梅雨真っただ中とは思えないくらいの好天気だった6月第4週の土日は、北アルプスの蝶ヶ岳でテント泊してきました。
[料金など]予約不要(先着順)・ひとり2000円(トイレ代込)・水代1リットル200円
[充電]1回200円
[公式サイト]蝶ヶ岳ヒュッテ公式サイト
[テント場利用の流れ]テント設営→小屋内にある受付用紙に記入→受付(料金支払い)
[登山口周辺駐車場混雑状況]北アルプス登山者駐車場情報(安曇野市)
[登山者向けバス]2025年実証運行開始(安曇野市)
※訪問時の情報です。最新の情報は「蝶ヶ岳ヒュッテ公式サイト」で確認ください。
蝶ヶ岳ヒュッテ・テント場
まだ6月なのに暑さ全開の樹林帯で汗を大量にかきつつ、ようやく蝶ヶ岳ヒュッテが近づいてきました。
三股登山口から蝶ヶ岳への直登コースで来ると、まずはテント場に到着。時刻は8時8分。この日に張る中ではたぶん一番か二番乗りくらいの到着かな。テントを撤収中のお兄さんに聞くと「昨日は15張くらいだった」らしい。やっぱり平日は空いてて羨ましいなぁ。
蝶ヶ岳ヒュッテのテント場は安曇野方面に開けた広場になっていて、斜め箇所とザレた小石多めな印象。ザレた小石の中に昨日張ったと思われる、キレイに整地され楕円形の土が露出した面がいくつかあって、そこは比較的平坦。使用頻度の高そうな整地箇所は間違いないパターンが多いです。
散々悩んだ挙句、蝶ヶ岳ヒュッテ寄りのハイマツの横に張ることにしました。平らでテントが張りやすく、外に座った時ちょっとだけ槍ヶ岳が見えるのです。
ペグは刺さったり刺さらなかったり(角度を変えると刺さりやすくなることも)、周囲には固定に使えそうな石がゴロゴロしています。
これは夕方頃、テントがビッチリ張られた時の様子です。それぞれの場所の印象を書いてみました。
1・目の前に安曇野方面の眺望が開け朝日が昇る。三股登山口方面への登山道沿いに張るので、昼間は人の往来多く落ち着かない?
2・平坦な印象。眺望はいまいちだけれど、風がある日はここが良さそう。人の往来がほぼ無く静かに過ごせそう。少し安曇野寄りのやや窪んでいる場所は地面が湿っていたので、雨が降ったら水が溜まる??
3・山頂や穂高連峰好展望地への通り道となっているので人の往来が多め。
4・やや斜め~まあまあ斜め。槍ヶ岳がドーンと見え眺望抜群。すぐ横が蝶ヶ岳ヒュッテへの通り道で人の往来多い。
山頂付近から見たテント場の動画です(24秒)。テント場のだいたいの立地がわかるかと思います。人気があるのもわかる好立地です。※サーバーの容量を減らすため動画をYouTubeに置いてますが、家には1円も広告料は入らない利用プランなので安心して(!?)どうぞ。
穂高連邦・槍ヶ岳が迫る大展望
テント場のすぐ後ろをほんの数歩登ると、槍穂の連なりが目の前にどどーーん!これですよ、これ。蝶ヶ岳最大の魅力と言っても過言じゃないこの眺め。
穂高の山々が近い!
