2024年7月27(土)・28(日)暑い埼玉から逃れるため、涼を求めて8年ぶりに常念岳に行ってきました。今回も常念小屋(常念乗越)でテント泊です。
涼を求めたわりに登山道は蒸し暑いし、日中のテント場は灼熱地獄だし、期待したほどの涼しさは得られませんでした。日没にようやく気温が下がり風も吹いて、肌寒いくらいになったのは良かったです。
久々の常念小屋テント場は、やっぱり良かった。目の前に槍ヶ岳や大キレット、北穂高岳などなど、早々たる北アルプスの山脈がズラズラと並んで、テント場そのものが展望台状態です。稜線に位置するので解放感が半端ない。小屋のスタッフさんも感じよくて、やっぱり好きだな常念乗越。
一ノ沢駐車場
(画像は明るい時間帯に撮った一ノ沢第一駐車場)
今回歩いたコースは一ノ沢コースの単純ピストンです。登山口の約1㎞手前に「一ノ沢第一駐車場」と「一ノ沢第二駐車場」があり、安曇野観光協会公式サイトによるとそれぞれ約30台停められるそうです。
今回の山行も例によって超ド級に混雑しそうな7月最終週の土日だったので、駐車場キープのため鼻息荒く金曜の夜に乗り込みました。
23時頃の到着で第一には数台の空きがありました。「なんだ思ったほど混雑してないや」と思っていたら、みるみる満車に。といっても第一がこれなので、第二はもっと余裕があったと思われます。思ったほどの混雑はなかったかな。
この駐車場、トイレが無いのが難点。登山口まで行けばトイレがあるけれど、熊が出そうな真っ暗な道を1㎞も歩くの恐いなぁー。今回は朝の出発まで何とかもったけれど、トイレが近い人には酷かもしれない。駐車場に仮設トイレプリ~ズ。
(明るい時間帯に撮った一ノ沢第一駐車場の入り口にある、登山口まで1㎞の案内。よく見ると山脈のデザインになってる。)
夜明け前。まだ真っ暗な中を熊鈴鳴らしながら続々とハイカーさん達が出発して行きます。私達も準備を整えて駐車場を出発。まずは登山口目指して約1㎞トボトボ歩き。すると登山客を乗せた大型バスやミニバンがどんどん横を追い抜いていきます。ツアーに参加すればこうして登山口まで送ってくれるのかなぁ?羨ましい・・・。
一ノ沢登山口~常念乗越
一ノ沢登山口です。さきほど追い越したバスに乗っていたのか、こんな朝早くから登山者で賑わっていました。暗いしボケボケだし、この画像じゃよくわからないなぁ。
それでは明るい時に撮った一ノ沢登山口もどうぞ。
4時44分登山口出発です。最初はジメジメとした薄暗い森の中を緩やかに歩いて行きます。このコースは多くが沢沿いを歩くため、蒸し暑いながらも時々爽やかな涼風が流れ込んで来て癒されました。一ノ沢コースの登山道は全体的にとても良く整備されていました。
名前にビビる「胸突八丁」は、花がたくさん咲いていて写真を撮ったりして気分が紛れるのか、胸突き感は無かったです。
胸突八丁に咲いていたお花たち。
一ノ沢コースの水場
動画です。(9秒)
常念乗越まであと約50分の地点に水場がありました。水は小屋でも購入できますが、この水場の水が冷たくて美味しいので給水ボトルで約4リットル汲んでいきました。この水場を境に急にキツくなったのは、単に荷物の重量が増えたからかな?
常念小屋テント場
8時11分常念乗越に到着!さっそく常念小屋でテント受付してきます。予約不要ひとり2000円(トイレ代込)でした。
※2016年の時に作った画像をもう一度掲載。
常念小屋のテント場は、小屋のすぐ横にこぢんまりエリア、ハイマツ林の向こう(横通岳側)に広めエリアがあります。(以前の常念小屋公式サイトでは広めエリアの紹介がなく穴場的存在だったんですが、いつの間にやら掲載されてました)
今回も広めエリアにテントを張りました。手続きを終えて実際にテント場に着いたのは8時40分頃、既に張られてたいテントは前日からのものが多く、この後ほとんどが撤収しました。
広めエリアのテント場は、目の前に槍ヶ岳や北穂高などの山々を望む開放的な立地が気に入ってます。ただ稜線のど真ん中にあるので、ひとたび風が吹くとモロに影響を受けるのが難点。それと昼間はとても暑かったなー。テント内はサウナ状態でした。
テント場の広さはあるもののゴロゴロ石が多く、快適に張れる場所は見た目ほど多くない印象です。逆に言えばそのおかげでテント間のスペースが空きやすく、ギュウギュウ詰めにはなりにくい・・かな。
8年前と比べると、今回は一部が資材置き場となっていて全体的に張れる数は減った印象を受けました。それとトイレの場所が移動してました。
※テント場にブヨのような噛む虫がいました。前回噛まれなかったんで油断していたらヤラレター。
テント場のトイレは使用不可でした
