
2014年10月4日
週末の土曜日は、紅葉目指して群馬県の武尊山に出かけてきました。
これまで歩いた山の山頂で目にする事が多かった武尊山。どこに行っても真っ先に目に付くので、気になっていた山です。
おりしも台風が日本列島に近づき、やや天候が心配だったものの、当日の予報では「午前中は曇り、昼頃に晴れ」となっていました。「これはGOでしょ~」と、出発!!
5:00頃、まだ夜明け前の登山口手前にある宝台樹キャンプ場の横を車で通過。敷地内には何やらたくさんのテントが張られ、高校生とおぼしき男子が、あちこちウロウロしている。
そして駐車場には群馬県内各高校のワゴン車がズラーっっ。「これは、もしかして、もしかすると、山の中で団体さんに遭遇しちゃうパターンかな」→予感的中
登山口のある「武尊神社」に到着。この先、ゲートの向こうはダート道となり、ここに停めて行こうか、度胸一発、車でもっと先まで行ってみようか迷っていたところ、群馬県内在住男性がやって来て「この先まで車で行く」というので、我家も車で行くことにしました。

やがてダートの終点に到着。この時点で我家と男性の2台しか車はありませんでしたが、下山時は5台ほど増えていました。
5:55身支度済ませ出発!しばらくは林道の延長のような登山道を進みます。曇り空で薄暗く、ジメリとした雑木の歩行は、いまひとつテンションが上がりません。
6:07「手小屋沢避難小屋」方面と「剣ヶ峰」方面との分岐。「手小屋沢避難小屋」方面へ進みます。

ブナの木が黄色に染まっています。ガスがかかっていますが、紅葉はなかなかでした。

7:07上ノ原方面との分岐。少し進むと、左手の森の中にポツンと銀色のカマボコ型手小屋沢避難小屋が見えました。
この辺りからいよいよガスが深まり、木からの雫が雨のようにポタリポタリ・・。しまいには「これはもう、雨と言ってよし!」という位ザアアーッと降りだし雨具を着込みます。ちなみに、この時点での気温7.7℃。歩いているので全然寒くはないです。

8:20ここから鎖と梯子が続きます。高原地図で危険マークがついていたので相当ビビッていたものの、実際は緩やかな斜面で、しかも親切な事に、「これでもかっっ!」というくらい梯子がかけられている!

「なんてサービスのいい登山道なんだろう!さすが百名山ブランド!!」と感心していたら、実は少し前に、なんちゃらトレイルの大会があって、その時に設置された梯子がそのままになっていたらしい。

…なんだ…そうだったんだ。普段はどんな感じなのかな?
8:40「本当は爽やかなんだろうな~」と思える尾根歩きも、ガスで真っ白けっけ。

8:56山頂到着~。既に5~6人の人が居て「お疲れ様ぁ」と迎えてくれました。

三角点は、堂々の一等。山頂気温は9.5℃でした。
さぁ、楽しみにしていた360℃の眺望は!?これまで武尊山を眺めた山々が全て見えるはずですよ!
ジャジャーーーン!!

…真っ白。
ここで、しばし(真っ白な)眺望をおかずにオニギリ休憩。我家の隣には、今朝ダートをご一緒した群馬の男性が、
やはり真っ白けっけの空間を眺めながら寛いでいます。
しばらくして背後にいた数名のハイカーさんが、無線でなにやら会話を始める。ハイカーさんだと思っていたのは、実は今朝キャンプ場で見かけた高校生の引率の先生方で、どうやら本日は山岳部かなにかの合同合宿があり、大勢の男子高生が入山しているらしい。しかも会話の内容から察すると、既に数組の学生さんが山行を開始し、じりじりと山頂に迫って来ている様子。
(これはヤバイ、団体に追いつかれたら、この先の全行程が男子校生まみれになってしまう)
危険を感じたのは隣の男性も同じだったようで、急にそそくさと荷をまとめ、とっとと剣ヶ峰方面へ歩いて行ってしまった。(ヤバイ、うちも早く撤収しよう)

9:25男性の後を追うように、我家も剣ヶ峰方面へ出発。「待ってくれよぅ、置いてかないでくれよぅ!」と、心の中で叫びながら後を追うものの、男性の逃げ足は驚くほど早く、アッという間に姿が見えなくなってしまった。

