秋の谷川岳|西黒尾根から谷川岳・一ノ倉岳・茂倉岳・土樽駅へ

 

数年ぶりに谷川連峰の「西黒尾根から土樽駅への通り抜けコース」を歩いて来ました。このコースを前回歩いたのは2017年9月下旬、その時に見た稜線を染め上げる鮮やかな紅葉に感動して「またあの錦秋の中を歩いてみたいなぁ」と秋が来るたびに思っていました。

 

コース最大の難関は土樽駅に時間のロス無く到着すること!

今回歩いたルート詳細

谷川岳インフォメーションセンター駐車場→西黒尾根登山口→トマの耳・オキの耳(谷川岳)→一ノ倉岳→茂倉岳→矢場の頭→茂倉岳登山口→土樽駅―(鉄道移動)→土合駅→谷川岳インフォメーションセンター駐車場

コース一番の難関は「土樽駅に時間のロス無く到着できるようペース配分すること!」だと思います。というのも下山時に乗れそうな土樽発の列車が2023年10月14日時点で[12時32分][15時24分]の2本しかないという・・・。それを過ぎると次は18時09分これはキビシイ。

せっかくの秋の谷川岳、急ぎ足で通り過ぎるのはもったいない。紅葉の稜線歩きもゆっくり楽しみたいし写真も撮りたいし。というわけで今回は余裕をもって15時台乗車で予定を組んでみました。

 

西黒尾根から谷川岳山頂(トマの耳・オキの耳)

2023年10月14日

夜明け前の谷川岳インフォメーションセンター駐車場から出発です。まだ真っ暗な時間帯なのに駐車場は既に多くのハイカーさん(テンション高め)で賑わっていました。上の画像は何かというと、西黒尾根登山口へ向かう途中にある「登山指導センター」前の水場です。先月は枯れてましたが今日は普通に出てました。

 

3:54西黒尾根登山口です。こんな時間なのにヘッデン付けたハイカーさんが次々と登山口に吸い込まれて行きます。さすが日本百名山の谷川岳、謎に人気の日本三大急登・西黒尾根。

今回のこのコース、先月歩いた馬蹄形の「茂倉岳~西黒尾根」部分が丸被りです。なので最初は厳剛新道登山口から行こうかと思ってましたが、そちらは極端に歩く人が少なく、暗い時間帯での熊との遭遇を想像したら怖くなってやめました。

 

5:10樹林帯を抜けました。夏場はスチームサウナみたいに蒸し暑い西黒尾根の樹林帯が、今日はカラっと湿度低めで快適そのものでした。いつもこうだと無駄に体力も消耗しなくていいのになぁ。それとヘッデンに向かってバシバシ顔に当たる蛾も一匹もいなかった。秋、サイコー!

 

まだ日の出前ですが、周囲は薄ぼんやりと明るくなってきました。

 

今日は谷川岳の双耳峰トマの耳とオキの耳がよく見える。ヤッタ!眺望良すぎて写真ばっかり撮って全然先に進めなくなりました。

 

歩いて来た登山道を振り返ると秋の気配。

 

5:52やっとご来光が来ました。

 

谷川岳の山頂(オキの耳・トマの耳)それとザンゲ岩も朝陽で赤く染まってる。

 

先月歩いた白毛門や笠ヶ岳も今日はよく見えます。(きょうはアッチも賑わってるかな?)

 

ザンゲ岩は髪の毛の部分が茶色くなって、前に手を組んで本当に懺悔しているように見えました。

 

天神尾根が黄葉してます。

 

天神尾根に幾つかのコブが見えるけど、どれが天狗の留まり場かなぁ??

 

7:04肩の小屋着いたー。今日は時間に余裕があるので寄って行きます。

 

肩の小屋前のベンチでオニギリ休憩しました。

 

お尻が冷たいなぁと思ったら霜がついてました。猛暑が続いていたけれど、谷川岳にもようやく秋がやって来たようです。

 

休憩の後は谷川岳山頂のトマの耳・オキの耳。どんな時間帯に行ってもたいてい誰かしらいるのに、奇跡的に山頂が無人でした。

 

何度見ても惚れ惚れする絵画チックな主脈の山々。2017年に紅葉のピークに来た時はあの縦走路の稜線が真っ赤に染まってました。・・・ということは、今年の紅葉のピークはこれからってことなのかな?

