夏油温泉観光ホテル 湯治部 2022年7月 (宿泊)

夏油温泉観光ホテルに宿泊してみました。立ち寄り入浴では訪れていましたが宿泊するのはお初でした。観光ホテルという名称ですが一般の方が想像するような大型旅館のイメージとは異なるかもしれません。到着は夕方4時頃、帳場にて宿帳記入してチェックインです。その際ご主人より館内三ヶ所のお風呂の説明がありました。渓流露天風呂「新太郎の湯」だけは予約制とのことでその場で空いていた4時半にお願いしました。また、帳場の周辺のみWi-Fiの利用が出来るようですが試してないので詳細は分かりません。お風呂の写真撮影について訊いてみると「誰もいなければOK」とのお返事でした。

当日、宿泊した部屋は湯治部の2階11号室でした。8畳和室で二人ではちょうど良い広さです。本来は畳敷きかと思える上にい草のマットが敷かれていました。窓際は雨が吹き込むのかデコボコしています。設備や備品などはテレビ(地デジのみ)、湯沸かしポット、扇風機(涼しいのでこれでじゅうぶん)、布団一式、テーブル(コタツ)、ハンガー、鏡台、タオル掛け、コンセント2口ありです。窓からの眺めは緑感に溢れ渓流の流れる音も重なりとても癒されます。トイレや洗面所は共用で、消毒と液体せっけんは館内複数個所に設置されていました。

食事は二食付きでお願いしました。旅館部の食事内容とは異なるお弁当タイプですが、なんとお膳を部屋まで運んできてくれて気兼ねなく部屋で食事できるのが気に入りました。決して豪華ではありませんが充分な内容でとても美味しく大満足でした。

お風呂は三ヶ所にありました。まずはお宿到着早々に入浴した渓流露天風呂「新太郎の湯」に浸かります。こちらは以前は混浴でしたが、今では30分完全貸切制で帳場にて事前予約が必要です。照明設備がないため夜間の入浴は厳禁との事です。館内から案内通りサンダルに履き替えて渓流に向かってどんどん下ります。途中に「金蛇神社」と書かれた場所がありご主人に訊いてみると「あの辺りによく蛇がでる。毒蛇ではないけどお客さんは怖がるからね。蛇が出ないように御呪いの意味もあって神社にした。」との事。出るのはアオダイショウで、当日は御呪い効果か姿は見えませんでした。

細い下り坂を進んだ先に新太郎の湯がありました。渓流露天風呂の名の通り渓流沿いの自然の中のワイルドな露天風呂といった印象です。3-4人サイズの岩風呂で足元部分からの自然湧出泉を利用しています。実測で41.9℃ほどの湯温で無色透明なお湯が心地よいです。泉質は含食塩石膏泉で独特の湯の香が好みです。ご主人によると「ここで沸く湯が絶妙な良い湯で、どうしても使いたくここに浴槽を作った」とのこと。ご主人御自慢の湯をゆったりと楽しみたいところですが、往復の時間も含めての30分縛りなので慌ただしく「新太郎の湯」を後にしました。

続いて男女別露天風呂「ブナ林露天風呂」に浸かります。浴槽は縦に長いコンクリ造り、広さは6人サイズほどです。湯口代わりの木箱から滔々と無色透明湯が浴槽へと吐き出されています。浴槽にて無色透明、弱い温泉薬臭がします。きしむ浴感のお湯は体感ながら浴槽内約44℃に調整されての掛け流しです。源泉は白猿の湯を利用しています。ついでにですが掲示のラジウムの湯(白猿の湯)の分析書を拝見すると泉質名は「含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉」のような気がしないでもありません。それと露天風呂の性質上、葉っぱや虫が遊びに来ていますがこれはご愛敬ってことで。

次に男女別の館内内湯「古代ひのきの風呂」にも出かけてみます。夕方18から18時半に男女が入れ替えになります。今回はお宿到着直後に男湯だった浴室(右側の内湯浴室)のみのコメントです。脱衣所から浴室へは階段を4-5段ほど下ります。浴室内には浴槽は3つほどありました。一番奥が大きな15人サイズ木造湯舟の白猿の湯、真ん中が一人用釜風呂金運の湯、一番手前が4-5人サイズ木造湯舟の長寿の湯と並んでいます。