訪問時、広めテント場の仮設トイレが使用不可でした。そのため小屋横の屋外トイレ(手洗い蛇口と液体石鹸あり)に加えて、今回は小屋内のトイレも利用可能でした。トイレは洋式タイプのボットンで使用後のペーパーは箱に捨てます。やや臭いキツめ。
常念小屋
テント設営後は常念小屋の館内ウオッチング(といっても受付まわりだけ)。さすが人気の常念岳、この日は小屋泊120名の予約があったらしい。
→常念小屋公式サイト
館内の撮影について伺ったら「どうぞ、どうぞ。」とのことで図々しくもイロイロ撮らせていただきました。
小屋には冷え冷えのショウケースがあり、冷たい飲み物がビッチリ陳列されていました。缶ビールはロング缶800円、ショート缶600円。北アルプスにしては良心的なお値段だと思います。そして何と、飲み終わった缶やペットボトルの回収もされていました。
常念小屋には水場はなく、小屋で購入します。料金を払い受付横にある蛇口からセルフ給水します。1リットル200円でした。
1回100円の充電はテント泊の人も利用可能でした。充電コーナーは受付の内側にあるので、スタッフさんにお願いして充電してもらう形になってました。
充実の売店商品。お菓子やパンに・・・
カップ麺も売っています。テン泊の人が「高級なカップ麺」と言いながら大事そうに両手で持ってテントに運んでました。食堂ではケーキやコーヒーも買えます。
オリジナルグッズコーナー。
バンダナがかわいい。右側のサルに尻尾があるのが惜しかった。ニホンザルは、あんな長い尻尾ないよー。
バッジです。前回来た時はどっちのバッジ買ったかなぁ?と調べてみたら、案の定コマクサの方でした。動植物のデザインに弱いです。
常念岳
10時11分常念岳にも行ってみました。距離的にはそれほど遠くないんですが(往復約2時間弱)、直射日光の降り注ぐ炎天下を歩くのでとにかく暑い暑い。水分気持ち多め(のつもり)で持って行ったけれど、常念小屋に戻る前に飲み干してしまいました。
常念小屋~常念岳は、右手に槍ヶ岳が迫る贅沢な登山道です。
常念小屋が見える。(まだテント場はガラガラだね)
あれは後立山かな?
11時10分常念岳山頂到着。常念乗越から約1時間ほどかかりました。ヤマップとかでよく見る後ろ向きポーズを真似てみた。
祠の先に槍ヶ岳を望む広めなスペースがあって、食事休憩するハイカーさんで賑わっていました。
目の前に槍ヶ岳がどーん。
蝶ヶ岳に続く登山道がガスで半分白い。
雷鳥とご対面
下山時に三股分岐の砂地で雷鳥さんが砂浴びしていました。かなり大きめな体格のいいメスの雷鳥で、人が近づいても気にする様子がナイ。
それどころか距離をあけると向こうから歩いて近づき、近くにドカッと座り込み砂浴び続行。これはもしや、猛禽や猿などの襲撃を避けるため、あえて人の近くで砂浴びしているのでは?としばらく見守ることにしました。ところが全然砂浴びを止める気配がナイ。
「そろそろテント場に戻りたいな~」と思ったところで三股方面からハイカーさんが来られたので我家は撤収。少し下山したところで振り返ると、さきほどのハイカーさんが雷鳥さんを見守っていました。
動画もどうぞ。(37秒)
常念小屋テント場・夜は雨風がビュービュー
常念小屋に戻った後はテント場でゴロゴロタイム。
正面に連なる北アルプスの名峰達を、時間を気にせずいつまでも眺める。これがやりたくて常念乗越のテント場に来たのダ。
暮れゆく稜線で、みんなそれぞれ、まったりと山を眺めます。この時間が好き。
夕方になりちょっと強めの風がビュービュー。安曇野側からは遠雷も聞こえてきます。(カミナリ来るなよ~来るなよ~)の念が効いたのか、やがて聞こえなくなりました。
風は時々ガスやパラパラと小雨をともないながら一晩中吹いていました。
夜中に一度トイレでテントの外に出ると、風は強いものの満天の星空の向こうに北アルプスの山々のシルエットが影絵のように浮かび上がって、それはそれは幻想的でした。
翌朝は生憎の曇りで、ご来光は見られませんでした。強めの風が吹いていて、時々小雨もパラつきます。
あちこちでテントが撤収され、下山する人、次の目的地へ進む人、次々と出発して行き、あんなに賑わっていたテント場がご覧の通り。私達も朝食を済ませ、風が弱まる隙を狙ってテントを撤収。
ひと晩お世話になりました。今回も良いテント場だったな。また来ます。
その後は淡々と下山し無事山行終了しました。
下山後温泉は何度かお邪魔している富士尾山荘に行ってみると、大旦那が「お風呂は去年止めた」と言います。おぉぉ~穴場的温泉だったのに残念!食堂は変わりなく営業中だったのでお蕎麦だけいただきました。
富士尾山荘でお風呂に入れなかったので、数年ぶりに常念坊にお邪魔しました。