2019年5月2日
ほんとうなら一昨日の夜に予約した寝台バスでバンガロールからハンピに向かうはずが、まんまとバスに乗り遅れるという痛恨のミス!
▼前回の記事
そんなわけで改めてバスを再予約し、今夜再出発です。
今回利用したバンガロール~ホスペット(ハンピの玄関口になる街)の長距離バスは予約アプリ「redBus」を利用しました。オンラインで予約&カード決済もできて、とても便利です。「redBus」については複数の他所様サイトに詳しく載っているので、そちらをど~ぞ。
前回は激しいスコールでまったく拾えなかったUberもあっさりつかまえることができました。料金は約1.6㎞で99ルピー。100じゃなく99で設定するのは日本の「にっきゅっぱ(298円)」みたいな感じなんでしょうか?スコールによる水没でめちゃめちゃ時間のかかった同じルートが今回はなんとたった4分で到着。
到着したのはこちら。ネオン輝くSavoury Business Hotelの前あたりです。
→位置をGoogleマップでみる
インドのバス会社はバス停でピックアップではなく、こうして目印になりやすい〇〇ホテルの前とか○○ガソリンスタンドの前とかが乗り場になるパターンがほとんどです。バス会社は公営のバスターミナルを使えないのかなぁ?その辺の事情はまったくわかりません。
ごく普通の交通量の多い道端に大型バスが何台も行き来して、もはやパスターミナル状態になっています。予約したグリーンラインの夜行寝台バス(スリーパーバス)もここで待ちます。
待っていると物売りや物乞いが声をかけてきます。ボールペン売りの女性は10ルピーって言ってたけれど細かいのが5ルピーコインしかなく、渡したら当然のようにボールペンは貰えず。無視する人や追い払う人がいる中で、わざわざ売店で買い物してお札を崩して買う人もいました。
中にはドラァグクイーンのような物乞いもいて、サリーを着て化粧をした長身男性が無言で「お金ちょーだい」の仕草。このドラァグクイーン風の物乞いは誰も追い払うことなくみんな黙ってお金を渡してました。
後で知ったんですがこの人達はヒジュラーと呼ばれる男女どちらにも属さない第三の性別で、場所によっては聖者とされているんだって。だからみんな無視することなく黙って喜捨していたんですね。ちなみにインド人→インド人→インド人と次々と物乞いをして次はいよいよ私達の番かと思ったらス~ッと素通りでした。私達が外国人だったからかなぁ?
グリーンラインバス乗り場までピックアップマイクロバスで移動
そうこうしているうちにバスの出発時間が迫ってきました。ところが私達の乗るグリーンラインバスは一向に見当たらず。
警備員さんがいたので「ホスペット(ハンピの玄関口の街)行きのグリーンラインバスはここに来ますか?」と聞くと、「そうだ、ここで待っていれば来る」と。その後もグリーンラインのバスを待つも姿が見えません。出発時刻がとっくに過ぎているのにまだ来ません。この道路は一方通行なんで見逃すはずは無いと思うのに。
しいて言えば、さきほどからグリーンラインの小さなマイクロバスが停車しているのが一台見えます。
すると私達と警備員さんとのやり取りを見ていた男性が「ホスペットに行くグリーンラインはあのバスだよ」と言うじゃありませんか。
「でも私達が乗るのはスリーピングバスだから違うよぉ」と言うと、その男性はマイクロバスまで行き運転手さんに何やら聞いています。
「やっぱりあのバスだよ、あれはバス乗り場までのピックアップバスなんだよ」と。
おおぉぉ~っっ、なんと!グリーンバスのスリーピングバスはここから離れたバンガロールのセントラルステーション駅近くにあるバスターミナルから発着するそうです。それに気が付かなかったら、またバスに乗り損ねるとこでした。
「ありがとおおおっっーー!」教えてくれた男性と強く握手を交わし、グリーンバスのマイクロバスに乗り込みました。ん・・・?ってことは、この間のスコール乗り遅れ事件(←もはや事件扱い)の時もこのマイクロバスが停まってたかも!?
