果てしなく広がる乾いた地にゴロゴロと積みあがる奇岩群、その大地に世界遺産にも登録されている古のヴィジャヤナガル王国の遺跡が点在するという、幻のような異世界のハンピです。
見どころが広範囲に点在しているし、とてつもなく広ーーい遺跡もあるので日帰りではかなりキツイいと思います。
実際に私たちは現地に3泊しましたが、今思えばもう1~2泊増やしてもっとのんびりしてもよかったかなと思っています。
そのハンピの観光拠点として多くの人が宿泊するのが観光ポイントにより近い「ハンピ」か、すこし手前の集落「ニューハンピ」と思います。「観光スポットに近いハンピも魅力だし、静かでローカルな環境のニューハンピも良さそう」って、これはホント悩ましいとこ。
このページでは実際にニューハンピに泊まってみた集落の様子、観光の行き帰りに見て歩いたハンピの様子を載せたいと思います。ページの最後ではハンピへの玄関口「ホスペット」の様子もちょっとだけ紹介します。
※ハンピは川の手前側(ホスペット側)と、川を渡った対岸側とにわかれますが、このページではその両方合わせて「ハンピ」にしてます。
ホスペット~ニューハンピ~ハンピの位置関係とバス料金
ハンピの玄関口「ホスペット」から見たそれぞれの位置関係です。時間はバスの所要時間です。だいたい30分に一本ベースで運行しているってことで、実際に利用してみてもそんな感じでした。
各位置は2019年5月訪問時のものです。現地の開発などで場所がかわる可能性がじゅうぶんにあります。
実際にかかったバス運賃(2019年5月)
ホスペットバススタンド~ニューハンピ/10ルピー(※大きな荷物+5ルピー)
ニューハンピ~ハンピ/6ルピー
ハンピ~ホスペット/15ルピー
※インドのバスでは、旅行者に限らずインド人も同様に大きな荷物を持ち込むと追加料金を徴収されることがあります。このときは初日のホスペット→ニューハンピで徴収されたけど、最終日のニューハンピ→ホスペットでは徴収されませんでした。車掌さんの裁量にもよるのかな?
ニューハンピってどんなとこ?
今回私達は静けさを求めてニューハンピに宿泊しました。最初は観光スポットにより近いハンピも候補だったんですが、観光地ではないローカルな集落にも触れてみたいなぁとニューハンピを選びました。結果としては大満足です。
ホスペットからのバスは集落へ続く道の入り口あたりに停まります。Googleマップでピンの左側にある集落がニューハンピです。
バス通りから集落に続く小道の入り口には看板があるので迷うことはありませんでした。
ホームスティ先の若女将さんに集落の規模を伺うと、ニューハンピは世帯数約300・一世帯に3~4人で住んでるらしいです。まぁまぁの規模の集落です。水は井戸水を利用とのこと。周辺がかなり乾燥して見えたんで、てっきり天水を溜めて使っているのかと思ってました。
ニューハンピの集落内は迷路のように入り組んでいます。
ぜんぜんスレてない恥ずかしがり屋の子供たちが家の中から声をかけたり小さく手を振ったり、すれ違うお婆ちゃんはあのインド独特の首振り挨拶を優しい笑顔でしてくれます。
2019年5月時点では集落内に食堂は見つけられなかったけれど、小さな商店がありました。せっかくなんでジュースやお菓子を購入。
南インドの魔よけと招福のおまじないコーラムがあちこちに描かれています。
毎朝チョークで新しく描くコーラムは、お客さんや通行人が踏んで消えるほどご利益があるらしいです。これを家のお嫁さんが毎朝描くんでしょうか。綺麗だけどたいへんだなぁ。
ホームスティ先のお宅もそうでしたが、ニューハンピの女性たちはちょっと厳しめのお姑さんの元で朝からとても良く働いていました。そしてお姑さんは椅子などに腰かけてデーンと存在感を放っています。今は健気なお嫁さん達も、いずれは貫禄たっぷりのお姑さんになっちゃうのかなぁ。
ホームスティ先の若女将さんが朝にモウモウと煙の出る入れ物を持って何やら儀式をしているとこ。部屋にもやってきてモウモウと煙で燻していきましたよ。
ニューハンピは(ハンピもかな?)野良犬が多くて、日が暮れると広ーーい空き地でワンコ達の戦いが繰り広げられます。ちょうどホームスティ先のお宅から空き地が見えたんで眺めていたら、A群とB群それぞれ数頭のワンコが睨みあっているけれど、実際に戦う時は一対一のタイマン。強いのが一頭づづ飛び出して戦うんです。犬同士の戦いにも正々堂々のルールがあって見ていて感心してしまった。
ニューハンピからハンピへはローカルバスで移動
ニューハンピからハンピへは、ホスペットからのバスで降りた場所の反対側でバスを待ちます。だいたい30分おきぐらいに来るってことですが、行ったばかりなのかなかなか来ないな~。
