看板が無く初訪だったので一度通り過ぎてしまう。ここかなぁと進んで行くとありました。つつはの湯は無人の温泉浴場で外来入浴も可能です。外観ですがかなり草臥れた建物で屋根には雨漏りがするほど老朽化が進んでしまっているのかブルーシートが屋根の一部に掛けられていました。こういうの最近お目にかかってないなーとこの佇まい見ただけでテンションがあがります。
わくわくしながら引き戸をガラガラ音をさせて中に入りました。無人浴場なので外来は料金箱に一人200円を支払います。脱衣場の床はミシミシと音がしていい味だしてくれています。レトロな脱衣棚もまたそうです。浴室に入る引戸も重めでコツが必要なタイプです。
浴室の天井は高く通気良好でよし。4人サイズ、タイル張り浴槽があります。男女浴室境の壁に丸穴があってそれが湯口代わりでした。温度(実測54.5℃)からして源泉そのままでしょう。浴槽温度は実測43.6℃、無色透明、ツルツル浴感ありの単純温泉が掛け流されていました。また、湯中には黄土色をした湯華の浮き沈みもありました。タイル浴槽の一部分は剥がれて落ちてしまったり欠損して無くなっています。空間の壁などにも相当ガタが来ていましたが、お湯や外観佇まい、浴場内の感じからも大変貴重な公衆浴場の存在に間違いありません。
(三昧・2023年11月)
長閑な田園風景の中にひっそりと佇む鄙びの湯小屋「つつはの湯」です。道路のすぐ横に位置していますが、薄っすらと樹木に隠れている湯小屋が農具用の小屋に見えて一回通り過ぎてしまいました。実際に行ってみると湯小屋周りは雑草などしっかり刈払いされ、駐車スペースもあり地域の共同浴場として日常的に利用されていることが伺えました。
玄関を入ると管理人さんはなく、料金箱に入浴料を入れる無人の湯小屋でした。木造の湯小屋は修繕する手や資金が限られるのか破損もがあちこちに見られますが「よくぞ残してくれた」と感動してしまう懐かしさがありました。
浴室には長年使いこまれいい具合に風情を重ねたタイル浴槽がひとつあり、浴槽サイズにして十分量の熱めの無色透明湯が投入されています。ツルツルとした肌触りのある湯は浴槽内でやや熱め寄りの適温、人が浸かるとザバッと勿体ないくらいの溢れ出しがあり鮮度も良好です。湯に浸かりながら湯小屋を眺めると「昔はこういう所があちこちにあったなぁ」と、もう取り壊されてしまった幾つもの湯小屋を思い出していました。
(まぐぞー・2023年11月)
▼つつはの湯 外観
▼男性脱衣所
▼男性側は置きお風呂道具が少ない
▼温泉成分の古い掲示
▼男性浴室
▼浴槽
▼女性脱衣所(女性側は風呂道具ギッシリ)
▼懐かしいドライヤー(もう使われていないのかな?)
▼この掲示の左下の書き込みが営業時間?
▼女性浴室
▼湯口
▼溢れ出しです(麦のような形のタイルが珍しい)
▼浴槽から
▼ここが源泉井かな
▼動画もどうぞ(1分4秒)
つつはの湯 データ
鹿児島県姶良郡湧水町川西390
6時~?
※現地では紙に書かれた終了時間部分が破られ、掲示物に朝6時ー夜730分と書き込みあり。
200円
訪問:2023年11月
つつはの湯 温泉分析
吉松川西8号 単純温泉 59.1℃ pH=8.4 溶存物質計=0.21g Na=30.9mg(86.47mv%) K=1.7 NH4=0.1 Mg=0.1 Ca=2.4 Al=0.3 F=0.3 Cl=2.7 SO4=4.3 HCO3=55.0(56.80) CO3=15.0(31.50) H2SiO3=96.8 HBO2=0.6 (H21.6.10) ※温泉利用状況=全ての浴槽で塩素系薬剤を使用しています