マイクロバスはお客さんを拾いながら1時間半かけてグリーンラインの本拠地へ。
快適!グリーンラインバスの夜行寝台バス(スリーパーバス)
こちらがグリーンラインバスの本拠地のようです。
→Googleマップで場所をみる
グリーンラインバスのオフィスがあり大勢の人でごった返しています。近くには有料のトイレ(インド式・紙はなし)もあったのでバスの乗る前に行っておきました。
次々とやってくるグリーンラインのバス。あまりにバスが大量過ぎてどれがホスペット行きかわかりません。なので、それらしきバスが来るたび「ホスペット?」と周囲の人に聞くけれど「違う」と言います。
そして待つこと10数分。ようやくホスペット行きの夜行寝台バス(スリーパーバス)がやってきたので、荷物を積み込み乗り込もうとしたときスタッフの男性が「あなた達はエアコン?ノンエアコン?」と聞いてきます。チケットを見てもらうと「あー、これは次のバスだね」と。
おーー危ない、危ない。さっき積んだばかりの荷物を降ろして再び道端で待機。すると先ほどの男性が走ってきて「エアコンバスなら、あっちに来てるよ」と教えてくれました。
ようやくホスペット行きの夜行寝台バス(スリーパーバス)に乗車。料金はひとり約813ルピーでした。(←オンラインでカード払い済)
今回利用したグリーンラインバスは前回乗ったアジアンエクスプレスよりも年季が入ってますが、シーツは清潔だしマットレスもヘタッてなく快適。充電はできるものの日本製はアダプターが無いとダメなタイプです。
ちょっとした荷物棚もありました。車内では名前・メールアドレス・電話番号を登録すれば利用できる無料Wi-Fiもあります。エアコンは効きがよく、風向口の開閉もできるので寒すぎることもありません。
22:47出発。無事乗れた安堵感と完全に横になって寝られる夜行寝台バス(スリーパーバス)の快適さにアッと言う間に爆睡。
おそらくは途中でトイレ休憩などもあったと思うんですが、スタッフに大声で起こされた時には既にホスペットだったという・・。
ハンピの玄関口ホスペットに到着!
5:00ホスペット到着。みんな寝ぼけ眼でボーっと脱力したゾンビのようにふらふらとバスを降りていきます。
爆睡する私の横でほとんど眠れなかったという三昧は、前方のスタッフスペースに入り浸り運転手さんといつの間にか仲良くなったようで、別れを惜しみつつ固い握手を交わしていました。
スリーパーバスを降りると目の前がホスペットのバススタンドでした。ここでハンピ行き路線バスの始発を待ちます。
夜明け前のホスペットの第一印象は「涼しくて爽やかで快適」でした。でもいくら朝が涼しくても昼間には40℃になっちゃうらしいです。(運転手さん情報)
バスを降りるとインド人の皆はオートリクシャと交渉して次々と目的地へ。私達の所には誰も来ないなぁ・・と思っていたら向こうからダッシュで男性が走ってきて猛アピール。
「宿に行くにはまだ早いからサンセットに行かないか?」
「いくら?」と聞くと無言のまま。そして畳みかけるように「さぁ、あちらへどうぞ、乗ってください」を繰り返します。もう一度「いくら?」と聞くとまた聞こえないフリ。
(なるほど・・・これはミャンマーのバガンで引っかかったのと同じパターンだな)
実はミャンマーのバガンでも同様の「値段を聞くと聞こえないフリ作戦」の馬車に乗り、後で高額請求された苦ーーーい経験があるんです。
▼その時の記事
もう同じ手には乗らないですよ。というワケで明瞭会計ではないオートリクシャはお断りして目の前のバススタンドへ。ちなみにホスペットのオートリクシャの勧誘はしつこくないです。この後も3人ほど来たけれど、しっかり断るとすぐ立ち去って行きます。
ホスペットのバススタンドです。
バスを待つ人、床で寝そべる人、そして元気に走り回るワンコ達。そのバススタンドの片隅では欧米人グループが不安そうな顔で身を寄せ合って座ってました。
ここでハンピ行のバスを待ちます。おそらく始発前だと思うんですが、施設を閉鎖せずこうして解放してくれるのはありがたいです。
洗面コーナーがありました。
水場では歯を磨いたり、顔を洗ったり、バス待ちの人達が身支度をしています。私たちもここで洗顔と歯磨き。あーさっぱりした。
このワンコは革靴をゲットして大喜びでした。ワンコって革靴大好きですよね。ちぎって食べちゃってるのが気になる。
