【タクトクゴンパ・お祭り直前】インド・ラダック

北部インドのラダックに滞在した約1ヶ月の間にバイク(スクーター)を3回レンタルしてレー周辺のゴンパ(チベット仏教寺院)や近郊の村などを訪問しました。

レンタルバイクで巡った所

[1回目]サブー村(鉱泉見学)/ティクセゴンパ/シェイゴンパ
[2回目]へミスゴンパ/ウプシ(鉱泉探し)/タクトクゴンパ/チェムレゴンパ
[3回目]タクトゴンパ(お祭り)

このページではタクトクゴンパを紹介します。

スクーターでタクトクゴンパへ

2019年8月5日

観光客で大賑わいのへミスゴンパの後は「鉱泉が湧いているかもよ?」という不確実な情報を自分で確かめようとウプシまでスクーターで行ってみました。地元の人やインドアーミーの兄ちゃんたち10数人に聞き込みするも「無いよ」「鉱泉?聞いたこと無いよ」と不発に終わって、ションボリしながら次の目的地「タクトクゴンパ」へ向かいました。

タクトクゴンパは険しい岩肌に造られた僧院で、その一部は洞窟がお堂になっているらしく「それは楽しそう」と訪問を楽しみにしていたところです。

 

その途中で見えるフォトジェニックなチェムレゴンパには後ほどお邪魔します。

 

タクトクゴンパへ誘う荒野のまーーーっすぐな一本道。

 

道は途中から細めの上り坂になって「おいおい、この馬力のないスクーターで行けんの?」と不安になる頃・・・

 

どうやら集落入ったのかな?

 

人は見かけないけれど、なんとなく誰かが住んでいる空気を感じながら、さらに小路を進むとタクトクゴンパはありました。

 

タクトクゴンパ(オールド)は無人で扉も開かず

ちょっと奥の方にあった駐車スペースにスクーターを停めてタクトクゴンパへ向かいます。それにしても観光客はおろか村人も誰ひとりいないなぁ。野良犬すらいない。

タクトクゴンパをGoogleマップで見る

 

タクトクゴンパの中に入ると受付らしき場所は無人で、本堂など全ての扉が閉まっていています。こういう場合はゴンパに誰かいれば鍵を開けて中を見せてくれたりするんですが、どういうわけかまったく人の気配がありません。「・・・やっちまったかな?休館日に来ちゃったのかな?」

 

トイレだけは使えたので助かったーー。

 

タクトクゴンパ(ニュー)お祭り準備の真っ最中

再び外の通りに出ると奇跡的にオジサンが歩いていました!聞くと「人なら新しい方にいるよ」とのこと。教えてもらった「新しい方」はコチラでした。道路を挟んだすぐ近くの新しめなお寺です。

 

ちなみにオジサンは私達のいたタクトクゴンパのことは「オールド」って言ってました。もしかしたら、タクトクゴンパには昔からのオールドゴンパと、新しいニューゴンパがあるのかなぁ??それぞれの距離はホントに目と鼻の先すぐ近くです。

 

門をくぐると中庭には何か行事でも行うのかテントの骨組みが組まれ、大量の椅子が積まれ、本堂のあちこちでは儀式に使う道具の手入れの真っ最中でした。

 

聞くと5日後に開催されるお祭りの準備とのことです。

忙しそうだしそのまま帰ろうとしたら「待って、待って、案内するから見学していって」と、ありがたいお言葉。近くにいたグループの中で一番若めなお兄ちゃんが案内してくれることになりました。(でもさすがにオールドゴンパも見せてくれってのはお願いできなかった)

 

豪華絢爛、鮮やかな本堂です。思わず「おおっ凄い、竜宮城みたいだ」と意味不明な感想が口から出てしまいました。「写真は撮っていい?撮っちゃダメなとこある?」と聞くと大丈夫ということなので遠慮なく。

 

本堂に祀られている仏像や展示物をひとつひとつお兄ちゃんが丁寧に説明をしてくれます。ところがチベット仏教にまったく疎い私達、ただただ「なるほど」「ほほぅ」と、よくわからないまま頷くだけ。チベット仏教って馴染みのない専門用語が多くてホント難しい。

 

本堂のど真ん中に祀られているのは、タクトクゴンパに所縁のある伝説の高僧グル・リンポチェ(パドマサンバヴァ)です。チベット密教を世に広めたニンマ派の創始者で、遥か古の時代にダライ・ラマ法王が亡命する未来を予言した人物として超有名らしいです。

 

