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はしご湯のすすめ

尾瀬 山歩き

残雪の尾瀬・スペシャル至仏山

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初夏のような晴天と暑さになった4月21日(土)は、尾瀬の至仏山を歩いてきました。

4月20日(金)に尾瀬戸倉~鳩待峠間の冬季閉鎖が解除され、いよいよ尾瀬シーズン幕開けとなりました。

山を歩く人の間では有名ですが、実はこの時期の至仏山はスペシャルなんです。

 

スペシャルその1

鳩待峠までマイカー乗り入れできる。

尾瀬戸倉~鳩待峠間の冬期閉鎖が解除されてもその多くはマイカー規制日にあたり、至仏山登山口のある鳩待峠まで直接乗り入れすることができません。なので、鳩待峠までマイカーで行けるこの時期は貴重。ちなみに尾瀬戸倉~鳩待峠間は乗り合いタクシーやバスが連なるように頻発しているのでアクセス的には問題ないんですが、登山口近くでバックパックなどの荷物を準備できるマイカー乗り入れはやっぱり便利なんです。忘れ物しても取りに行けるし、下山後もすぐ荷物を降ろしたり靴を脱げるしね。

 

スペシャルその2

植生保護のために5月初旬~6月末日まで登山道が閉鎖される至仏山を今なら歩くことができ、さらに夏は登り専用となる山頂~山の鼻間を、この時期だけ下りにも利用できるんです。この「下りに利用できる」っていうのがポイントで、登り利用では振り返らなければ見れない尾瀬ヶ原の広がりと燧ケ岳の雄大な景色を眼下にズンズン進むことができるんです。

ただこのルートは残雪状況によっては使用不可になる場合もあり、立ち入り禁止地区も決められているので、出発直前の尾瀬保護財団「至仏山の利用ルール」チェックは必須です。

この、たった約2週間のスペシャル期間を目指して、ハイカーはもちろん、スキー・スノボの皆さんも集結して、花のトップシーズンにも負けず劣らずの局地的大フィーバーとなるらしい至仏山ですが、我家もそのナウいトレンドに乗っかってみることにしました。花のシーズンの至仏山は歩いた事がありますが、この残雪期は初めてなのでわくわくします。

ちなみにこの時期の至仏山は、あくまでも雪山なので、その日の天候と現地コンディションは重要、そしてそれに適した装備必須です。(・・と言いつつ当日の我家も、まぁアレです・・エラソなこと言えた義理じゃないんですが)

さて当日、たった2週間のスペシャル至仏山目指して多くの人が集結するのは想像するに難くなく、限られた台数のみ駐車できる鳩待峠の駐車スペースを確保すべく前日金曜日の仕事終わりに向かう事にしました。

沼田から尾瀬戸倉へ行く前に南郷温泉しゃくなげの湯でひとっ風呂。週末は押すな押すなの大人気施設ですが、平日の夜は地元の人がのんびり浸かる静かな温泉ですね。体が温まったところで、車道をうろつくカモシカに見送られつつ戸倉へ向かいます。

コンビニは120号沿いに数軒ありますが、401号へ折れて尾瀬大橋を渡ったすぐのディリーヤマザキが最後だったと思います。しかもそのディリーヤマザキも、この時期は20時閉店なので要注意。

尾瀬戸倉から水上片品線へ入り、さらに尾瀬ヶ原土出線を進み、

 

 

21時30分頃に鳩待峠駐車場到着です。暗闇の中、鹿が数頭ウロついていました。

鳩待峠駐車場はある程度の広さはあるんですが、訪問日は工事などの関係者用に多くのスペースが確保され、尾瀬の集客数から考えると、停められる台数はあまりない印象でした。さすがに21時30分頃の到着ではまだ余裕はありましたが、その後も続々と車はやってきて、夜中の2時頃にはほぼ満車に近い状態だったんじやないかな~?

