【インド】温泉マニアに行って欲しい「湯めぐりが楽しいインドの温泉街マニカラン(Manikaran)」

 

意外かもしれないですがインドにも温泉街があります。それもマニア向けの浴場密集温泉街です。それがここインド北部の「マニカラン(Manikaran)」です。

 

マニカランはコンパクトな温泉街の中にいくつもの男女別共同浴場や宿の風呂、鄙びの湯小屋、巨大な大露天風呂、そしてなんと家庭にも浴槽を持つお宅があり温泉を引いているという、ジカ・ジモ・共同浴場大好き温泉マニアさんにおすすめの温泉地です。

マニカランの位置をGoogleマップでみる

マナリ(バシスト村)からマニカランまでローカルバスでの行き方

このページではインドの温泉天国「マニカラン」を、たっぷり紹介します!
 
 

マニカランの町はどうなってる?

マニカランは周囲を険しい山々に囲まれた自然豊かな小さな集落です。轟音を響かせながら雪どけ水が激しく流れるV字渓谷(日本でいう黒部峡谷のような)に沿って形成された温泉場で、日本では知られてませんがインド人には人気の観光地です。細い路地には所狭しと土産物屋、食堂、宿泊施設が立ち並び、ヒンズー教寺院やシク教の巨大なグルドワラが点在します。

 

町はとてもこぢんまりとしていて、バスターミナルから橋を渡ると仲見世のように土産物や飲食店の連なる細い小道が続きます。

 

やがて人々が集うヒンズー教寺院前の広場に出ます。(湯けむりが見えやすい薄曇りの日の画像をどうぞ)

 

ここは地元の人々・観光客・牛・犬が集まる憩いの場所。

 

朝昼晩と井戸端会議するオジサン達がいたり、源泉汲みに来る人がいたり、特に用は無いけれどぷらぷらするだけで、なんとなく楽しい場所。

 

源泉井からモウモウ湯気がたちのぼり、ほんわかと優しい湯の香りに包まれると「ああ温泉場に来たんだなぁ」と実感。源泉井のすぐ後ろは男女別共同浴場です。

 

男女別共同浴場のあるヒンズー教寺院

広場に面したこの階段を上ったヒンズー教寺院内にも男女別内湯があります。(階段を上ったところで靴を脱ぎます)

 

このヒンズー教寺院まわりだけでも、階段上と階段下の二か所に男女別浴室があるんですね。

 

寺院広場からどんどん小道を進むと独自の温泉浴場を持つホステルが多く密集、更に先へ進むと再び土産物店の並ぶ細い小道へ。

 

昔の仲見世を思い出すお土産の数々が懐かしい。シク教の偉い人の後ろになぜか招き猫。

 

どんどんと道幅が狭くなり人々の密集度も絶好調。

 

湯けむりと露天風呂のヒンズー教寺院

ひときわ観光客が密集するヒンズー教寺院です。湯煙がモウモウと立ち上るこの寺院には、なんと露天風呂やブクブク湧出しまくる源泉井もあるんです。シヴァ神様も「わが温泉に触れるがよい」と言っているような言っていないような。

 

それにしても凄い湯けむり。

 

湯煙に包まれるシヴァ神様が勇ましく三又の槍を突き付けた大地からは・・・

 

温泉がドワドワと湧き上がっています。うーん、まさに古いものを破壊し新しいものを生み出す破壊神ならではの構図。

 

境内では豆や米みたいのが入った小袋を売っていて、みんなこぞって源泉井で茹でてました。このあと食べるのかなぁ?

 

牛様も湯気でモゥモゥ。

 

寺院の一角には露天風呂があり入浴中のお客さんもいます。その傍らでは観光客が民族衣装を着て記念撮影というインドならでは光景。

 

巨大露天風呂と岩盤浴のシク教寺院グルドワラ

ヒンズー教を出て仲見世通りをさらに奥へ行くと、マニカランのランドマーク的存在のシク教寺院「グルドワラ」です。

温泉街の路地に面した入口はとても狭く、ここからグルドワラの規模を知る事はできないのですが・・・

 

寺院内に入り長い廊下を進み・・・

 

対岸へ渡る橋まで行くと全体像が見渡せ、その規模にビックリ!人の多さにもビックリ!

