2019年7月ラダック観光の目玉、パンゴンツォ(パンゴン湖)にレーからローカルバスに乗って一泊二日で行ってきました。
荒涼とした山岳地帯に囲まれたパンゴンツォは、三分の一がインド、三分の二がチベット(中国)の実効支配線に位置するという、軍事的緊張のど真ん中に位置する湖です。そんな人間達のゴタゴタをよそに、高い山々に守られるようにパンゴンツォは、ただただ静かに青く澄んだ水を湛えていました。
出発の前日にレーのバススタンドでパンゴンツォ行のバスを予約
訪問当時「パンゴンツォ行きのローカルバスは前日に予約する」というのが旅行者の間で定説となっていました。というわけで私達も前日にバススタンドまで予約に行ってきました。
場所はお馴染み、レーのバススタンド(NEW BUS STAND LEH)です。
同じような建物が二つ並んでますが、パンゴンツォへのバスチケットは向かって左側の建物で購入しました。ひとり292ルピーでした。
→レーでローカルバスのチケット購入した場所をGoogleマップで見る
移転していなければだいたいこの辺。Googleアースに切り替えた方がわかりやすいと思います。
2019年7月当時のスケジュール表です。スケジュールはちょくちょく変わると思いますが、こうしてわかりやすい掲示があるのは助かります。最新のスケジュールは現地確認してください。
レーを出発したローカルバスは[レーからパンゴンツォへ]→[パンゴンツォ到着]→[現地で一泊]→[翌朝レーに戻る]というスケジュールでした。
帰りのバスはパンゴンツォ到着時に「明日の朝帰るからバスの予約よろしく」とドライバーさんに声掛けして、翌朝の乗車時に運賃を払いました。帰りはひとり300ルピーでした。
レーからローカルバスでパンゴンツォへ
2019年7月23日
パンゴンツォに出かける朝です。昨日予約したローカルバスが6時30分にチケット売り場の前あたりから出発なので、久々に朝早く起きてレーのバススタンドへ歩いて向かいました。
昼間は暑い7月下旬ですが、さすが標高3500mのレーの街、朝はひんやり肌寒い。一泊二日なのでレーでお世話になっているホステルの部屋はそのまま借りっぱなしです。
どのバスがパンゴンツォ行きかわからなかったんで、その辺にいるオジサンに聞いたらこれだそうです。なにやらバスをゴソゴソしてる。大丈夫かなぁ?バスの運転席から煙を吹いたジャルガウンの苦い思い出が・・・。
6時40分バスは特に問題なかったようで無事出発しました。バスはほぼ満席に近い状態で、三分の一が観光客、三分の二が地元の人や仕事の人という感じでした。
カルーで朝食休憩と1回目のパーミットチェック
ちょっと走ったカルーの町で朝食休憩を兼ねた長めの停車。カルーはレンタルバイクでゴンパ巡りの最中にランチで立ち寄った町です。今朝はまだお腹が空いてなかったんでチャイだけにしました。
8時45分休憩の後は1回目のパーミットチェックを受けます。質問内容は「どこから来たの?」「日本です」たったこれだけでした。
ちなみに、ここから先のチェムレゴンパやタクトクゴンパをバイクでウロウロしていた時は一度もチェック等はありませんでした。あくまでも、さらに先の国境近くに行く人が対象なのかな??