バススタンドにはいくつかの売店もありチャイ(一杯10ルピー)も売られています。
ホッと一息。染みるうまさです。
有料のトイレ(1回10ルピー)もあります。女性用は断然インド式が清潔でいいです。洋式は放置気味で汚れ放題の汚トイレ状態。
やがて夜が明け、お客さんも増えてきました。
ワンコはそろそろお休みタイムかな。
待ちに待ったハンピ行のバスがやっと到着。でもこのバスどこをどう見ても寝台バス。しかもとても年季が入っています。
ホスペットからハンピまでは約30分くらいなのに、なぜに寝台バス?中を見るとさきほどの欧米人グループが既に乗り込んでいました。スタッフに「このバス、ハンピ行き?」と聞くと「そうだ」というので、中でしばらく待機。
すると先ほどの欧米人グループのひとりが外に偵察に行き「あっちに先に出るハンピ行きがある!」と言うじゃありませんか。しかも出発間際らしく、欧米人グループ、私達、そしてインドの皆さんほぼ全員荷物を抱えて民族大移動でした。
全員が乗り込んだところでバスは出発。さきほどの謎バスと違って、ごく普通のローカルな路線バスです。
乗り込んだ後に車掌さんが集金に来ます。ハンディタイプの発券器で明瞭会計です。
ハンピ手前の集落「ニューハンピ」までひとり15ルピー(ふたりで30ルピー)。翌日に同じ区間を荷物を持たないでバスに乗ったら10ルピーだったんで、5ルピーはバックパック代を加算されたんだと思います。
さらに移動日にバックパックを持って乗車したときは10ルピーだったんで「このサイズは追加料金ね」の判断が車掌さんによってわかれるんだと思います。これは観光客に対してだけでなく、同じようなやり取りをインド人に対しても行われているのをときどき見かけました。
バスは少しばかりホスペットの街中を走った後たちまち田舎ののどかな景色へと変わりました。
素朴でどこか異国雰囲気漂う(砂漠の町のような)小さな集落を幾つか過ぎます。私の隣の席にはザ・インド人なローカル度満点のお爺ちゃんが座り、相当年季の入った頭陀袋から櫛を取り出し、真っ白な髪の毛と髭をとかし、次に爪楊枝で歯の掃除。そしてポケットのお金を確認。これを2度3度繰り返します。どうやらこれがお爺ちゃんのバスで行うルーティーンのようです。
バスがヒンドゥー寺院の前を通ると手を合わせ何かを唱えるお婆ちゃん。私の横のお爺ちゃんも何やら唱えていました。
やがてバスはニューパンピの入口に停車。この先には観光客で賑わうハンピの集落がありますが、私達は静けさを求めて少し手前の集落「ニューハンピ」に宿を予約しました。
バスを降りようとしたその時、降りる客はいないものと思ったらしく即発車。降り損ねた私達を見てバスの乗客が一斉にワーワーと騒ぎ出します。おそらく運転手さんに「まだ降りる人がいるよ!」と教えてくれたんだと思います。
次に通路が狭いんでバックパックを先にひとつだけ降ろそうとすると、再び乗客が一斉に「ワーワー!」今度は「忘れ物してるよ!」と、もうひとつのバックパックを指さして笑っています。(いやいや、いくらなんでも、こんな大きな荷物忘れないよぉ)と思いつつも、無邪気なインドの皆さんの様子にホッコリしてしまいました。これから先こういうホノボノとした素朴な人々にインドでたくさん出会うことになります。私がインド好きになった最大の理由がこの人の良さなんですね。
バス通りからニューハンピの集落までは、のどかな道を少しばかり歩きます。
途中ですれ違う若者たちが明るい笑顔で挨拶してくれました。
初めて来たニューパンピは、とてもこぢんまりとしたローカルな集落で、ホステルは数軒あるもののほぼ観光要素ゼロです。
まだ集落内を詳しく見てないんですが、もしかするとレストランもないんじゃないかなぁ?
今回お世話になるホステルです。集落の細い路地にある民家にホームスティするような形です。ここの若奥さんがとても優しい女性で、料理がとびきり上手でした。
到着した私達に「疲れてお腹も空いてるでしょ?」と温かなチャイと、
さっぱりとしたヨーグルトソースでいただくインドの蒸しパンイドリを作ってくれました。これがまたとっても美味しかった~。
都会のバンガロールから、ゆっくりと時間の流れる田舎のニューハンピへ。
ここでようやく「インドの旅が始まるなぁ」と感じました。