前田温泉

前田温泉は民家の敷地内にあるようなパッと見は自家用温泉に見えなくもない公衆浴場です。建物に立てかけられた「前田温泉」の看板が無ければここが温泉というのが分からないかもしれません。

湯小屋は木造の建物で入口の引き戸上の昔の温泉分析や横に掲げられた「男湯」の木札を見て「あっここが浴舎なんだ」と分かりました。中に入ると長年使いこまれた脱衣所の板の間が目に入ります。脱衣所から引き戸のガラス越しに渋い浴室が見え「おーこれは凄い」と思わず口に出てしまいました。

浴室は通気のよい空間で快適ですが、訪れたのは初冬で少し寒く感じます。湯舟はモルタル造りで浅い寝湯(1-2人)と普通浴(3-4人)の二つに分かれています。湯面スレスレにある穴より実測58.4℃のお湯がダイレクトに注がれており寝湯は50℃超えの熱湯で入浴断念。普通浴槽では湯揉みして実測44.6℃。熱いながらもなんとかこちらで湯浴みできました。

掛け流される源泉はツルツル感のある単純温泉で、薄紅茶色透明の視覚的にもキレイに見えるお湯です。事前下調べをろくすっぽせずに来ましたがどうやら自身が認識する正統派モール泉のようです。特に湯面から漂い香るモール臭、ウイスキーのような香りが鼻を突いてきます。湯舟脇にはバルブがあり、開けると鉄臭(配管のサビ臭かも)のする水(井戸水か?)が出て来ました。
(三昧・2023年11月)


国道のすぐ横にあるにもかかわらず、目立つ看板の無い民家の庭にある共同浴場です。訪問すると女将さんと数匹の猫たちが出迎えてくれました。料金を支払い早速浴室へ。浴舎は今ではすっかり珍しくなった風情ある昔ながらの木造湯小屋です。

脱衣所に足を踏み入れた途端、甘いようないい温泉臭がします。浴室へ進むといよいよその香りが強く漂い、湯に浸かる前から気分は高揚。前田温泉の湯はとにかく香りが良いんです。

浴槽は1~2人サイズの浅い寝湯槽と3~4人サイズの普通浴槽とに分かれ、スベスベとした肌触りのウーロン茶を薄めたような透明湯が静かに掛け流されていました。寝湯槽で激熱、普通浴で熱め、源泉温度が高いので浴槽サイズにして投入量は少量ですが、訪問時は利用者が少なかったのか鮮度がとても良く、湯面から漂う豊穣な香りに包まれながら何度も出たり入ったりを繰り返し湯浴みを楽しみました。
(まぐぞー・2023年11月)

▼前田温泉 外観

▼猫さん日向ぼっこ

▼湯小屋入口(引き戸の上に昔の温泉分析)

▼男性脱衣所

▼掲示物いろいろ

▼脱衣所から見える浴室の風情が素晴らしいです

▼男性浴室

▼別の角度から

▼湯口

▼女性脱衣所

▼置き道具がなくスッキリとした棚

▼営業時間変更のお知らせ

▼鹿児島県でお馴染みの入浴マナー

▼女性浴室

▼別の角度から

▼湯口

▼溢れ出し

▼風情ある浴室です

動画(1分6秒)

ときどき聞こえるザーッという音は国道の走行音です。

前田温泉 データ

鹿児島県姶良郡湧水町鶴丸1281
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7時~20時
200円
訪問:2023年11月

前田温泉 温泉分析

吉松川東5号 単純温泉 62.5℃ pH=8.0 溶存物質計=554.6mg Na=67.4mg(61.17mv%) K=13.6 NH4=6.6 Mg=6.1 Ca=12.7 Mn=0.1 Fe2=0.2 F=0.1 Cl=4.2 SO4=0.7 NO2=0.4 NO3=0.6 HPO4=1.3 HCO3=269.0(95.87) HAsO2=0.3 H2SiO3=170.5 HBO2=0.8 CO2=2.2 (R211.6) ※温泉利用状況=全ての項目で該当なし

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