
12:00薬師岳に向けて、薬師峠キャンプ場出発~。薬師峠からは、ググっと登り上げる急坂です。ゴロゴロ石の急登が歩きにくいうえに、暑くて地味にキツかったな~。何度も汗を拭き拭き。
残雪に癒されます。あーー冷たくて心地いい。ずっとここに居たい。
残雪のまわりもお花がいっぱい。
やがて広い草地に出て、ザレた道を進むと・・
おぉぉっっ、一面のお花畑の向こうに美しいカールが見えます。こういう景色を見ると、疲れもふっ飛びますね。
13:10薬師岳山荘に着きました。
この薬師岳山荘、途中からはほとんど見えなくて、ほんとうに目の前まで来ると突然姿を現すドッキリ立地に建っています。
はて?薬師岳の圏谷群とは?「富山県観光公式サイト・とやま観光ナビ」から引用すると
『東斜面には大規模な氷河地形の薬師岳圏谷(カール)群があり、国の特別天然記念物に指定されています。氷河時代の氷河によってできた椀を半分に割ったような形の、日本アルプスの中でも見事な圏谷と言われています。』
・・・なるほど。薬師岳の見事なカール群は日本でも稀有な存在だったんですね。
疲れていたのでちょっと一休みしたかったんですが、ここで休んだら余計疲れが増しそうなので頑張って足を進めます。途中で出会った女性二人組はここに宿泊するそうで「あなたたちも、ここに泊まって行きなさいよ~」と、へとへとに疲れた身に悪魔の囁きを投げかけてきます。
それにしても素晴らしい場所に建ってますね。ここに宿泊して刻々と変わる景色を眺めて過ごすって、なんて贅沢なんでしょう。
薬師岳山荘の背後に見えるピークは薬師岳の山頂ではありません。あそこには愛知大学13名の遭難碑が建つ小ピークです。(最初、あの小ピークが薬師岳の山頂かと思い込んでいたから、違うとわかった時の疲労感が・・・)
その小ピークを左に巻いたさらに奥の先に薬師岳山頂があります。太郎平小屋から薬師岳方面を見上げた時は「近そうだな」なぁんて高を括っていたんですが、思った以上に距離がありました。
このコースは絶景の連続でした。
何度も立ち止まっては自然の芸術美、カールを眺め「凄い・・」を連呼。
おぉぉ、ようやく山頂がすぐ目の前に。
14:05やーーーっと薬師岳山頂に到着しました。あぁ疲れた。
誰もいない、静かな山頂に風の音だけがヒュゥヒュゥと鳴っています。あんなに暑かったのに、風に吹かれて寒い・・・。
山頂にはお薬師様が祀られ、三角点もありました。薬師岳の向こうには北薬師岳が連なり、その先は立山へと続いています。実は一番最初に計画をたてた時は室堂から五色ヶ原を散策し、薬師岳へ抜けようと思っていましたが、車の回収が面倒でやめてしまったヘタレです。
14時も過ぎてガスも湧いてきたので、薬師峠キャンプ場に戻ります。
下山時には、この景色をしっかりと目に焼き付けました。
帰路は愛知大学13名の遭難碑に寄ってみました。昭和三十八年一月に若い13名もの学生さん達が吹雪でここから東南尾根へ迷い込み、遭難してしまったとのこと。
まだ若かったのに・・寒かったろうなぁ、あたたかな温泉に入れてあげたい。みんな、親御さんのもとに「ただいまぁ」って帰りたかったろうな・・。
すれ違う人がいなくなった寂しい登山道をどんどん下り、
薬師峠キャンプ場が見えるところまで戻ってきました。
いかにも樹林帯っぽい植物が咲いています。
下山途中の沢で、ちょっと失礼して頭と顔をバシャバシャ。キンキンに冷たい水で手が痺れたけれど気持ち良かったなぁー。
テントが少しだけ増えたかな?
晩御飯は例によってフリーズドライのカレーめしと味噌汁です。これから6日間ほぼこんな具合のごはんが続きます。
いやーー、長い一日でした。
やがて夜になり、この日は疲れもあってグッスリ就寝・・のハズが、ツェルトの結露で夜中に何度も目が覚めてしまった。
外は月の輝く夜なのに、なぜかツェルトの中は雨が降るという謎現象。
つづく。