この夜は絶え間なくやってくる車の音を聞きながら車中泊です。さすがに自然豊かな尾瀬の駐車場、空にはたくさんの星が輝いていました。

 

4月21日(土)

朝5時頃には準備を整え続々と皆さん出発です。管理の人達もやって来て集金も始まり、駐車場は一気に賑やかになります。料金は1日2500円也。既に出発した人は下山後に支払うみたいですね。

・・・と、ここで急展開です。

いったんは満車になったように思えた駐車場ですが、管理の人が来た途端、なんと関係者用駐車スペースが突如ババーンと開放され、一般用スペースが一気に倍増です。

 

聞くと「作業などで使用されない日は、こうやって一般開放する事もある」との事。

 

 

鳩待峠駐車場には綺麗なトイレもあって良いですね。それでは準備を整え出発しましょ~。多くの人はスキー板、スノボ、ヒップそりを背負っています。私達のようになーんにも持っていない人は、ごく少数です。

 

6:46鳩待峠の至仏山登山口です。夏場は鬱蒼と植物が茂りますが、この季節は林の中に太陽の光が広がりとても明るいです。ここには尾瀬保護財団の「至仏山の利用ルール」が印刷され大量に置かれていました。

 

しばらくは明るい林の中を、なだらかに上ってゆきます。雪上には既にたくさんの踏み跡があり、赤布も点々と付けられていたので安心して歩くことができました。

この日は高気圧に覆われ、青空広がる初夏のような陽気の中、風も少なく穏やかで最高の山日和でした。この好天があったので、普段なら残雪期の山にはほとんど足を踏み入れない私達も来たワケです。

この陽気のためか、この時間でも雪は柔らかくなっていたので、夏靴でツボ足という「いつものスタイル」でズンズン進みます。

 

青空がいいね~。

 

1時間も歩くと周囲は針葉樹になっていました。あそこに見えるのが小至仏山と至仏山でしょうか?

 

さらに進むと、おおっ~、燧ケ岳と雪の尾瀬ヶ原が一望です。

 

この辺りで休憩しつつチェーンスパイクを装着。

 

8:15オヤマ沢田代です。夏場はワタスゲ揺れる幻想的な湿原がひろがりますが、今はそのすべてが雪の下ですね。普段は木道上しか歩けませんが、この時期はどこでも歩けます。踏み跡も縦横無尽についてる印象です。

 

そのためか、逆に視界不良時は要注意なのですね。

 

左を見れば谷川連峰に苗場山。去年は何度かあちら側からこっちを眺めてました。

 

空の上には飛行機雲。

 

目の前は小至仏山です。雪原が眩しい~っっ。

 

小至仏山は山頂へは行かずトラバースルートを進みます。何人かのハイカーさんは急斜面を山頂へ進んでいました。

暑いくらいの晴天で足元の雪はユルユルしています。このユルユル雪を踏み外して、目の前でハイカーさんが斜面側にゴロンと転んだのですが、雪がユル過ぎてズボボッと体が沈み、まったく滑り落ちる事はありませんでした。これがカチカチだと下までシャーッと滑っちゃうのかもしれませんが。

 

斜面を見上げると、上のトラバースルートを進むハイカーさんが見えました。

 

小至仏山を抜け振り返ると、トラバースルートを歩く人、山頂にいる人、山頂から降りてくる人、時折スノボやスキーでシャーッと滑走する人と、楽しみ方は様々。

 

颯爽と通り過ぎるスキーのお兄さん。かっこいいね~。こういう事ができると山の楽しみもグーンと広がる気がします。

別のスキーのお兄さんと話したところ
「普段は山をやっている、でもこの時期はコレ(スキー)をやらないと勿体ないよ」との事。

 

「一日二本滑る時もある」

・・・って事は

えっ!じゃあ一日に2回も山登りするって事!?

 

・・・クレイジー。(←クレイジージャーニー風に)

 

一度滑り降りたらリフトもゴンドラもないので、滑走コースは相当真剣に選んでいる様子でした。

 

ささっ、一般ハイカーの私達は地味に足を進めましょう。

 

おっ!目の前に至仏山山頂が見えてきましたよ。

 

9:20至仏山山頂到着です。

 

うぉ~っっ凄い、凄い!360℃の大展望!

