朝、高天原山荘を出発し、岩苔乗越⇔水晶岳を経て、次に向かうのは三俣蓮華岳キャンプ場(テント場)です。
12:30岩苔乗越からは黒部源流をたどって三俣蓮華岳キャンプ場へ向かいます。黒部源流・・・いよいよ北アルプスの深部に入り込むような響きがいいですね。
岩苔乗越を歩き出してすぐに水場があります。
画像ではわかりにくいんですが、この水場は細い沢状になって流れています。
このコースでは、岩苔乗越の水場が登山道をどんどん下降するにつれ、あちこちの雪解け水を集め、やがて黒部源流の太い流れとなって行く様を見ることができます。
沢筋のラインからいって、岩苔乗越からすぐのこの水場が黒部源流のはじまりといってもいいんじゃないかなぁ、と思いました。
明るい沢沿いを歩くこのコースは、雄大な山岳風景とはまた違った、北アルプスの表情を見ることができました。豊かな水の作り出す瑞々しく美しい景色です。
見上げる山の上の雪解け水が、
沢へと流れ込んでいます。
そしてどんどん立派な沢へと成長してゆきます。
来たよ!黒部源流!
13:30雲ノ平の分岐まできました。
あんなに細かった水場が、こんなに立派な流れになりました!
これがやがて大きな河川になって、海へと続くんだよね。自然って本当に凄い!
来たよ、黒部源流ーーーっっ!
「黒部川水源地標」こんな石碑もあり、旧建設省の名が刻まれていました。この石碑いつからあんの?
その後は黒部源流の本流を離れ、支流のひとつの細い沢に沿って進むのですが、相変わらずあちこちから流れ出る美しい清水に目を奪われます。この小さな流れひとつひとつが集まって、やがてあの大きな流れるなるんだなぁ・・。
ここで気になる一冊
伊藤正一写真集 源流の記憶「黒部の山賊」と開拓時代(Kindle版)(Amazon詳細ページ)
「黒部の山賊」の著者伊藤正一氏の貴重な写真集です。開拓時代の黒部源流の山々、山賊と呼ばれた山人たちの精悍な姿、その全てが貴重な一冊。黒部源流山域を歩いた人なら一枚一枚時間を忘れて見入ってしまうと思います。
残念なのは紙本は値段お高めのコレクターしかなかったこと。こういうのは紙の本を手にとって眺めたいとこですが、さすがに手が出ないなぁ。電子書籍で我慢します・・・。
やばい・・・熱中症かも。
・・・と、ここまでは楽しく歩いていた私の体に突如異変が。
なんたが急に体がフラフラとなり、こんなに暑いのに冷たい汗が出るんです。足もすっかり重くなり、これはもうあきらかに「熱中症のはしり」でしょう。
水に囲まれて歩いて来たのが逆に「気分的に暑さを忘れて」、ぜんぜん水分摂取してませんでした!
それまでぜんぜん水分を飲んでいなかったのに、急に持っていた水を全部飲み干す勢いで水分を欲します。あきらかに様子のおかしくなった私を見て「もう三俣は近いはずだから」と三昧が急いで先に行き、私は木陰でぐったり。
やがて冷たい水を汲んで戻ってきてくれました。(この時飲んだ水は最高に美味しかったなーーっっ)
聞けば三俣のテント場がもうすぐ上にあって、その水場から汲んできたとの事。もぅ本当に、景色にばっかり夢中になって、自分の体調管理を忘れるという、山中では致命的なミスでした。
冷たい水に助けられ、やっと辿り着いた三俣蓮華岳キャンプ場(テント場)です。
あぁ、やっと着いた・・。具合が悪くなり始めてからここまで、ほんとうに少しの距離だったけどキツかった・・・。真夏の北アルプスは逃げ場のない直射日光に長時間さらされるので侮れません。(というか、こまめな水分と塩分補給には気を付けます、はい)
つづく。