2019年5月20日
列車のキャンセル待ちチケットが取れれば、バラナシへ向けて出発できる日の早朝。
まだ陽ものぼらない4時45分に、アウランガーバードの街に一斉に流れるアザーンで目が覚めました。このアザーン、台詞はたぶん同じなんだと思うけれど、街ごとに音程や強弱が異なって地域性があるのかなぁ?と思います。インドに来て知ったんですが、どれもライブなんですよね。
ここから一気にバラナシまで移動しようと、昨日はじめてインド鉄道の寝台列車予約に挑戦しました。ところがインドは夏休みの真っただ中で人気の寝台列車は何日も先までずーーっと満席。このまま席が取れるまでアウランガーバードで待っていてもしょうがないし、思い切ってキャンセル待ちをしてみました。
→インド鉄道寝台列車の過酷なキャンセル待ちについてはコチラの記事をどうぞ
寝台列車で一番人気の「Sleepr SLクラス」は絶望的な人数だったので、比較的取りやすそうだったちょっとお高めの「2Aクラス」にしてみました。昨日の予約時点でウエイティングリストは9番と10番。「10人キャンセルが出れば席が確保できるよ」ってことです。
▲泊っている部屋から見えるダチョウの住む謎の空き地
そして朝、気になるウエイティング状況は・・・すこし上がって5番・6番になってました。
(なんか微妙だなぁ・・)と思いつつ、「もしかしたらチケット取れるかも」という希望をもって、これからバラナシ行きの列車が停車するジャルガウンという町を目指します。
そうなんです、アウランガーバードにも鉄道駅があるんですが、私達がキャンセル待ちをしている列車が通らないんです。
取れるか取れないのかわからないのにジャルガウンまで移動しなきゃならないのです。
この時はまだ「キャンセル待ち5番と6番だし乗れるでしょ」と余裕かましてました。何も知らない初心者ってこわいよねー。
ローカルバスでアウランガーバードからジャルガウンへ
アウランガーバードからジャルガウンまでは路線バスで向かいます。毎度お世話になりますアウランガーバード中央バススタンドです。
→Central Bus stand Aurangabad(Googleマップでみる)
せっかくなんで今日は別アングルで撮ってみました。
ジャルガウン行きはこのバスらしい。
なかなかの人気路線みたいでほぼ満席。後から来たお婆ちゃんに席を譲ろうとしたら、荷物の上に座るから大丈夫だよ、とのことです。
10:19出発。運賃は例によって車内で車掌さんが集金に来ます。料金はメモ忘れちゃいましたがインドのローカルバスは安いです。
広大な砂漠状態の大地の中を砂埃をモウモウと巻き上げながら進みます。
このバスがキツかった。道がとにかく悪くて終始ヘビメタのヘッドバンギング状態。凸に乗り上げるたびに乗客全員ダチョウ倶楽部のジャンプ。(動画でドウゾ)
なによりキツイのがノンエアコンで開け放った窓からモウモウと入り込む土埃。
おかげで白い服の兄さんたちが、みるみる化石になっていきました。
そしてその吹き込む風がまた熱い。あまりの暑さに旋風があちこちで発生して、広大な大地の中を木の枝やら布切れやらを巻き上げつつ移動してゆくのが見えます。画像はちょっとわかりずらいんですが、バスの前から後方へ進んでいった旋風です。
13:25途中の食堂で運転手さん達の休憩を挟みます。
その食堂の裏にあるトイレ。一番左のトタンの扉が女性用・その隣の扉無しが男性の大・仕切りだけのが男性の小用かな?一緒のバスに乗って来たインドの女性陣はこのトイレを誰も使わず周囲の広い空き地で青空トイレでした。
私がこのトイレを使おうとすると、青空トイレしてたお姉ちゃんたちが慌てて「やめた方がいいわよ、さっき中見たらすっごい汚かった」って言うじゃありませんか。でもお姉ちゃんたちはインドの長いスカート(?)みたいなのをはいてるから青空トイレでもいいけど、私は普通のズボンだから周囲からお尻が丸見えになっちゃうよ。もぅどんなに汚くてもトイレ使うしかない!結果は・・・まぁまぁパンチの効いたトイレでした。
あれは村裁判だ
バスはいくつかの小さい集落を通り過ぎます。
インフラが整備されていなさそうな集落も多く、インドは都会との暮らしぶりの差が激しいなぁと思いました。
やがてひとつの小さな集落(上の画像とは別の)に停車したのですが、なにやら広場に白いインド服を来た男性達(主に中高年~老人)が数十人も集まり何か興奮気味に騒ぎ立てていました。
ちょっと尋常ではない様子に(なにごと?)とよーーく見ると、その群衆に囲まれてひとりの男性が小さく正座してうな垂れています。みんなその男性に向かって何かわめき散らしていたんです。やがて代表者のような男性が木の棒を取り出すと、なんと座る男性を激しく叩き始めました。
(村裁判だ・・・。)
私達は群衆に見つからないように窓の下に身を隠しましたが、他の乗客もそちらの方を見ず顔を背けたりしています。ガン見するインド人が見ないようにしてるんです。(あぁこれは、やっぱり見ちゃダメなやつなんだ・・)この時ばかりはバスよ早く出発してくれーーって心の底から願いました。
15時19分ジャルがウンに到着。
ジャルガウンに到着したのはアウランガーバードを出発してからキッチリ5時間後。
もう全身汗と土埃でエライ状態になってしまいました。
乗って来たバスが砂ぼこりで白っぽくなってました。
ジャルガウン鉄道駅へ
ジャルガウンのバス停(Jalgaon bus stand)です。
ここから駅まで頑張れば歩いても行けそうな距離だったけれど・・・
門の所でオートのおじさんに声かけられて気が付いたら乗ってました。もぅ疲れちゃって全然ダメよ。歩く気力ゼロ。
駅前は屋台がたくさん出店していてワクワク感満載。本当なら買い食いしたいトコだけど、キャンセル待ちが気になってそれどころじゃないです。(でもジュースは買った)
ジャルガウン鉄道駅に着くと、なんと壁の時計が奇跡的に3時33分の表示!
構内はインドの他の駅と同様にゴチャゴチャと人がいて、チケット売り場に並ぶ人、構内に座ったり寝そべったりする人、その間を野良犬がウロウロ。たださっきっから酒に酔ってるのか変な奇声をあげながらフラフラとウロつく上半身裸のオヤジがいるのが気持ち悪い。
駅のベンチに座ってキャンセル待ち状況をチェックすると、相変わらず5番・6番のまま。たぶんこの時点でまだウェイティングのままだと完全にダメなやつだ。
私達のあまりの落胆ぶりを見て心配したインド人のオジサン数人が「もしかしたら乗れるかもしれないからあの窓口で聞くといい」と教えてくれたので行ってみると、駅員さんがが私達の予約番号を照会してくれて残念そうに「やっぱり今日の列車には乗れないねぇ」。
うわあーーー、残念だぁぁぁぁぁ!
奇声オヤジに負けないくらいの絶叫で悶絶。「ネパールから来たのに残念だね」とインドのオジサン達になぐさめられた。(ネパール人じゃないよと言う気力もない)
寝台列車の座席が確保できれば、ジャルガウン駅からバラナシ駅まで楽々列車移動できたのになぁ・・。奇声オヤジは相変わらずウロウロしているし、もぅジャルガウンの駅には用はないからとっとと離れよう。
【追記】前々回記事の「インド鉄道のキャンセル待ちが取れなかった時に、ちゃんと返金されるか?」ですが、後日ちゃんと返ってきました。