各浴槽で投入湯量を加減して湯温調整しています。無色透明、キシすべ浴感の温泉薬臭がする湯です。塩ビ湯口では「石灰華」と称した温泉成分の白い結晶(カルシウム)がビッチリと付着堆積していて面白いです。ちなみに18年前に訪問した時は「長寿の湯」は「亀の湯」という名前で「亀の湯」の分析表も掲示されていました。ご主人に訊くと「古代ひのきの風呂右側浴室の全浴槽利用源泉は白猿の湯とのことです。ここでは触れませんがもう一方の内湯(左側)では蛇の湯源泉も利用されていました。

翌朝は生憎の小雨でしたが、早朝にご主人がキノコを採りに行き戻って来ました。聞くとコウダケという高級なキノコで市場価格でキロウン万円もするそうで、特にコウダケ御飯が美味しいらしい。コウダケは秘密の場所に毎年出るとのことでした。
(三昧・2022年7月宿泊)


以前立ち寄り訪問して印象の良かった夏油温泉観光ホテルに宿泊してみました。夏油温泉観光ホテルには大きく分けて旅館部と湯治部があり、今回宿泊したのは湯治部です。湯治部棟の館内は昭和の懐かしい湯治宿そのもので、訪問日は宿泊客も少なく夏油の自然に囲まれて静かに過ごすことができました。「宿泊した部屋」「渓流露天風呂新太郎の湯」「内湯古代ひのきの風呂(右側浴室)」は三昧レポに詳しくあるので、その他の浴室について書きたいと思います。

先ずは男女別露天風呂です。女性側は渓流を見下ろすテラスのように造られ、周囲を緑深い樹木に囲まれています。露天風呂には7人サイズのコンクリ長方形浴槽がひとつあり、夏油温泉観光ホテルの主力源泉「白猿の湯」が使われていました。白猿の湯源泉は高温なので入浴できる湯温 になるよう絞って投入、浴槽内で熱め寄り適温での掛け流しです。無色透明の湯は爽やかな温泉クスリ臭が香り、トロミとスベキシの混在した心地よい湯で、投入量は絞られているものの入浴者が少ないからかお湯の状態もまずまずで楽しめました。男性側の様子を聞くと眺めは女性側の方がいいようです。

お次は館内の「古代ひのき風呂」です。「古代ひのき風呂」には二つの浴室があり、どちらも木材をふんだんに使用した秘湯感満点の内湯です。二つの浴室は浴槽の種類や使用源泉に違いがあり、夕方6時に男女入れ替えとなるので、宿泊すれば両方に浸かることができます。三昧レポでは右側浴室を書いていたので、ここでは左側浴室の感想を書こうと思います。

浴室に入ると10サイズの木造り浴槽が2つ縦並びになっていて手前浴槽は「白猿の湯」を利用していました。無色透明で触れるのもしんどい高温源泉を、入浴に適した湯温になるくらいに絞って投入の掛け流しです。まったりとした弱いトロミとスベキシ感が混在する湯は、ふんわりと爽やかな温泉クスリ臭が香り心地よいです。

お次は奥の浴槽です。こちらは250メートルくらい離れた旧坑道から引いている無色透明な適温の「蛇の湯」です。「蛇の湯」は「白猿」と違い湯口の析出物は控えめですが、じわじわと染み入るようなあたたまり感が強く、口に含むとごくごくわずかに塩気を感じます。白猿の湯を使用している浴槽は比較的熱めなのに対して、この蛇の湯は適温でゆったりと浸かれるのも良いです。

「古代ひのき風呂」はお湯の良さはもちろん、なんといっても浴室の鄙び風情が素晴らしいと思いました。木造の浴室から見えるガラス窓の向こうの緑も美しく、夏油温泉観光ホテルの中でもこの「古代ひのき風呂」が一番のお気に入りです。