荒涼とした山々を背景に畑の緑と要塞のようなゴンパ。ラダックならではの良い景色。レー→パンゴンツォは左手に景色が広がるので、座席は断然左側がおススメ。
まだアスファルトの乾いていない道路。なるほどー、こうして石を置いておけば誰も通らない。
バスは乾いた山岳道路を進みます。
横を見れば谷を開拓したパッチワークのように美しい集落。
谷の村の向こうに雪をかぶって連なる山々が見える。心に残る良い景色。
ここからバスは標高5000m越えのチャンラ峠に向けてグングン標高をあげて行きます。
↓訪問当時(2019年7月)の道路状況を動画でどうぞ。帰路で撮った下りの様子です。(50秒)
標高5000m越えチャンラ峠
10時45分チャンラ峠です。ここでちょっと観光休憩です。
チャンラ峠はレーからパンゴン湖(パンゴンツォ)に抜ける山岳道路の峠で、車で通行できる道路の何番目かの高所らしくラダックでわりと有名な観光名所になっているらしい。日本で言う志賀草津高原ルートの「日本国道最高地点」みたいな感じでしょうか。
記念碑(トイレや軽食コーナー)があるのは、さらに上の建物が見えるところで、どうやらあそこは混んでてバスが停めにくいかなんかで「行きたい奴は後で回収すっから歩いて行きやがれ」ってことで数人のインド人兄ちゃんがトボトボ歩いて向かってました。
その他の人はその辺で立ちションしたり(まぁそうなるわな)、雪の上で遊んだり、ぷらぷらさまよったりしています。足元にはかわいいピンクの花が咲いていました。
こちらが峠部分。自力で向かった兄ちゃんたちを回収してとっとと先に進みます。
もちろんインド軍の施設もありますよ。
チャンラ峠の山岳道路は高山植物の宝庫
再び走り始めるバス。
山肌には見たこともない高山植物があちこちに咲いていて「うわーー近くで見たり写真撮りたいなぁ」と思っていたら、その願いはすぐに叶いました。
乗客の誰かがトイレに行きたくなったのか、車酔いしたのか理由は不明ですが再び道端停車。野トイレしてる人がチラホラいたから、トイレ停車かな?
みんなが野ション野グソをしている間に高山植物をじっくり鑑賞。
見たこともない高山植物があちこちに咲いています。
これは日本でも似たのを見たことある。最初は眺めるだけだったインド人も一緒に撮り始めた。
工事で足止め・河原にも高山植物がいっぱい
チャンラ峠をぐんぐん下ると美しい清流沿いに出ました。(あんな綺麗な川でちょっと遊びたいなぁ)と思っていたら、その願いはすぐ叶いました。
・・・おっ!?どうやら前方で道路工事をしていて通行止めになっているらしいです。
しばらく時間がかかりそうだということで、もちろん河原に行きましたよ。河原にもお花がいっぱい!大興奮!
見たこともない不思議な形の黄色いお花。
これはなんだろう?
フウロだ!フウロだ!フウロは日本と一緒だ!
石積みチャレンジのお兄ちゃん。インド人は石積みが好きみたい。絶妙バランスでけっこう上手い。そうこうしているうちに工事は終了、結局40分くらいの足止めでした。
2回目の食事休憩とパーミットチェック
13時25分小さな村でようやくお昼ご飯休憩です。
朝はチャイ一杯だったからめちゃめちゃ腹ペコだったんで、美味しくいただきました。
ランチの後は2回目のパーミットチェック。
その後はマーモットがチョロチョロ走り回る岩がちな草原や、谷を流れる細い渓沿いの道を走ります。すると・・・
おっ!?
おおおっ!?
どうやらパンゴンツォに着いたらしいです。乾いた山々の間に青く澄んだ宝石のようなパンゴンツォが見えて来た時は感動したなぁー。
途中途中に湖畔のグランピングリゾートみたいなのが点在していて、気に入った所があれば好きな所で降りていいみたいだけれど、ほとんどの乗客が終点まで乗ってました。
ローカルバス終点スパンミック村到着
16時ようやくローカルバスの終点「スパンミック村」到着です。
約9時間の行程、疲れたなー。お世話になったドライバーさんお疲れ様です!終点のスパンミック村は畑がポツポツと点在し牛を飼うとても小さな集落でした。聞くと人口は(2019年7月下旬時点で)22人ってことです。
パンゴンツォが目の前のグランピング施設に宿泊
ドライバーさんはバスの停まった目の前にあるホステルに泊まるとのこと。「ここは安いよ一緒に泊まるかい?」と聞かれたけど「私達はここに一生に一度しか来れないかもしれないから、奮発して湖が目の前の所を探すよ」ということで、ドライバーさんとはここでしばしのお別れ。同じようなテントが立ち並んでどの施設がいいかまったくわからなかったので、とりあえず湖畔に向かって歩いてみました。
数軒当たってみようと思っていたけれど、結局バスの長距離移動で疲れちゃって最初に立ち寄った「Pangong Heritage Camp」で即決しました。
テントを利用した快適で清潔な施設で、いわゆるグランピング施設ってとこですね。宿泊した感想は次の記事で詳しく載せます。
今晩の宿も決まったことだし、荷物を置いてさっそくパンゴンツォ散策に出かけてみます。
つづく。