2019年8月14日
今日は奮発してドライバーさんつきの車を一日チャーターし、下ラダック(ラマユル方面)のゴンパ巡りをしてみました!バイクをレンタルして行こうかとも思いつつ、調べてみると結構距離があったのと天気がイマイチだったのでアッサリ却下。チャーターの手配は、パーミット発行でお世話になった旅行社にお願いしました。
リキルゴンパ / アルチゴンパ / ラマユル / サスポール洞窟(ニダプク石窟) / マグネットヒル
レーからリキルゴンパへ
当日の待ち合わせ場所は、チャーターの手配をした旅行社の前です。朝早い待ち合わせだったんですが、行ってみるともうドライバーさんが待っていました。ドライバーさんと軽く挨拶をして早速ラマユルに向けて出発です。
荒涼とした山肌を深い渓谷が流れる、ラダックお馴染みの景色。「ここはインダス川とザンスカール川の合流する場所」とドライバーさん。いまひとつ興味薄くボーッと眺めていたら「撮影ポイントだから撮りたまえ」と勧められて一枚。
おっ?白い要塞のようなゴンパが見えてきました。あれがリキルゴンパかな。
ほぉぉ、金色の鮮やかで大きな弥勒菩薩が見える。そういえばディスキットゴンパにも同じような大きく金ぴかの弥勒菩薩が鎮座していました。ラダックは弥勒菩薩が好きみたい。
ゴンパに着くとドライバーさんが「車で待っているから自由に見学してきて」とのことです。
リキルゴンパとゴンパスクール
リキルゴンパの中に入るとシーンと静かで、ひとっこひとりいません。観光客はもちろん僧侶の姿も見当たりません。見学しようにも施錠されている部屋が多く「困ったなぁ」と思っていたら、男性がやって来て鍵を開けてくれました。
お邪魔します。
写真撮影を確認するとフラッシュ使わなければOKとのことです。
ラダックで幾つかのゴンパを巡って来たのに、相変わらず仏像や壁画ひとつひとつの背景がいまだによくわからないという。壁画に描かれるメッセージをいろいろ知っていれば何倍も楽しめたんだろうなぁ・・・。
これは知ってる。どのゴンパにも必ずといっていいほど描かれている。年長者を敬い助け合いながら暮らしましょうという物語。
屋上に出てみました。
眺めがとても良いです。
弥勒菩薩の足元に来ました。大きい!
ラダックでときどき見かける。
リキルゴンパスクール見学
リキルゴンパには学校もありました。先生に伺うと見学させていただけました。
(おっ、なんか来たぞ)と子供たちは勉強しつつコチラをチラチラとチラ見。
英語の勉強中でした。ディスキットのゴンパスクールと同じく、ここの子供たちも英語の他にヒンディー語とラダック語も勉強しているそうです。さらに敷地内にあった案内板を見るとサンスクリット語も学んでいるらしい。凄い!その他に仏教哲学、数学、社会などなど・・・。卒業後はさらに上の僧院大学などに進むらしいです。
お兄ちゃんがお茶をいれてくれました。
ゴンパでいただく飲み物はバター茶が定番ですが、リキルゴンパは紅茶でした。帰り際、学校に気持ちばかりですが寄付をさせていただきました。
アルチゴンパ(11世紀の仏像と壁画)
次にやって来たのは、今回の一日チャーターで一番楽しみにしていた仏教美術の宝庫と誉れ高いアルチゴンパです。事前に読んだ書籍で知った11世紀の壁画や大きな木造の仏像に興味津々。
駐車場からアルチゴンパに向かう小道が仲見世通りみたいになっていて、お土産屋さんがビッチリ並んでいました。レー周辺のゴンパをいろいろ見学してきたけれど、こういうお土産屋さんが並ぶ光景はここが初めてかも。訪問時はたまたま観光客はいなかったけれど、おそらくとても人気のあるゴンパなのかな?