 

気になるのが、茶色く枯れてしまっている樹木が多いこと。これはもう紅葉が終わったということかなぁ?それとも猛暑の影響で紅葉前にこうなっちゃった??先月、馬蹄下山時に立ち寄った「谷川岳山岳資料館」のおじちゃんが「今年は猛暑で草紅葉になる前に枯れちゃった」と言っていたのを思い出しました。

 

一ノ倉沢岳から茂倉岳

それでは、どんどん進みます。向こうに見える鳥居は山開き神事を行う奥の院です。さくや姫様が祀られているそうです。(←7月の谷川岳山開きに参加したとき知りました)

 

8:17一ノ倉沢を上から覗き込む「ノゾキ」も、きょうはバッチリ見え過ぎて足がすくむぅぅぅぅ。

 

「憶出の碑」何度かここを通っていますが今回初めて気が付きました。昭和28年11月3日Bルンぜにて新雪のため遭難。22才と23才・・若すぎる。残されたご家族がその後どんな気持ちで過ごされたのかと思うと心が締め付けられます。今はこうして大好きな山を眺めながら登山者を見守ってくれているのかな。

 

次に登場したのが一ノ倉岳です。ここまで歩いて来た足腰にこたえるなかなかの登り。個人的な感覚では、これを越えればもうその先には、それほどキツめな登りは無い印象。ここはよく滑る蛇紋岩が頻繁に登場するので結構気を遣います。

 

谷川岳方面を振り返り。オキの耳・トマの耳の向こうにチョコンと肩の小屋が見えました。こうしてみると、ホント凄い地形だなぁ谷川岳って。

 

8:54約1ヶ月ぶりの一ノ倉岳。カマボコ型の建造物は遭難の悲劇を繰り返さないよう願いを込め谷川岳警備隊の手記を出版した「この山にねがいをこめて」の収益金で、昭和38年に群馬県警察本部によって造られた避難小屋です。それから長い長い月日、たくさんの登山者を守って来ました。

 

その避難小屋の横に笹に埋もれるようにして遭難という文字と共に先ほどの碑とは別の二人の名前が刻まれた慰霊碑がありました。

 

一ノ倉岳から茂倉岳へは開放的な草原のようになっていて、なにげにお気に入りの場所。

 

ここからの眺めもなかなか。

 

9:32茂倉岳山頂に着きました。

 

先月はガスでまったく見えなかったオキの耳・トマの耳、そして肩の小屋まで今日は見えます。茂倉岳で2回目のオニギリ休憩。土樽駅には15時24分までに着けばいいので、ゆっくり休憩してもまだまだ余裕・・・というか、逆に余裕あり過ぎな気も・・・。

「うーーん、土樽駅に早く着いても周辺には何も無いから駅でボーッと待つしかないね」などと話しているうちに「もしかしたら今から急いで下山すれば12台に間に合うんじゃない?」と前回とまったく同じ流れになってしまいました。人間って同じ過ちを繰り返す生き物なんですね(遠い目)。

 

茂倉岳から土樽駅(恒例の土樽ダッシュ)

9:40というワケで、予定より休憩を早めに切り上げて下山開始!茂倉岳から少し下ると2022年秋に大改装したばかりの茂倉岳避難小屋がありました。

 

時間無いからスルーしようと思ったけれど好奇心に勝てず中を見学。以前の茂倉岳避難小屋は清潔感があって古い印象は無かったから今回の大改装は意外な気がしました。豪雪地帯の宿命で、パっと見ではわからない痛みが出ていたのかもしれないですね。

 

以前は小屋とは別棟だったトイレが小屋内に造られてました。これなら雨の日にトイレの度に濡れなくて済みそう。

 

少し下から見上げた茂倉岳避難小屋です。

 

茂倉避難小屋を過ぎた辺りから何やら紅葉が鮮やかになってきました。

 

歩いて来た道を振り返ると、まぁ!なんてことでしょう!稜線の斜面が綺麗に色づいていました。

 

けれどのんびり紅葉を愛でている時間がありません。悲しい。

 

目の前の山も鮮やかに色づいてます。ちょうど紅葉のピークだったんでしょうか?

 

矢場ノ頭です。腰を下ろして紅葉を眺めながら休憩したいとこですが、鼻息荒く先に進みます。

 

こんな綺麗な紅葉の小道も急ぎ足。

 

稜線の紅葉も見納めなのに急ぎ足。

 

樹林帯に突入!この頃になると、前後のハイカーさん達も12時32分発の列車を目指しているのか、ほぼ全員必死の急ぎ足。これを逃したら次は3時間後だから、なんとしても間に合いたい!ところがこの樹林帯がまた歩きにくいのなんのって。大きなクロベの木が登山道にはり出していて、その幹をいくつも乗り越えなきゃならないのです。

 

メルヘン世界のような黄葉のトンネルもありましたが、当然のように土樽ダッシュで通り過ぎます。

 

やがてよく滑る粘土質な道をお助けロープを掴みながら下りに下ると・・・どうやら登山口に到着したようです。

 

ここからは舗装路をただひたすら土樽駅を目指すだけですが、単純な道なハズなのに土樽駅の場所がいまいちわかりにくいです。途中に一個所だけ指導標は確認できましたが、駅の近くにも作ってくれると助かるなー。

 

ちょっと迷いながら、土樽駅到着!なんとか12時32分の列車には間に合いました。

 

駅の自販機で買ったコーラが最高に美味しかったです。

 

その後は列車に揺られて(車窓はほぼトンネルの中でした)、土合駅に到着。土樽→土合だと、あのモグラ階段を上らなくていいのが良かったです。そしてぷらぷら歩いて谷川岳インフォメーションセンターの駐車場に戻りました。

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