槍ヶ岳も、まぁまぁ近い。
常念岳や燕岳も眺めが素晴らしかったけれど、圧倒的迫力度合いは蝶ヶ岳がダントツのぶっちぎり!この景色がテント場からほんの数歩で見られるんだから、そりゃー人気出るわ。
蝶ヶ岳山頂
蝶ヶ岳山頂です。蝶ヶ岳ヒュッテやテント場からほんの数分。近い。近すぎる。記念写真用の台まで用意されてました。
蝶ヶ岳ヒュッテ
テント泊でお世話になる蝶ヶ岳ヒュッテです。背後に見える丘のてっぺんが蝶ヶ岳の山頂です。
入口はこちら。入口を入って右側に受付、売店、食堂などがあり、左手に給水場(水場)があります。
受付です。テントの申し込み、飲料や売店商品の購入など、全部ここだけで受け付けるので行列ができていることが多いです。進みも遅くて飲み物ひとつ買うのも結構並びました。
券売機です。ここで購入した飲料の空き缶やペットボトルは、小屋の外に専用の回収ボックスがありました。
山バッチです。かわいいデザインばかりで迷う。定番のミヤマモンキチョウにしました。
その他にも槍穂デザインのバンダナ
三股登山道の人気者ゴジラくんのマグネット
手作り感満載の木のバッチ(ここにもゴジラくん)
充電
ありがたいことに蝶ヶ岳ヒュッテでは、テント泊や通過の人も1回200円の有料で充電可能でした。今回は充電器を二つ持って来たので利用せずでしたが、数日間の縦走中に充電できると本当に助かるんですよ~。
水場(給水場)
蝶ヶ岳ヒュッテの水場…というか、給水場です。
料金箱に入金しセルフで給水します。1リットル200円でした。
トイレ
左端の小屋がテント泊で使用できる「外トイレ」です。テントはトイレ代込でした。一回ごとに別料金がかかる小屋もあるので、料金込みはトイレの度に小銭を持って行く手間が無くて助かる。
女性側は洋式2・和式1がありました。使用後のトイレットペーパーは便槽ではなく設置された箱に捨てます。トイレは山小屋でお馴染みのボットンで臭いはかなり強めでした。個室内にトイレットペーパーが豊富にあったのは良かったです。トイレ後に使用する手指消毒スプレーもありました。
蝶槍まで行ってみた
テント場は暑いし、時間がたっぷりあるので「蝶槍」まで行ってみることにしました。アタックザックは持ってこなかったので、空にしたテン泊用のデカザックに水とオヤツを入れて交代で背負いながら向かいます。
近いし平坦な道が多いから楽勝!と思っていたら、炎天下の猛暑にヤラレました。
暑い…とにかく暑い。テント場も暑かったけれど、蝶槍までの登山道も砂漠かと思うくらい暑かった。水は多めに持参が良いです。近いからとナメてかかったら、行きでほぼ飲み切ってしまいました。
どうやらあの登山道上にピョコッと飛び出た岩場が「蝶槍」のようでした。想像していた「山頂」とは違ってた…。
「蝶槍」です。縦走組に加えて蝶ヶ岳ヒュッテ泊組が暇つぶしに来るようで、狭い岩場は局地的に賑わっていた。そして帰りもビックリするくらい暑かった…。
夕方~夜のテント場
ようやく酷暑も落ち着き、日が暮れます。太陽は槍穂の向こうに沈みました。
昼間は照り付ける太陽で焦げるようなテント場も、日暮れと共に気温もストーンと下がりました。昼間はどんなに暑くても、夜になればキッチリ温度が下がってくれるのが山の良いところ。(下がり過ぎても困るけど)
多くのテントは早々に就寝。夜に目を覚ますと、テント場はイビキの大合唱でした(みんな疲れてるんだね)。トイレに行く途中に見えた安曇野の夜景が綺麗でした。
夜明けとモルゲンロート
山の朝は魚河岸並みに早い。近くのテントは1時半頃に撤収し早々に出発。その後もあちこちで撤収が行われ続々出発。居残り組の多くも日の出の1時間前くらいには起きてあちこちから響くバーナーのゴーーー音。
なんと今朝はテント内に結露がまったくありませんでした。常に程よく風が吹いていたのと湿度が低かったのが良かったみたい。
テントからモソモソ這い出て、日の出狙いで蝶ヶ岳ヒュッテの方に行ってみました。常念方面へいくつかのヘッドライトが移動しているのが見えます。そして槍の穂先に取りつくヘッドライトの明かりもこちらまで届いていました。
安曇野側の空が発光を始めました。
そしてご来光。ピカーン。
みんな静かに昇る太陽を見つめていました。
おはよう槍穂。
おはようテント場。
おはよう蝶ヶ岳山頂。
そして今日もキッチリ青空の一日が始まりました。簡単に朝ごはんを済ませて下山します。もう一度、槍穂の雄姿を目に焼き付けて…
一晩お世話になりました。
雷鳥には会え~ず
今回、蝶ヶ岳を選んだ最大の理由は雷鳥を見ることでした。蝶ヶ岳ヒュッテのスタッフさんに聞くと「小屋やテント場の周りにもいるし、山頂にもいる」とのこと。あたかも「その辺のニワトリ」くらいの言いっぷりだったので超絶期待。
テント場でも「雷鳥いたねー」とか「雷鳥、普通にいるんだね」とか、あちこちで話しているのが聞こえて期待度最高潮。
…ところが一羽も会えなかったんですよ。日頃の行いですかね?
雷鳥に会えなかったので、また来ます蝶ヶ岳。