牛車が来た。
でもこれは荷物用で人は乗れない。
乗り合いオートリキシャも来ました。既に人がビッチリ座っているけど、後からのお客さんは運転席の横の隙間と、先客さんたちの膝の上に乗るという。
まだ乗りますよ~。一番道路側の女性は三段重ねでした。私達を見てまだ隙間を作ろうとしてたけど「バスで行くからいいよ」って言いました。さすがに難易度高すぎ。こんなに乗ってちゃんと走るのかな?と思ったケド、ふらつくこともなく元気に走り去っていきました。
ようやくバスが来ました。
集金はバスの中で車掌さんが行います。
バスの中で横に座った少年に「どこから来たの?」「日本のどこに住んでるの?」「家族で旅行に来たの?」「何人家族なの?」「何歳なの?」といろいろ事情聴取されます。
逆に少年に「何歳なの?」って聞いたら「なんでそんなこと聞くの?」というまさかの衝撃回答。(えええっっ自分は散々聞いてそれぇぇ!?)(→17才ってことです。まぁ高校生くらいかなぁと思った通りでした)
ニューハンピから約10分でハンピ(終点)に到着です。
降りると「ガイドはいらないか?」「お土産見ないか?」の客引き数人に声掛けされます。でも断るとアッサリ引きます。彼らのお目当ては外国人よりもインド人観光客で、見ているとインド人はガイドを付ける人やお土産を気前よく買う人が結構多いんです。「外国人=用心深くてケチ」「インド人=観光で浮足立って金払いいい」って感じなのかな。
それにしてもやけにインド人観光客が多いなぁと思ったら「え?知らないの?いまインドの夏休みなんだよ」だって。
ハンピ
ハンピです。土産物店や食堂もあっていかにも「観光地」というワクワク感があります。
ローカルなニューハンピとまた違った楽しさがありそうです。なんとここでインドに来て初めて日本人観光客に出会いました。しかも数人に!ハンピって日本人に人気の観光地だったってここに来て初めて知りました。
ハンピの路地で「はっぱ、はっぱ」って日本語で声もかけられました。ってことはそういうのに手を出しちゃう日本人もいるってことかな。買わなきゃ売る人もいなくなるんだから、もっとしっかりしなよ日本人!
若い欧米人の子たちもとても多いです。
ドイツから来たこの子達はインド人の名前をカリグラフィーにして一枚20~40ルピーで商売中。昔コタキナバルでアマド君というマレーシア人が「日本人に名前書いてもらった」って喜んで見せてくれたのが「雨戸」だった。まぁ・・ね、間違いじゃないけどね。
観光名所の一つ世界遺産に登録されているヴィルーパークシャ寺院がすぐ近くです。(中に入るには拝観料がかかります)
ハンピの名を押し上げた奇岩群を眺められる場所もありました。ハンピに泊まればこういう観光名所を気ままに散歩できるのがポイント高いです。
すぐ近くには川が流れていて涼しげな場所も徒歩圏内。
漁師さんが使っていた大きなザルのような舟が気になる。
渡し舟を使って気軽に対岸へ行き来できます。渡し舟はひとり20ルピーでした。
バイクも乗せられるみたい。キマッてる~。
対岸です。ゲストハウスや商店があり、ヒッピー風のバックパッカーが好みそうなちょっと気怠い空気が流れています。一大リゾート地になる前の、かなり昔のタイのピピ島にちょっと似てる気がしました。
ハンピへの玄関口「ホスペット」
ハンピへの玄関口となるホスペットです。実は「ニューハンピはのんびりしてていい」と言っておきながら、食事や買い物などちょっとした「便利」を求めてホスペットの街にも行ってました。最初はハンピでランチを食べようかと思ってレストランを覗いてみたけど、観光客寄りの雰囲気がちょっと求めているものと違うなぁってバスに乗ってホスペットまで来ちゃいました。
ところが日が悪かったのか、なぜか多くの商店が休業日でした。そのかわりなのかズラリと露天商が並んでいます。ホスペットはチェンナイやバンガロールとは違って、かなーーりローカルな地方の小さな町といった印象。
まずは暑さで喉がカラカラだったので、食堂でラッシーとスイカジュース。うーーん染み入る美味しさ。
ランチはチャーハン風チョーミン(インドの焼きそば)。ライスとたっぷり野菜入りで、これも美味しかった~。スリランカの焼きそばは「麺ばっかり」なことが多いけど、インドの焼きそばは野菜をたっぷり入れてくれるところが多いから好き。
食後は街をちょっとだけぷらぷら。バナナがおいしそうだったんで購入。
ホスペットのバススタンドです。バンガロールから到着したときは夜明け前で「どんより」した空気が流れていたけれど昼間に見たら随分印象が違う。とても明るく活気ある雰囲気でした。
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