↑ちなみに剣ヶ峰方面への山頂直下は、こんな具合で、シャリシャリの石が滑って、なかなかの歩きにくいのです。先行した男性が時々足を滑らす「シャリーーーン」という乾いた石の擦れる音だけが静かで白い登山道に響きます。

そして相変わらず真っ白な世界は続きます。本当なら遠くの山々も見渡せて、爽快な尾根歩きを楽しめたはず。せっかくの紅葉も、心なしかくすんでます。この先の剣ヶ峰分岐に至るまで、チョコマカとした上り下りの連続で地味に疲れた。
10:20剣ヶ峰分岐。ここにも、高校の先生方が待機していました。(学生さん達はどうやら我家とまったく同じルートを歩くことが判明)

剣ヶ峰は、どうせガスで眺望もないだろうし、行くかどうしようか迷いましたが、高原地図によると分岐からわずか5分程度で着くらしく、せっかくなので寄ってみる事に。→我家の遅足では10分かかりました。
10:29剣ヶ峰に着くと、案の定ガスまみれで眺望はなく、しかも、ちょい強めの風が吹いていました。
ふと足元を見ると、なんと、石楠花の木に寄り添うようにして、森の妖精「木霊」がいるじゃありませんかッッ!!…と、一瞬本気でビビリましたが、さきほどの群馬の男性が、風から身を隠すようにチョコンと座り込んでいました。5分ほど話しをした後、今度は我家が先に出発。
再び剣ヶ峰分岐へ戻って来た後、ここからが酷かった。いや、もぅ、この先の激下りが、最低、最悪の悪路だったんですよ!!!

濡れてツルツルになった岩と石と木の根、そして田んぼのように、たっぷりと水分を含みヌチャドロになった土!!
滑らないように一歩一歩慎重に、ヌッタヌタになったドロの上を歩きます。トレッキングシューズの裏には天ぷらの衣のように、どんどん土が溜まるし、少しでも油断すると滑るし、かといって、大人の意地で絶対に尻餅だけはつきたくないし!
もぅ、このヌチャドロゾーンとの戦いだけで、武尊山でのエネルギーを全て使い果たした!高原地図の梯子場に付けられていた「危険」マークを、こっちに付けて欲しいくらいですよ!
ようやく「危険ゾーン」を脱する頃、今度は背後から何やら地鳴りのような気配を感じる。
ゆっくり振り返ると…キターーーーーッッ!!上から大量の男子高生が、怒涛のごとく降ってくるじゃありませんか!
さすが若いもんは足が速い。アッという間に男子高校生団体の第一波に追いつかれてしまいました。
少しの間、男子校生の大群に押し出されるように登山道を勢い良く下っていましたが、やや広いスペースに退避、
その横を高校生が「っちわー!」「ちわっす!」と挨拶しながら次々と勢いよく通り過ぎて行きます。
大人と違ってヌチャドロ道でも躊躇なくドスドス歩き、尻餅もガンガンつくらしく、みんな、足から腰にかけて田んぼを歩いて来たかのようにドッロドロ。あれだけガッツリ泥んこになったら、逆に吹っ切れて自由に歩けるだろうなぁーと、ちょっと羨ましくなり、自分も「ヌタ場で転がってみようか」などと一瞬思ってしまった。
登山道をハイスピードで下る高校生達も頑張っていたけれど、第一波の最後尾についていた4~50代位の先生も置いてかれまいと頑張っていた。ガンバレ先生!若いモンに負けるな先生!

そんな団体第一波が通り過ぎた頃、周囲を覆っていたガスも抜け…おぉっっ、目の前には鮮やかな紅葉が・・!
これですよ、求めていたのは、これです!木立の間から谷川連峰の赤く紅葉に染まった山々が見えます。

その後は、静かな秋の雑木歩き。ゆっくり、のんびり歩きます。

武尊山はブナが多いので、秋は黄色の世界ですね。

13:02駐車スペースに帰って来ました。なんと帰りも、森の妖精群馬の男性と一緒になり、ダートを仲良く走行。結局、最初から最後まで一緒でした。

山行の後は、未湯だった「旅館たにがわ」で汗流し。

すきっ腹で食べた高橋のチキンは、今日もおいしかった。