今回初めて宿泊した夏油温泉観光ホテル、前回の立ち寄り訪問ではわからなかったのですが、宿泊してみると実は昔ながらの懐かしい湯治風情が残っていたことを知ることができました。昔は北東北各地にあった素朴な湯治宿も、この20年の間に閉館や改装ですっかり数が減ってしまいました。ここ夏油温泉観光ホテルには、そんな古き良き昭和の湯治場がいまも残っていました。
(まぐぞー・2022年7月宿泊)

▼橋を渡ると夏油温泉観光ホテルです

▼主力源泉と同じ名前の橋でした

▼夏油温泉観光ホテル外観

▼足湯もありました

▼フロントまわり

▼ご主人が早朝どこかで採って来たコウダケ(場所はヒミツ)

▼昭和のレコードがありました

▼休憩スペースもあります

▼こちらも休憩スペース

▼目の前の引き戸の先が自炊館(湯治部)です

▼自炊館館内

▼共用の冷蔵庫とゴミ箱

▼洗面所

▼自炊室

▼電子レンジがあるのは助かります

▼宿泊した部屋

▼夕食のお弁当(あたたかいのが出て来ました)

▼これは夏油に来る途中で買ったミズとキュウリ

▼朝食のお弁当

渓流露天風呂「新太郎の湯」

▼30分単位の貸切制です

▼ここから渓流露天風呂「新太郎の湯」へ行きます

▼鬱蒼と茂る草

▼蛇が出ないように作ったそうです

▼新太郎の湯が見えて来ました

▼渓流すぐ横の露天風呂です

▼新太郎の湯 浴槽(以前と浴槽の形がかわりました)

▼浸かった様子

ブナ林露天風呂

▼ブナ林露天風呂入口

▼男性露天風呂

▼別の角度から

▼男性露天風呂 湯口

▼掲示

▼女性露天風呂

古代ひのき風呂

浴室その1(三つの浴槽がある浴室)

▼木造りで雰囲気のいい浴室です

▼一番手前(洗い場の横)が長寿の湯

▼長寿の湯 湯口(析出物のチクチクが見事です)

▼一人用金運の湯

▼入浴者を見守もる皆さま

▼チクチクオブジェがここにも

▼一番奥の白猿の湯

▼浴槽から

浴室その2(蛇の湯を使用している浴室)

▼脱衣所

▼浴室

▼奥が蛇の湯・手前が白猿の湯

▼白猿の湯 湯口(凄い析出物です)

▼溢れ出し

▼浴槽から

▼浴槽の縁に天狗様がいました

▼浴槽から

夏油温泉観光ホテル2004年立ち寄りの様子と以前の温泉分析はこちら

夏油温泉 夏油温泉観光ホテル 2004年8月
夏油温泉といえば「元湯夏油」ばかりではありません。「夏油温泉観光ホテル」は源泉を4つも所有しており、夏油川沿いの混浴露天風呂や館内の内湯は風情があって素晴らしいです。 受付をするとまだ先客は誰もいないとのことで混浴露天風呂から入ってみます。...

夏油温泉 夏油温泉観光ホテル データ

岩手県北上市和賀町岩崎新田8-7
Googleマップで見る
090-3367-4000
宿泊しました湯治部一泊二食付5500円利用
毎週木曜日休み(お盆の時期など営業する日もあるようです)
冬期休業
8時~17時(受付16時30分)
700円(新太郎の湯+200円→300円)
訪問:2022年7月(泊)

夏油温泉 夏油温泉観光ホテル 温泉分析

新太郎の湯 カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉 45.3℃ (自然湧出)pH=6.7 ラドン含有量=1.53マッヘ/kg 溶存物質計=2.482g Na=198.0mg(24.73mv%) K=13.3 Mg=9.8 Ca=498.9(71.51) Fe2=0.1 Mn=0.6 Li=0.3 Sr=4.4 F=0.6 Cl=216.6 HS=0.6 SO4=1240(74.07) HCO3=175.6 I=0.3 Br=0.5 H2SiO3=110.8 HBO2=11.5 CO2=56.4 H2S=0.3 (H24.10.26) ※温泉利用状況=掲示見当たらず

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