 

過去二回至仏山を目指した際は、何れも雨天強風で展望ダメダメでした。一度なんて小至仏山で引き返しましたもん。至仏山とは相性が悪いのかとさえ思いましたが・・。その思いがたった今、晴れました。当時は「花がたくさん見れたからいいや・・」なんて思いましたが、やっぱり山では大展望も欲しいです。

 

遠くには、真っ白な飯豊の山々も浮かんでいました。

 

贅沢な大展望を眺めながら休憩です。心なしかションボリして見えるのは、例によって山頂で食べようと楽しみにしていたオニギリを車の中に置いてきてしまったからでしょうか。おりしも今日は30℃にもいきそうな夏日予想。熱せられた車中で絶好調に発酵の進むオニギリの行く末を案じながら至仏山の風に吹かれます。(すぐ近くでハイカーさんが美味しそうにカレーめしを頬張っていました)

 

9:50では下山します。さぁ、いよいよこの時期限定、山の鼻までの下り利用です。まぁ・・よくよく考えたら普段は登りで使う道を下って帰る・・ただそれだけのことなんですが。

斜面は急ですが、この日は雪が柔らかくチェーンスパイクでもまったく問題なくザクザク歩けました。

 

ほどなくして木道が露出しはじめました。どうやら高天ヶ原のようです。この一帯は重点植生保護区域となっているため、土が露出している部分の木道からそれることはできません。木道を傷めないようにここでチェーンスパイクを外します。勿論、ストックも突かないようにします。

 

夏は可憐な高山植物が咲き競うんだろうなぁ・・その頃にまたココを歩きたいなぁ・・。

 

再び雪の斜面に。

 

シリセードの跡があったので私もやってみましたが、体重が重すぎるのか、雪が柔らかくなっていたからか、10メートルものろのろ進むとまとわりつく雪がストッパーになり止まってしまいます。やっぱり体重かなぁ・・。

 

やがて樹林帯に突入。

しばらく歩くと・・

 

燧ケ岳を望む平坦な広場に出ました。場所的に研究見本園の一部でしょうか。

 

水芭蕉はま~だかな?

 

 

11:10山の鼻です。ここには山小屋やテント場、ビジターセンターもあり、鳩待峠から入る尾瀬ヶ原散策の人が、準備の最終チェックや情報収集したり休憩したりする場所で、夏場は大勢のハイカーさんやテントが溢れ騒々しい印象ですが、この季節だからかとてもノンビリとしていました。

自炊場の蛇口をひねるとキンキンに冷たい水が流れるし、有料で山小屋のお風呂に入れるし、登山口から一時間程で来られるし、静かそうなこの時期なら山の鼻テント場も良さそうですね。

 

少しばかり残雪の山の鼻をウロついたのち、最終ゴール地点の鳩待峠まで雑木林の中を歩くのですが、今回の行程でこの区間が一番キツかった・・。なにしろ山頂でのオニギリも食べ損ねてすっかりシャリバテ状態で、これまでの大展望から一転、かなーり単調な残雪の雑木林の中を延々と・・。足元の雪はとけとけで油断すると踏み抜くし。

「お腹空いたー」だの、「疲れたー」だの、「チェーンスパイクつけさせろー」(木道が時折出てくるので外しています)だの、「暑いぞコンニャロ」だの文句タラタラ言いながら・・

 

12:30やっと鳩待峠に戻って来ました。

 

先ずは売店で炭酸ジュースを一本。空きっ腹に染み入る美味しさでした~。

その後は春爛漫、桜が見ごろの尾瀬戸倉を通り抜け、お気に入りの加羅倉館でひとっ風呂。

 

そして夕暮れの片品村で水芭蕉の森を散策。

 

尾瀬はまだ雪の中でしたが、こちらではたくさんの水芭蕉が花を咲かせていました。

この後、片品村を離れビューーンと草津まで移動し車中泊。

明日は志賀草津道路を抜けて長野県で湯めぐりです。

→つづく

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