この記事は2017年8月19日(土)~20日(日)に南アルプスの長衛小屋でテント泊をし、甲斐駒ヶ岳・栗沢山とアサヨ峰を登った全4記事のうち栗沢山とアサヨ峰の様子を記した内容になっています。
2017年8月20日(日)
朝です。今日もいい天気になりそうです。朝の気温は20℃。暑くなく寒くなく丁度いいですね~。あちこちで小さなサブザックを背負ったハイカーさんが続々と出発してゆきます。皆さんテントはそのままで甲斐駒や仙丈ヶ岳を歩いて下山後に撤収という流れなんだと思います。
最初は我家も仙丈ヶ岳へ行くつもりでしたが、三昧が「甲斐駒と仙丈ヶ岳ふたついっぺんに行ったら勿体ない」と言い始め、仙丈ヶ岳は次に来た時のお楽しみにとっておく事にしました。そのかわりといってはアレですが、コースタイムが手ごろなアサヨ峰へ行ってみる事にしました。
例によってラーメンの朝食をチャッチャと済ませ、準備を整え・・
5:20出発です。本日はひとつのバックパックに二人分の荷物を詰めて、交代で背負って行きます。ちなみに使用したのは私の青いバックパックです。
アサヨ峰へは昨日も歩いた仙水峠を経由するコースと、長衛小屋のすぐ近くから樹林帯を登りあげるコースとがありますが、まだ歩いた事のない樹林帯を利用する事にしました。
まぁ、よくある樹林帯ですね。しかし・・コレがなかなかの急登でキツかったな~~。
樹林帯を抜けると一気に眺望が開けました。後ろを振り向くと仙丈ヶ岳がババーン。
すぐ横には甲斐駒ヶ岳がドドーン。
そして遠くに北アルプスの峰々。
空を見上げると・・・広がる雲海の上で飛行機雲がクロスしていました。
7:14栗沢山です。山頂には誰もいません。ここまで来る間まだ誰とも会っていません。静かで清々しい朝の山歩きです。
この栗沢山からの眺めが凄いんです。まさに甲斐駒ヶ岳の展望台!
向こうの山頂に何人かの人の姿が見えます。この時間で山頂にいるという事は皆さんテントか小屋泊の人でしょうか?あちらもガスがまだ無いので雄大な眺めを満喫している事と思います。
栗沢山の山頂から眺めをじゅうぶん満喫したので、本日のお目当てアサヨ峰へ参りましょ~。
栗沢山~アサヨ峰の稜線はハイマツの広がる岩稜帯歩きが楽しめます。下山してから知ったんですがこの栗沢山~アサヨ峰はサントリー天然水の「水の山行って来た南アルプス」の撮影に使われたらしくて、宇多田ヒカルさんと同じアングルで撮影するのが一時ブームになったらしいです。
平坦な岩稜帯かと思っていたら、なんだ登りもあるのかぁ(という事は帰りはここを下るのかぁ)。この少し手前で本日初のハイカーさんと出会いました。所々ハイマツの茂みを抜ける箇所もあり、気が付けば朝露でズボンがビショビショ。
8:00アサヨ峰山頂部到着です。この山頂で本日二組目のハイカーさんと出会いました。
山頂からの眺めはベタな言葉ですがグルリ360℃の大絶景です。鳳凰三山と富士山(右端)。次は鳳凰三山もいいかなぁー。
7月に歩いた北岳。ズッシリとした重量感があります。
次回のお楽しみにした仙丈ヶ岳。もぅ最高の眺めですね。
岩の裏側には三角点もありました。
贅沢な眺めを見ながら、まったりタイムです。暑くなく寒くなく風もなく、最高の山日和です。
8:30たっぷりと眺めを満喫したので帰ります。いい山でしたアサヨ峰。でも何で「アサヨ」??
帰りは甲斐駒ヶ岳に向かっての清々しい岩稜帯歩きです。
9:17栗沢山まで戻って来ました。この時間になるとポツリポツリとハイカーさんが上って来ます。といっても擦れ違ったのは3組程度でしょうか。まぁ静かなもんです。
歩いて来た稜線を見ると、ガスが随分湧いて来ました。
仙丈ヶ岳にもガスが湧いて来ました。そういえば北岳を歩いた時も、午前中はスカっと抜けていたのに午後は見事にガスに包まれました。この辺はそういう場所なんでしょうか?
さぁ、この景色も見納めです。
帰りは往路と同じ樹林帯を下りました。仙水峠経由は途中から甲斐駒ヶ岳へのハイカーさんとの擦れ違いラッシュが予想されるので止めておきました。この樹林帯は相変わらず静かで、たま~に、ひとりふたりハイカーさんが上ってくるだけです。
往路では無かった謎の現象。登山道の所々で比較的立派で綺麗なキノコが点々と並べられています。擦れ違ったハイカーさんの誰かがやったんだと思いますが・・うーん何かのおまじない?
10:30長衛小屋まで戻って来ました。
テント場では、テントの撤収をする姿があちこちで見られます。さぁ我家も撤収しましょう。
さて、これからバスに乗るのですが、この時刻表を見ると次は13時10分という事になります。ところが往路で乗ったバスの運転手さんが「繁忙日は人が揃えばバスが出る」ような事を言っていたので、まぁとりあえずバス停に行ってみる事にしましょう。
するとバス停には既にバスがスタンバイし、待合室で何人かのハイカーさんが出発を待っています。待合室の椅子には番号が記され、順番に座って待つようです。私達が到着した時点であと7~8人揃えば出発できるという段階でしたが、その後も続々とハイカーさんが集まりアッという間に出発となりました。
バスでは例によって運転手さんの楽しい案内付きですが、往路と違い復路では皆疲れて寝ている人も多いのでそのトークはかなり控えめです。途中アサギマダラの群れている場所があり、そこではバスを停車してじっくりと車窓から見せていただけました。
さて終点に近くなると周辺の浴場案内トークが始まるのですが「一番近い仙流荘は今なら空いています」と。一瞬、「え?じゃあ仙流荘にしようかな?」と思ったのですが、微妙な間を置いて「・・10分後にクラブツーリズムの団体さんが来ます」との言葉。これには皆さん思わず苦笑い。なかなか楽しいトークでした。
というワケで無事に駐車場まで戻って来ました。
なぜ手にネギを持っているかと言うと駐車場の入口付近で地元の人が野菜を売っていたからです。
おいしい野菜でした。
帰りはバス案内所に割引券も置かれている「高遠温泉さくらの湯」に寄ってみました。施設柄循環塩素は仕方ないのですが、ヌルヌルとした温泉感がしっかりあり、なかなか楽しめる湯でしたよ。ただし場所がちとわかりずらい。