2019年3月19日
朝からいい天気です。宿泊しているホステルの食堂の窓から木が見えるんですが、朝から元気にリスが走り回っています。
きょうは世界遺産にも登録されているアヌラーダプラ遺跡群見学の二日目。アヌラーダプラ遺跡群は「有料エリア」と「その他のエリア」にわかれているんですが、きょうは「その他のエリア」を見学します。
「有料エリア」を見学した昨日は、「高い入域料払ったんだから、なるべくたくさん見よう」の貧乏根性丸出しで自転車に乗って見学しまくったのでちょっと疲れました。きょうは、ゆっくり巡りますよ~。
ホステルで無料で貸していただけた自転車に乗って、またも交通量の多い町の道路をビビりながら進みます。え?服が昨日と同じだって?ちゃんと洗ってますよ~。一晩で乾いちゃうんです。
遺跡や寺院は中心地から外れたのどかな場所にあるので、混雑した町の中心部さえ抜ければ、あとはゆったり~。朝から南国の太陽が容赦なく照りつけて暑いです。帽子は必須。
イスルムニヤ精舎(Isurumuniya Rajamaha Viharaya)
200スリランカルピー(2019年3月)
最初にやってきたのがイスルムニヤ精舎と呼ばれる寺院です。すぐ横にはアヌラーダプラの水瓶、大きなティッサ湖があります。
こちらの寺院はコンパクトながら、おもしろ要素が箱庭のようにギュっと詰まっていて、たぶん日本人が好みそうな所だと思います。私もこの寺院が好きです。遺跡と言うよりは現役バリバリ寺院です。
入ってすぐに大きな池。
池の大岩には親子ゾウの浮彫がありまして、仔象の鼻の先にある四角い穴にコインを投げて入ると御利益があるとか。何人か挑戦していたけど、みんなハズレてた・・・。
結構入ってる。
こちらが正面を向くゾウの群れ。ゾウの本場スリランカでは、デフォルメ許さず。サイズ感もリアル。全部で何頭のゾウが彫られてるんだろー?
池の横では昨日のスコールの名残か水たまりの中を男子が歩き回っています。その少し離れた場所で女子が「男子って子供よね」と言わんばかりの冷めた目で見ているお馴染みの光景。
まずは何はさておき、ご本尊様にご挨拶。
色鮮やかな寝釈迦様もいらっしゃいます。
本堂横の浮彫のこの御方は豊穣の神だそうです。
大岩の上に登れるので行ってみました。
微妙なバランスの大岩。よくよく見ると怖い・・・。
大岩あるある。日本でもお約束の枝支え。
大岩の上に登ると、南国の樹木や田畑をまっすぐのびる参道が見えます。
遠くに昨日見学したジェータワナ・ラーマヤも遠くに見えました。
その手前になにやら大きな足場の組まれた茶色いお椀型の建造物が見えます。修復中の仏塔かな?
ここにも寝釈迦様、そして仏足がありました。
再び下へ。大岩の隙間に近づくとなにやら甲高いチチチッという鳴き声と動物のオシッコ臭がプ~ンと漂います。
うひゃあっっ。コウモリがビッシリ。
せっかくなので宝物殿を見学します。ここには有名な像が展示されているんです。像の撮影には別料金がかかりますが、せっかくなので撮らせていただきました。
あまりに有名な「恋人の像」です。昔々、大きな身分の差を乗り越えて結婚した王子とその妻の恋人時代の像です。ふたりはあまりの身分差から結婚を許してもらえず、王子はその座を捨てようとまでしたらしいです。
ふたりを取り巻く環境は「針のむしろ」だったと思いますが、この像はとっても幸せそうな表情をしています。
宝物館の外の東屋(?)のようなところで一休みしていると、「日本?」とお寺の方に声をかけられました。「はい、日本です」と返事をしたとたん男性の表情がパッと明るくなって「像の写真は撮った?まだなら、行きましょう、好きなだけ撮っていいんだよ」と、ニュアンス的に無料で撮っていいよって感じでした。(ええ?お金払っちゃったよぉぉ)って嘘嘘、お寺の運営費になるんだから、寄付の意味も込めてしっかり払いますよ~。でも、お気持ちありがとうございます。
男性によると「ここのお寺は日本と友達なんだよ」って。後で知ったんですが、実はこのイスルムニヤ精舎、日本の寺院と友好関係があったらしいです。男性の様子からとても良い交流が行われているんだなぁと思いました。
最後に池の向こう側にある菩提樹にも行ってみました。
菩提樹の葉が風に揺れてさわやか~。
ヴェッサギリヤ(Vessagiriya)
イスルムニヤ精舎の次は近くにある古の修道院跡地「ヴェッサギリヤ」へ行ってみるとこにしました。
途中の道端で籾殻のようなものを干しています。この籾殻を見たとき「きょうはスコール来ないんだな」と思いました。自転車で踏まないように慎重に通り抜け。
「ヴェッサギリヤ」は大岩がゴロゴロとし、なんとも神秘的な景観を醸し出していました。
大岩の隙間や下が部屋のようになっていて、昔の僧侶達はここで瞑想を行ったんでしょうか。
大岩の陰では観光客が座ったり、寝そべったりしていました。最初は「暑いから日陰で休憩してるのかな?」って思ったけれど、今思い返せばあれは古の僧侶にならって瞑想していたのかも。
この大岩に掘られた足場は、シギリヤロックにも同じものがありました。シギリヤロックでは僧侶がこの足場で岩の上に乗って、説教をしたともいわれていて、ここでも同じような使われ方をしていたのかもしれません。
とても眺めがいいです。ジェータワナ・ラーマヤも見えます。下にでかでかとウエディングフォト撮影禁止の看板があったけれど、おそらくは聖域だからダメってことかな?