 

激流の渓谷を挟むように造られた巨大な寺院施設の圧倒的存在感。怒涛の流れの両側ぜんぶシク教施設。

 

よくこんな激流の両側にこれだけの施設を造ったなー。

 

グルドワラの温泉がとにかく凄いんです。敷地内には男性内湯ひとつ、女性内湯二つの他に温泉熱を利用した岩盤浴もあります。

 

そしてなんといってもコレですよ!どーんと100人は入れそうな巨大露天風呂!もちろん熱々の温泉掛け流し。

 

グルドワラでは礼拝の後に食事のおふるまいもあり、宗教・性別・国籍・カースト問わず誰もが平等に一緒にいただくことができました。

 

おいしいカレー、ご馳走様でした。

 

温泉天国マニカランで温泉巡り

マニカランでは寺院併設の温泉浴場のほかに多くの宿泊施設や商店が独自の浴室を所有していました。

そのほとんどが内側から鍵をかけてプライベートバスとして利用できます。有料で立ち寄入浴OKなところも。

 

その筋の温泉マニアさんが好みそうな湯小屋や個人宅の自家風呂も。

 

入れるかどうかは交渉次第!?

 

マニカランに来て一番驚いたのが浴室の造りです。

 

ご覧ください、この源泉投入システムは日本の共同浴場そのままじゃないですか。温泉文化が長年培われて来た日本ならこのシステムは当たり前ですが、ここはインドですよ!デカバケツに水をため柄杓で体に掛けるインド式お風呂の、あのインドです。各家庭に浴槽無いのが当たり前のインドで、なぜにマニカランだけ局地的にこの充実した風呂文化!?日本の施工業者が裏で糸を操ってる??

 

このマニカランの「温泉マニア的最大の魅力」が徒歩で気軽にいろいろな温泉探索できること。

 

所有者がわからず中を見れなかったこの小屋は下からジャバジャバ源泉が流れ出ていた。今回はあまり突っ込んで探索しなかったんですが、その筋のマニアさんであれば相当数の漁獲高になると思われます。

 

この小屋も怪しい。(なんでも温泉に見える病)

 

マニカランでの食事はインド人向き

マニカランの町には観光客向けの小さな食堂が何軒もあり食事には困りませんでした。ただ観光客がほぼインド人なので、バシスト村のような外国人寄りのピザとかスィーツとかを出すお店は無かったな~。単に見逃していただけかもしれない。

 

インドの庶民鉄板のマサラ系がメインでした。

 

トゥクパやモモなどのチベット系の食事を出すお店もありました。学生さんたちに人気のチョーミンはテーブルに置かれた大ボトルに入ったケチャップをドバドバかけて食べます。地元の子たちは麺が見えなくなるくらいケチャップかけてた。

 

数は少ないけれど野菜やフルーツを売るお店もありました。

 

やっぱりマニカランもインドなんだなぁ

マニカランはハエが多いです。あっちこっちわんわんとハエが飛び回っています。ゴミは一定の捨て場があるようですが、長年体積したゴミが各所で凄いことになっています。まぁ、インドではよく見られる光景。

しかもマニカランは何故か温泉の湯気がモウモウと立ち上る蒸し蒸し熱々の場所がゴミ捨て場になっていて、生ごみが蒸されて臭いのなんのって。あえてそういう場所に生ごみ溜めて肥料でも作ってるのかなぁ?

