梅雨前の貴重な晴れ間になった土曜日は、谷川岳の西黒尾根~茂倉新道~土樽駅を歩いてきました。
西黒尾根→土樽を歩くのは3回目、過去2回は紅葉シーズンだったので、今回が初の花のシーズンです。この時期の西黒尾根~トマ・オキまでは何度か歩いたことがあるけれど、富士浅間神社奥の院から先は未知の世界。どんな植物に出会えるのか楽しみです。
茂倉新道側に下山した後は、土樽駅から列車で土合駅に戻るというお馴染みのコースです。
谷川岳インフォメーションセンター~西黒尾根
2024年6月8日(土曜日)
今回は谷川岳インフォメーションセンターの駐車場を利用しました。谷川岳インフォメーションセンターは数年前にオープンし、同時に広々とした駐車場も綺麗に整備されました。無料で利用できてトイレもあるし、とても使い勝手がいいです。
この他にも、土合駅、白毛門登山口、谷川岳ベースプラザ(有料)と、谷川岳登山口周辺には駐車場がたくさんあって北アルプスみたいな争奪戦ストレスがほとんど無いのも良いです。
4:29アオバトの鳴き声を聞きながら谷川岳インフォメーションセンター駐車場出発。途中でベースプラザのトイレをお借りしつつ・・・
4:48毎度おなじみの西黒尾根登山口到着。ここから稜線まで湿度の高い樹林帯を登ります。今日はそれほど暑くなく湿度も控えめで、かなーり快適でした。
秋には枯れていた水場も普通に出ていました。
快適といっても、多少のジメリ感は相変わらず。ギンリョウソウはまだ卵みたいでカワイイ。これが伸びて目玉妖怪みたいに変貌すると、ちょっと怖い。
満開のホソバヒナウスユキソウ
6:07樹林帯を抜けました。向こうに天神平が見える。ここから先は、いよいよ西黒尾根お楽しみの絶景の稜線歩き。
トマちゃん・オキちゃん、今から行くから待っててね。
お花もチラホラと出て来ました。
いまだにユキワリソウかハクサンコザクラか区別がつかないピンクの花。植物に詳しい方のサイトによると、この画像みたいに葉が上に向かって生えているのはユキワリソウらしいですが??
この白いのは蛇紋岩が好きなクモイイカリソウかな?
6:35ラクダの背まで来ました。
出ました、今年初の第一ホソバヒナウスユキソウ!ホソバヒナウスユキソウに会うために初夏の谷川岳を歩くといっても過言じゃありません。
いよいよ、ここからがお楽しみのお花ロードです。あちこちに咲くホソバヒナウスユキソウを見て気分が上がりまくり。(写真ばっかり撮って全然先に進めない)
もうひとりの主役ユキワリソウ?もあちこちに。
トマの耳・オキの耳とハクサンイチゲ
肩の小屋手前の雪田まで来ました。天神尾根側は急な斜面ですが、こちら西黒尾根はほぼ平行気味に横切るだけ~。ステップもシッカリできていたので滑り止めも使いませんでした。
肩の小屋の向こうに主脈が続くお馴染み大鉄板構図。やっぱりここでは毎回一枚撮らないとね。
8:08トマの耳到着。誰もいません。
お次はオキの耳へ。
オキの耳の周囲は、まだ新鮮なハクサンイチゲが綺麗に咲いていました。
8:29オキの耳。
ユキワリソウ?ハクサンコザクラ?(どっち??)もいっぱい。
山頂付近は蕾も多かったので、まだもうちょっと楽しめるかな?
たくさん咲いていた白い花。ミツバオウレン?誰か詳しい人プリーズ。
一の倉岳~茂倉岳は満開シラネアオイ
チングルマは富士浅間神社奥の院~少し先にちょっとだけ咲いていました。目の前にそびえるのは、これから向かう一ノ倉岳です。あの登り返しがむちゃくちゃツライ。
慰霊碑です。まだお若い二人の名前が刻まれています。ここや一ノ倉岳の慰霊碑を見るたびに、残されたご家族の長い年月を思うと切なくなります。
画像でみるとそうでもないけれど、実際にのぞき込むと足がすくむ。
シャキーンと音が聞こえそうなユキワリソウ(?)
