トゥクトゥクをチャーターしてのアンコール遺跡巡り三日目は、アンコールトムの外側にある東バライ界隈と、ちょっと郊外のバンテアイスレイを含む「グランドサーキットコース」です。
本日の費用はトゥクトゥクチャーター代28$。
巡る遺跡は全てアンコール遺跡の共通チケットが使えます。
トゥクトゥクのソファールさんがホステルに迎えに来るのが9時なので、今日はゆっくりと美味しい朝ご飯が食べられました。
外国の人は日本人ほど時間に厳格ではないというイメージがありますが、私達の出会ったカンボジアの人達は違いました。ホステルのパパさんはお願いした朝食時間は、どんなに早くてもキッチリ用意してくれるし、ソファールさんは待ち合わせ時間前の数分前になるとトゥクトゥクの横で立って待っています。逆にこっちが待たせてしまうことが何度もありました。カンボジアの人ってスマホ見ながらグデーーンと横になっているイメージが強いけど、真面目な一面もあるんだと知りました。
この日最初に向かったのはバンテアイスレイです。ベンメリア同様、道中ではローカルな人々の暮らしぶりが垣間見れて楽しかったです。
その土地の空気を肌で感じながら走るトゥクトゥク、いいですよ。
個人的には閉鎖的な車でビューンと行くより、よっぽど旅情があって好きです。
ただし、例によって土埃が凄ーいですが。
↑街ではこんな風に土埃をたっぷりかぶった車をよく見かけます。
バンテアイスレイには約1時間ほどで到着。思った以上に距離がありました。ちと腰が痛くなった。。
バンテアイスレイ
ラージェンドラヴァルマン王により着工され、その息子が完成させた親子二代によるヒンドゥー教寺院で、「女の砦」という意味のバンテアイスレイという名が付いています。
バンテアイスレイ最大の見どころはこの寺院に残る数々の繊細な浮き彫りで、中でも東洋のモナリザと称される美しいデバター(女性像)はあまりに有名。アンコール遺跡の中でも特に楽しみにしていた場所のひとつです。
最初にリンガが両側に並ぶ長い参道を歩きますが、
辿り着いたバンテアイスレイはとてもこぢんまりとしていて、建物だけみるとアッという間に見学を終えてしまいます。
「なぁんだ、小さい遺跡だなぁ」なんて思うかもしれませんが、
これですよ、これ。ここの真骨頂は。
ズームします。ヴィシュヌ神の乗るカーラ。時間の神カーラがギョロリと目を光らせ門番をしているようです。
これは象の聖水で体を清めるラクシュミー。下はナーガを引っ張るガルーダ。ナーガちゃん、また引っ張られてる・・。
例えばこちら。パッと見て通り過ぎるだけだとよくわからないんですが、
こちらは雷神インドラの叩く太鼓のリズムにのってノリノリダンスの破壊神シヴァ。
その左に座るカリーカラミヤという女性は、あまりの美しさゆえ自分を巡り争いが絶えないことに心を痛め、自身の美を破壊してくれるようシヴァ神に懇願します。やがて願いを聞き入れられ美を破壊されたカリーカラミヤがこの浮彫には描かれています。
・・・で、その姿がいったいどうなったかというと、
・・・・・・。
オッパイが垂れ、体はシワシワ。
これを仕上げた瞬間この作者は、少なくとも私と同年代の中高年女性全てを敵に回しました。
というか、美を破壊される前のカリーカラミヤも見てみたいんですけど。
これも凄くないですか!?瞑想するシヴァ神と、その邪魔をするため山を動かす魔王。それにビビッて逃げる動物たち。
「山を揺らすって、マジこの魔王、迷惑なんですけどぉぉーー!」(ライオン)
さて肝心な東洋のモナリザですが、似たようなデバターが数体あって、しかも遠目でしか見られないのでイマイチどれかわかりません。
そこで境内にいたスタッフのお姉さんに「モナリザはどこ?」聞いたところ、
「あれよ、あれ」と教えてくれたこちらが東洋のモナリザだそうです。メリハリのきいたムッチリボディは古の時代も人気のようで。
実際は近づいて見ることはできず(過去に美女誘拐事件があったため)遠目からの見学になりますが、その美しさは、よーーくわかりました。
バンテアイスレイで一番気に入った浮彫がコレ。
兄弟猿が王座と妃を巡って戦う図。左で矢を射るのは、兄猿に王座と妃を奪われた哀れな弟猿に加勢したラーマ王。猿の世界にもいろいろ悶着があるようで。
その後、無事王座に返り咲いた弟猿は、次はラーマ王の手助けをします。この物語のつづきはアンコールワットの壁画にてお楽しみください。
ところで件のカリーカラミヤのビフォーアフター、
こんな具合なんじゃないかと勝手に想像。
予想通り(むしろそれ以上)楽しめたバンテアイスレイ、再びトゥクトゥクに乗り込んで次は東バライ周辺の遺跡へ向かいます。
それでは、きょうはこの辺で。