松川温泉 峡雲荘 自炊部(宿泊)(5月7日~5月14日休館予定)

2024年3月17日~4月26日・5月7日~5月14日大浴場改修工事のため休館※GWは営業
松川温泉峡雲荘は2023年12月訪問時、浴室の撮影禁止となっていました。

松川温泉峡雲荘・館内・自炊部・男性浴室の感想

年末年始は松川温泉・峡雲荘の自炊部で湯治連泊してきました。松楓荘の廃業もあり、松川温泉において自炊部を営業しているのは峡雲荘のみとなってしまいました。湯治文化のある東北地方において、この20年の間に貴重な湯治部(自炊部)の減少が顕著で残念でなりません。

訪問時点の自炊部は予約サイトでの受付はなく、直接電話受付のみでした。その際女将さんに「16時頃までには来て下さいね」「道路の路面状況が厳しくなることもありますので」とアドバイスをいただきました。当日は八幡平温泉郷を過ぎて少しの所から路面に雪氷が見られ、やがて圧雪路面となりましたが無事に到着することができました。

駐車場は宿泊客と日帰り客が多い夕方の時間帯が影響したのか既に満車でしたが、10分ほど待って停めることができました。もし可能なら【宿泊客スペース】【日帰り客スペース】と区分を分けていただけると泊り客側からすれば嬉しいです。

帳場にてチェックイン後、自炊客室へ案内されます。浴室前の廊下を進むと「この先、宿泊者以外立ち入りご遠慮下さい」(だったかな?)と張り紙されたガラス引き戸があり、いよいよ自炊棟に入ります。廊下を進みながら仲居さんがトイレや洗面所、共同調理場など案内してくださいました。

当日の自炊部屋は6畳部屋を2人利用で、布団を敷くと少し狭く思えました。部屋内は地熱発電所から供給される温泉蒸気による暖房が十分に効いていて全く寒くなく、逆に風呂上りなどは暑い位です。暖房自体を切ることは出来ないそうで、どうしても暑い時は二重窓を開け閉めして室温調整して下さい、と仲居さんより説明がありました。他はテレビにお茶セット、テーブル、ハンガーを備えます。

共同調理場の設備は冷蔵庫と冷凍庫、電子レンジ、無料のガスコンロ4箇所、各種調理器具や調理備品、あらゆる食器を完備しますが、炊飯器は無かったように思えます。調理場内の道具や備品、食器などは使用後はきちんと洗い、ふき取りしてから元の場所に戻すことがルールとなっています。シンクの水道には近隣の山の美味しい湧水を引いているそうです。お湯蛇口もありますが湯温調整が不可で、熱湯が噴き出すこともあり要注意です。

トイレは男女別で男性側には小便器と個室が二箇所(洋式1・和式1)、洋式は昔ながらの冷たい便座で洗浄機能付きではありません。

浴室は男女別に内湯が一つずつと、それぞれに裸移動可能な露天風呂があります。男性側の露天風呂は女性の利用も可能で専用の脱衣所もありました。内湯の洗い場にはシャワーがなく、温泉利用の上がり湯槽がありました。

内湯は15人サイズの石造り浴槽で、宿の規模からしてちょうどいいサイズです。浴槽湯は薄く白濁り、タマゴ臭が香ります。この香りを嗅ぐと「あー温泉に来たなぁ」といつもながら思います。

木箱湯口より加水調整された実測46.0℃の湯が、約30-40L/minほどジャバジャバと浴槽へと流れ落ちていきます。成分的には薄いですが、この光景を見ながらお湯の香りを楽しみつつの湯浴みも楽しいです。浴槽湯温は実測42.5℃に調整されており、冬場でも熱くもなく温くもない適温湯をオーバーフローで掛け流しています。滞在中は何度も自炊部屋からここの内湯に来て湯浴みを満喫しました。

男性(混浴)露天風呂へは内湯から引き戸を開けてそのまま裸移動できます。足元が積雪と凍結で大変滑りやすいので注意が必要で、外気温が極寒なのと足裏がめちゃくちゃ冷たいのでこれも修行?となります。

露天風呂は10人超えのサイズの岩風呂で、浴槽中央辺りに大きな岩が配置されています。温泉は湯華で黄白色に染まった湯口の他にも、太い塩ビホース経由で浴槽内へダイレクト注入がありました。光の加減で少し青みがかって見える薄白濁り、湯温は体感で40℃ほどでしたが、冬はもうちょい湯温が欲しいのが正直なところでした。個人的には湯のコンディションで見ると断然内湯に軍配です。

使用源泉について女将さんに訊いてみると、3本ある源泉を混合の上、内湯浴槽、あがり湯、露天風呂の全てで同じお湯を使用しているとの事です。混合泉掲示ではなく「源泉ごとに掲示しなくてはならなくなった」と女将さん。

旅館部で温泉に浸かり豪華な食事をいただきつつの滞在も良いですが、自炊部屋での飾らない連泊湯治もいいものでした。また自炊湯治でお世話になりたいお宿です。
(三昧・2023年大晦日~2024年元日2連泊)

松川温泉峡雲荘・女性浴室感想

なんと20年ぶりの再訪になった「松川温泉 峡雲荘」です。今回は自炊部を宿泊利用してみました。自炊部のレポは三昧と被るので省略するとして、女性浴室について感想を書きたいと思います。