ティッサ湖(Thissa Wewa)
ヴェッサギリヤのあとはティッサ湖に行こうとしたら、すぐ横にあるにもかかわらずなかなか湖畔に行く道が見つから~ずしばらくウロウロしてようやく湖畔に到着。
まぁ、ごく普通の湖でした。
昨日は何回かスコールがあって打ち水効果で涼しくなったけど、きょうは一滴の水も落ちてきません。ただひたすら暑い・・・灼熱ぅぅぅ~~!
ミリサワティ・ダーガバ(Mirisawetiya Stupa)
純白の美しい仏塔がまぶしく輝いてます。
古の都アヌラーダプラは一時期、南インドに占領されていたいた時期があるんですが、それを奪還したのが英雄ドゥトゥガムヌ王です。
宿敵とされたエララ王を倒した記念として建立されたのがミリサワティ・ダーガバだと言われています。早いハナシが戦勝記念仏塔!?
一部修復中(?)で、レンガのようなものがビッシリと積み上げて造られていることがわかります。・・・って、何かいるの気づきました?
じゃーーん!カワセミの夫婦がいました。
なんと・・仏塔のレンガの隙間がカワセミ君夫婦の巣箱になってました。
ブッダ像です。
掃除中?修復中??
木陰ではニャンコとワンコが気持ちよさげに寝てます。
「ん?にゃんだ?」
「気のせいにゃ・・・」
なんだか、とってもホノボノとした空気が満ちるミリサワティ・ダーガバでした。
スリー・マハー菩提樹
アヌラーダプラ遺跡群の最後に訪問したのがこちら。ブッダが悟りを開いたインド・ブッダガヤの菩提樹の南枝をここに植樹したといわれる聖域です。なんと人によって植樹された最古の樹木でもあるらしいですよ。
ちなみにスリー・マハー菩提樹、手持ちの地球の歩き方には有料と記されていて、有料だったと記事中にある旅行記も散見するんですが、ホステルのオーナーさんに「無料だよ」と言われ、訪問してみると確かに無料でした。時期や日によって有料になったり無料になったりするのかなぁ??
広々とまっすぐに伸びる参道には、スリランカの仏教寺院参拝時の正装でもある白い服を着た人々が大勢行き来していました。
その入り口付近にはこんな看板が。
「あっ、もしかして白い服じゃないとダメなのかも!」この日の私たちはグレーのTシャツ・薄い黄色のラインの入ったTシャツ+長ズボンという格好でした。施設のスタッフさんらしき人がいたので聞いてみると「外国人はいいですよ」ってことです。
中に入ると外国人観光客以外は、みーーんな白か白っぽいシャツを着用してます。(白っぽいシャツ着てくればよかった・・・と、後悔)
肝心の菩提樹は・・・何本かあるように見えるけど、どれだろう?それとも全部?
仏旗で囲われたあの菩提樹がそうかな?
新しい植樹もされています。こうして悠久の時を経て菩提樹と共にブッダの教えが継がれるんですね。
シギリヤロックの時と同じく元気なお子様が大勢来てました。
手にはお供えの花を持ってます。スリランカのお子達の制服カワイイ。どの子もおりこうさんに見えます。
ところでここ、ビックリするくらい足元が熱いんですよ。南国の太陽に照らされたスリランカの寺院の床や砂地が熱いのはもう何度も経験済だけど、なんというか、ここはその暑さレベルが桁違い。わずかな日陰を歩けばなんとかなるけど、そうじゃない時は飛び跳ねたり、ダッシュで走り抜けます。
「やっぱ裸足は熱いよね、次は靴下持ってこようかな」と、お猿さんも言ったところで、二日にわたって巡ったアヌラーダプラ遺跡群を〆たいと思います。