虫繋がりで、町は1700mの高所にあるためか一度も蚊に刺されなかったので油断していたら、お風呂に入っている最中にアブに噛まれてしまいました。痒いし痛いし腫れるし参った。

 

野良牛も多く道は牛の糞だらけ。牛糞の多さはバラナシと双璧くらい。この辺はやっぱりインドなんだなぁ。

 

マニカランでもやっぱりATMは動かない

温泉天国マニカランが気に入りできるだけ長くいたい気持ちもありますが、それを阻む問題が・・・。そうですマニカランでも「手持ちの現金が足りなくなる(バーダーミ)」の悪夢再び。

訪問した2019年時点、山間の小さな集落マニカランではほとんどの商店やゲストハウスの支払いは現金のみでカードは取り扱ってません。そしてインドの田舎のお約束「ATMあるけれど、ずーーっとシャッターが閉まったまま」です。

地元の人に聞くと「あれは動かない」とのことで、わざわざバスで2時間かかるパンターまでお金をおろしに行くらしいです。でもインドのこと、そのパンターのATMも100%稼働しているかといえば怪しいものがありますね~。

ちなみに外国人観光客の多い隣町のカソールのATMも「あてにならない」らしい。日本人の感覚からするとお金降ろすのに車で2時間も行かなきゃいけないなんて「なんだよ、それ~」ですが、昔からそういう環境下のマニカランの人にとっては、なんてことない日常のようです。そう考えると「ATMが普通に稼働していたバシスト村」ってやっぱり凄いな。

 

インド人の家族旅行・人数が多すぎ問題

このマニカラン、とにかくインド人観光客が多いんです。みんな友達同士や家族単位で押し寄せて来るから(平均5人、多くて十数人)、ダブルの部屋に5人・6人で泊まるなんてことは当たり前。むしろ2人だけで一部屋利用なんて「はぁ?」という感じのようです。しかも一部屋じゃ足りず二部屋利用も当たり前。

で、ダブルの部屋を5~6人って、どうすんの?と思ったら、ベッドに乗り切れない人は床に毛布なんかを敷いて寝るらしいです。夏とはいえ朝晩は冷えるのに寒くないのかな?寒くなったら温泉に入るからいいのかな?

 

ハイシーズンのマニカラン・ゲストハウス少なすぎ問題

マニカランは観光客の数の割にはゲストハウスや飲食店が少なく、特にお客さんの集中する金・土の夜には、宿泊できずに彷徨うグループがいくつも発生していました。ゲストハウスが確保できなかった人はグルドワラやヒンズー教寺院でお世話になるのかなぁ?

今回訪問した6月下旬はハイシーズン中のハイシーズンらしくゲストハウスの室料も倍くらいに跳ね上がるとのこと。

 

マニカランのベストシーズン

今回はインドの真夏にあたる6月の訪問でしたが、標高1700m位に位置するマニカランは、昼間は陽射しがやや強いものの暑いということはなく、日が沈むとガクっと気温が下がり夜は毛布が無いと寒い位になりました。

そして上記でもチラっと書きましたが、訪問した6月下旬は1年で最もハイシーズンでゲストハウスの室料も桁違いに跳ね上がる時期だったようです。例えば普段なら500ルピーの部屋がこの短期間のみ800ルピー!

マニカランの人も「今はとにかくインド人観光客が押し寄せて来る時期だからズラした方がよかった」と言っていました。ただ、インド人ってとても無邪気で気取りが無くて、楽しいことは他人の目を気にせず表現する明るい性格なんで、一年にそうあると思えない家族旅行で大はしゃぎするインド人ファミリーと接することができて、こちらまで楽しい気分になれたのはよかったです。

じゃあマニカランを訪問するのはいつがいいかというと、気温が20℃くらいで過ごしやすくインド人観光客も少ない8月・9月だそうです。

 

冬の12月から2月はとにかく寒く毎日温泉にばかり浸かっているそうです。しかも冬季はV字渓谷に挟まれたマニカランの地形柄、日照時間が極端に少なくなるようで「11時30分頃ようやく山から日が射して13時30分頃にはもう山の向こうに太陽が隠れてしまう」と言っていました。寒い冬に温泉でほっこりも湯治文化に慣れ親しんでいる日本人には魅力だけど。

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