ここでチケット購入。受付には話好きな陽気なお兄さんがいました。
チケットです。
寺院敷地内撮影禁止・携帯電話持ち込み禁止の掲示があったので寺院のお兄さんに「カメラ持って来ちゃったけど・・」と聞くと「車に置きに帰るのも面倒だろうし持ってっていいよ」とのことでした。
※訪問後にロッカーが設置され、携帯やカメラ類はもちろん荷物の持ち込み一切禁止となったようです。最新状況は現地で確認されてください。
ラダックの秘宝・鮮やかな色彩の仏像と壁画
お目当ての仏像が祀られているスムツェク・ラカンは、どことなく洋風で洒落た感じの木造の建物でした。※撮影禁止のためアルチゴンパでお土産に買った絵葉書を載せます。
一歩薄暗い堂内に足を踏み入れると内部は天井の高い三階構造になっています。その天井にまで届こうとする大きな三体の木造仏像が優しい表情で佇んでいました。観音菩薩(約4メートル)、弥勒菩薩(約5メートル)、文殊菩薩(約4メートル)です。
三体の仏像は色彩鮮やかで、特に衣に緻密に描かれた仏教画は個人的に超必見、弥勒菩薩にはお釈迦様の生涯が描かれていました。そして仏像を囲む壁画の鮮やかさには、ただ、ただ、見惚れるばかりで時間がいくらあっても足りません。
表現力と知識の乏しい私にはアルチゴンパの仏像や壁画の素晴らしさを文章で表現することは到底不可能。NHKで昔放送した「シルクロード」にスムツェク・ラカン内部の超貴重な映像が残されているので、興味のある方はぜひ探してみてください。
スムツェクの他にも、チョルテンにたくさんの壁画が鮮やかに描かれていました。
ゴンパ内を見学していると、ひとりのお兄さんが「日本から来たんでしょ?」と近づいて来ました(さては受付の兄ちゃんに聞いたな~)。「ここの他にどこを見て来たの?」「日本のどこに住んでるの?」などなどお馴染みの質問の最後に・・・
「日本語で僕たちみたいな人のことを何て言ったっけ?」と謎の質問。「・・・僧侶(そうりょ)」「違う違う、それじゃなくて他に呼び方あるよね?」「・・・おぼうさん」「それーーーっっ!それそれ!」大ウケの後に謎の含み笑い。(えぇぇぇ!?おぼうさんってラダックで大丈夫な言葉??もしかして変な意味ないよね??)と、戸惑う私達を残してお兄さんは「おぼーさん、おぼーさん」と言いながら去ってゆきました。
月の世界ラマユル
次に目指すのはラマユルです。途中で道が一部冠水してました。木も大量に流れていたので大雨でも降ったのかなぁ?
月の世界ラマユル。
荒涼とした景色が異世界感たっぷりで「月の世界」と呼ばれています。「ラマユル」って響きもなんとなく好き。
ラマユル僧院です。
マニ車を回すお婆ちゃんが座っていて、観光客相手に「パイサ~」のお小遣い稼ぎ中でした。(ラダックに来て初めて見た)
ここにも味わい深いマニ車がいっぱい。
お堂入口に撮影禁止の掲示があったので、内部や周辺の画像は無しです。なのでマニ車の画像をどうぞ。
僧院内を見学した後は、眺めを期待してちょっと高い丘に上ってみました。この丘は僧侶が瞑想する大切な場所となっているようです。この領域に踏み入る場合は特別な場であることを理解し、静かに、そして貯水タンクの周辺は避けるようにとのことですが・・・貯水タンクってどれだろ??
小さな小部屋のような建物がいくつかあったので、そこで瞑想するのかなぁ?
また出たアイベックスか何かの頭の骨。
よい眺め。
サスポール洞窟(ニダプク石窟)
アルチゴンパの次にインパクト大だったのがサスポール洞窟(ニダプク石窟)です。車道から壁画のある洞窟までが、なかなかの急な斜面で(しかもザレていて)結構キツイ。標高が高いっていうのもあると思うけれど息が切れる。
ザレた山肌に沿って横並びに幾つかの洞窟が掘られていて、昔はここで多くの僧が修行をしていたそうです。
その内部に壁画が多く残されていました。
内部は薄暗く、壁画が傷むのを避けるためフラッシュも使わなかったのでボケボケになってますが、細かく描き込まれた壁画の数々が見事で、いつまででも見ていられます。
男女の抱擁を描いたヤブユムもありました。
比較的スムーズに行けるメイン窟の他に、ザレザレの山肌を横移動して辿り着く窟にも、壁画が多く残されていました。
これだけ見事な壁画なのに、見学するまでが危なっかしくて本当に勿体ないなぁと思いました。言い換えれば、それだけ修行に徹することができる場所だったんだと思います。
マグネット・ヒル
最後に立ち寄ったのがコチラ、マグネット・ヒルです。車が勝手に緩やかな上り坂を登っていくという不思議現象が起こる観光地です。なんでもこの場所には大きな磁石があり、それに車が引っ張られるとか!?
現地にはレンタルバイク屋さんもあり、ゴープロを付けたバイクの兄ちゃんたちが嬉々として道路を行ったり来たりしてました。
そのレンタルバイク屋さん所有なのかは不明ですが、荒野にポツンとトイレがあったのでお借りしました。
車が磁気に引き寄せらる現象は、おそらく本当は下り坂だけど上り坂に見える「縦断勾配錯視」なのかなぁと思いました。早いハナシが目の錯覚。ただそれとは別に方位磁石も狂うらしいので、磁気の影響が強い場所というのは本当なのかも。
ここで一番気になったのがフロントガラスがエライことになってたインド軍の車。磁気に引き付けられて石が飛んできた??
全ての見学が終わったところでレーまで戻り、朝待ち合わせをした旅行社の前で解散という流れでした。