峡雲荘で女性が利用できる浴場は二か所あります。男女別大浴場の内湯と露天風呂、そしてもうひとつが混浴露天風呂です。

まずは男女別大浴場ですが、脱衣所を抜けると比較的広さのある内湯浴室です。入ってすぐ横には温泉を利用した掛け湯槽がありますが、掲示から察するとこれはあくまでも「〆のあがり湯」として利用するもので、入浴前の掛け湯や体洗いなどは浴槽湯を利用してくださいといった内容が掲示されていました。ちなみに洗い場にはシャワーはなく、訪問時は水のカランにシャンプー・ボディソープが置かれていました。

内湯浴室は木材と石材をふんだんに使用し、浴室全体の薄暗さも相まって「山の秘湯」の雰囲気を醸し出しています。浴室には15人サイズ浴槽がひとつあり、タマゴ臭がプンプン香る白濁湯が適温で掛け流されていました。浴槽は広いですが、それをまかなえる投入量があり、湯の状態もまずまずです。浴感は薄めでアッサリしていますが、明瞭なタマゴ臭と目にも鮮やかな白濁湯は多くの人がイメージする「秘湯の湯」そのものでした。

内湯から扉を開けると露天風呂です。ほんの数歩の距離ですが、冬場は足元がツルツルに凍って滑りやすいのでどちら様もご用心。外はとんでもなく寒く、足裏はジンジン冷えて、浴槽に浸かるまでが過酷です。10人サイズの浴槽は内湯と同じタマゴ臭プンプンの白濁湯が、やや熱めで掛け流し利用されていました。明るい時間帯は周囲の雪景色を眺めながら、そして夜は星空を眺めながら浸かれる雰囲気のいい露天風呂です。

混浴露天風呂へは一度着衣しての移動となります。この混浴露天風呂は男性用露天風呂としても使用され「よろしければ女性もどうぞ」といった位置づけなのかなぁ?と思いました。

女性専用の脱衣所の向こうに15人弱ほど入れそうな混浴(男性)露天風呂があり、中央部には巨岩が置かれていました。お湯は女性露天風呂と比べてぬるく、冬場ではちょっと体の温まり度に欠ける湯温で、湯の状態もやや「こなれ気味」でした。ある程度の視線を遮ることができる巨岩もあるので、混浴としての難易度は低いと思いますが、女性浴室の露天風呂が良いのであえて混浴に入る人は少ないのかな?滞在中に他の女性が入っているのを一度も見かけませんでした。

各浴場は立ち寄り時間帯と旅館部の夕食前は一時的に混雑もありましたが、その他はほぼ貸し切り状態で楽しむことができました。自炊部の使い勝手も良く、女将さんの穏やかなお人柄も素敵で、次はぜひ八幡平の山々縦走を兼ねて再訪したいと思いました。
(まぐぞー・2023年大晦日~2024年元日2連泊)

松川温泉峡雲荘・館内と自炊部画像

▼松川温泉までの道

▼玄関前に松川温泉名物のボンネットバスが停まっていました

▼フロントまわり

▼フロントまわり

▼峡雲荘が紹介された山雑誌がいっぱい

▼椅子で寛げるスペースがあります

▼目の前は雪景色の山々

▼2階にも寛ぎスペース

▼男女別浴室前を進み・・・

▼引き戸を開けると自炊部です

▼自炊部廊下(部屋は暑いので野菜などを廊下に置いています)

▼宿泊した部屋

▼窓からの眺め

▼ときどきブワッと温泉蒸気が押し寄せてきます

▼自炊部の案内

▼昼食を注文できます

▼共有の炊事場です

▼食器各種揃っています

▼手っ取り早く寿司を持ち込みました

▼トイレと洗面台

▼混浴の案内

▼フロントエリアの売店(いろいろ揃ってます)

▼夏に宿泊して周辺の山を歩くのも楽しそう

松川温泉 峡雲荘 データ

岩手県八幡平市松尾寄木松川温泉
Googleマップで見る
0195-78-2256
宿泊しました
2023年大晦日~2024年元日の2連泊ひとり3800円利用(一泊のみは4000円)
2023年12月時点で自炊部の予約は電話のみ
Wi-Fiは自炊部まで届かず(フロントまわりは快適)
8時~19時(受付18時)
休館日あり(訪問前の確認をおすすめします)
火曜日が休みになることが多いようです
400円→600円
訪問:2004年1月・2023年大晦日~2024年元日2連泊

松川温泉 峡雲荘 温泉分析

新駒鳥の湯 単純硫黄温泉(硫化水素型)54.7℃ pH=5.0 溶存物質計=0.064g Na=2.8mg(20.00mv%) K=0.3 Mg=1.7(23.33) Ca=6.4(53.33) Cl=1.7 HS=0.2 S2O3=0.7 SO4=5.6(20.00) HCO3=22(60.00) H2SiO3=22 HBO2=0.6 CO2=399 H2S=25 (H30.12.27)

新駒鳥の湯1 単純硫黄温泉(硫化水素型)62.2℃ pH=5.4 溶存物質計=0.066g Na=2.8mg(20.00mv%) K=0.3 Mg=1.7(23.33) Ca=6.4(53.33) Cl=1.7 HS=0.6 S2O3=1.1 SO4=6.7(23.33) HCO3=20(55.00) H2SiO3=25 CO2=127 H2S=26 (H30.12.27)

新駒鳥の湯2 単純硫黄温泉(硫化水素型)67.4℃ pH=5.3 溶存物質計=0.061g Na=2.8mg(20.00mv%) K=0.3 Mg=1.7(23.33) Ca=6.3(51.67) Cl=1.7 HS=0.5 S2O3=1.4 SO4=6.6(28.00) HCO3=18(58.00) H2SiO3=21 HBO2=0.9 CO2=143 (H30.12.27)

※温泉利用状況=温度調整のため加水あり

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