お堂にはお祭りに使用するというお面、衣装、小道具などがズラリと並んでいます。

 

どのお面も新しいのか、保存状態がいいのかキレイでピカピカ。

 

やけにツヤがいいけど、まさか毎年作り直してるわけじゃないよね??(お兄ちゃんに聞けばよかった)

 

これはグル・リンポチェ(パドマサンバヴァ)かな。

 

お兄ちゃんに「あなたも出るの?」って聞いたら「出るよ!」だそうです。こりゃー数日後にタクトクゴンパ再訪決定。

 

本堂の見学が終わったところで中庭に移動してバター茶をご馳走になりました。

 

ゴンパに行くとバター茶やお菓子なんかをふるまってくれるところが多いです。

 

案内してくれたお兄ちゃん。タイミングよくキッチンから男性が出て来て「おっ!?」となってます。

 

「ぜったいイケメンだ!サングラスとって!」とお願いすると、やっばりイケメンでした。キッチンから出て来た男性もつかまえて一緒に。なんだか二人は顔が似ているなぁ。「兄弟?」と聞いたら全然違うらしい。

 

お兄ちゃんが連れて来たカワイイわんこ。

 

案内してくれたお兄ちゃん達グループです。今どきの気のいいアニキたちでした。お兄ちゃん達は今日はもう帰るそうです。レーの中心地に帰る途中で車に乗ったお兄ちゃん達を見かけたのでタクトクゴンパに住んでるワケじゃないみたい。どこから来たのかな?お祭りの演者としてヘルプに来たのかも。

 

やっと見れたタクトクゴンパ洞窟のお堂

数日前に訪問した時は、扉が閉まり見学できなかった洞窟のお堂がある(オールド)タクトクゴンパです。今日は新しい方のお寺でお祭りが開催され、世界各国から大勢の観光客が集まる日。「さすがに今日は開いてるだろー」と、お祭り鑑賞の後に寄ってみました。結果は・・・案の定開いてました!やった!前回は気が付かなかったけれど、階段に鉢植えが並んでいます。

 

上の崖にも鉢植えっぽいものが。

 

ほほぅ、ここがチベット密教の開祖グル・リンポチェ(パドマサンバヴァ)が瞑想したといわれる洞窟を利用したお堂かーー。(実際に瞑想したのはこの更に奥らしいです)

 

ちなみに「リンポチェ」ってラダックに来るまで「???」だったんですが、付け焼刃で調べたところ、観音菩薩や阿弥陀如来の化身として崇められる高僧とのことだそうです。グル・リンポチェは特にブータンで熱狂的に支持されているらしいです。(だからグル・リンポチェ像の前にブータンのお札が置かれていたのかぁ・・)

 

上には無数のお札やコインが貼り付けられています。「どうやって貼ったんだろ??」よーーくみると、天井や壁は掃除を15年くらいしていないガス台みたく油っぽく黒光りしてヌメヌメして見えます。おそらく長い年月燃やした燈明の煙から立ち上った油でこうなったと勝手に推測。

 

ゴンパでときどき見かける剥製がありました。これはアイベックスの首だけ剥製。どれくらい昔の剥製かはわからないけれど、毛や皮の崩れ加減が年月を感じます。スピティのゴンパではユキヒョウの剥製がぶら下がっていてビビりました。

 

お釈迦様を守るように二本の柱に置かれたお面が睨みをきかせてます。日本の仁王像みたいな役目かな?背後に保管されているのは経典??こういう時にガイドさんが付くツアーとかは強いよね。

 

なかなかの迫力。

 

こちらも負けてはいません。

 

お布施いっぱい。大衆演劇のスターみたいになってた。

 

タクトクゴンパは壁画も見ごたえあります。

 

チベット仏教で見られる男女の抱擁を描いたヤブユムがありました。

 

ヤブユムを見かけない寺院もあるので、宗派によって違うのかな?

 

これは鳥葬の様子かな。生々しい。

 

真ん中の人がグル・リンポチェ(パドマサンバヴァ)だと思います。

 

燈明がいっぱい置かれたお部屋。

 

気が遠くなるような長い年月、あの洞窟でたくさんの燈明が灯されて来たのかな。

 

外に出てみると眼下に緑豊かな景色が広がっていました。閉鎖的で薄暗い寺院内と、光溢れる開放的な外の景色とのコントラストが素晴らしいです。

小さな集落の静かなタクトクゴンパ。他の人気ゴンパに比べて訪問するお客さんは少ないけれど、とても心に残るゴンパでした。

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