白いイワカガミがおりました。この白いのってピンクのと種類が違うのかな?教えて、牧野富太郎博士。
個人的にこのコースで一番キツイと思う一ノ倉岳への登り返しです。距離的には大したことないんですが、若干樹林帯チックな蒸し暑さがあって、ここまで消耗した体力を更に消耗かかってきます。
それと富士浅間神社奥の院から先と一ノ倉岳間の蛇紋岩がなかなか厄介。あからさまに見てわかる蛇紋岩もあれば、トラップ的に潜んでいるのものもあって、まぁとにかく滑る滑る。
「相変わらずここはキツイなぁ」とボヤキながら登っていると・・・おや?なんと、シラネアオイが大輪の花を咲かせているじゃないですか。しかもあちらこちらに点々と。これには(ちょっとだけ)疲れも吹き飛びました。
9:56一ノ倉岳。
谷川岳お馴染みのかまぼこ避難小屋。扉の横にはなぜここに避難小屋が造られたか、そして安全登山への呼びかけが記された古いプレートがあります。現地に行かれたらぜひ見てください。
一ノ倉岳~茂倉岳間にもシラネアオイがあちこちに咲いていました。
残雪地には、まだまだ元気なショウジョウバカマ。
茂倉岳の手前はたくさんのハクサンイチゲが登山道を彩っていました。今回のルートでは、ここが一番ハクサンイチゲが多かったです。
10:23茂倉岳です。去年秋の馬蹄形ではガスガスの中、蓬ヒュッテで買ったお弁当(温め不足でポリポリのレトルト赤飯)を侘しく食べた思い出。今日は晴れてよかったー。
茂倉岳で長めの休憩の後、茂倉避難小屋でも休憩。数年前に建て替えられたばかりの茂倉避難小屋は清潔で綺麗。トイレもまだ溜まってないのか臭いがほとんどありませんでした。
茂倉避難小屋から数分の場所にある水場です。冷たい水がほどよく出ていました。動画は6秒です。YouTubeは短い動画置き場にしているだけで、うちへの広告収入は一円も入らないので、安心して(?)存分にご覧ください。
茂倉避難小屋を振り返り。こっち(新潟側)は晴れて暑いのに群馬県側には黒っぽい雲がかかっている。
暑いゾ!矢場の頭~土樽駅
茂倉岳を過ぎた頃から、時間的なものもあるのか、やけに暑くなってきました。遮るものの無い稜線上でジリジリと降り注ぐ太陽光線が痛い。出会う人との挨拶は当然のように「暑いですね」。
12:18最後のピーク矢場の頭です。ここでも長めの休憩(むちゃくちゃ暑い・・・)。なんでこんなに休憩ばっかり取っているかというと、土樽駅に早く着き過ぎないように時間調整しているからです。せめて1時間に一本、列車があればいいのになぁー。
矢場の頭ではたくさんのアゲハ蝶が飛び回っていました。何匹も集団でグルグル飛び回って何してるんだろう?卵でも産むのかな?
いよいよ樹林帯に突入です。あとはひたすら淡々と下るのみ。
茂倉新道の最初は、クロベなどの樹木の根がウネウネとして、かなり歩きずらいです。
こんな感じに登山道を塞いでいるので、幾つもの木の根を乗り越えて進みました。
その後しばらくは歩きやすい道が続きますが、登山口に近づくと今度は粘土質の急斜面が頻発して、またも歩きにくい。特に滑りやすい箇所にはお助けロープが設置されていたので、これは有難かった。
茂倉新道のギンリュウソウは、西黒尾根より成長が早い。
14:01茂倉新道登山口に無事下山しました!ここから道路を土樽駅まで歩くんですが、とにかく暑かった・・・。
14:33分土樽駅到着!お疲れ様でした。ここで普段は飲まない山の日だけのお楽しみ、冷たいコーラを自販機で買おうとしたら釣銭切れで買えず(お札しか持ってなかった)。小銭を持っている人が次々と購入してプシュッと開けて美味しそうに冷た~い飲み物を飲んでいるのが羨ましかったな。
列車来ました。乗客は鉄道ヲタクのお兄ちゃんと、汗だくドロドロの登山客で占められていました。
遭難者鎮魂の土合霊園地
谷川岳インフォメーションセンター斜め向かいにある土合霊園地です。この壁には、谷川岳で命を落とされた方々の名前が大勢刻まれています。
大好きな山に抱かれ、今は静かに眠る若き御霊に合掌。