アンコール遺跡見学2日目。今日はシェムリアップの中心地から近い、アンコールワットの朝日鑑賞とアンコールトムを見学します。
前回までのおさらい。
アンコールワットは寺院
アンコールトムは都市の跡地
私はどちらも寺院名かと思い込んでいたので、この事実を知った時は「アンコールトムって寺院じゃなかったのぉぉ!?」とかなりビックリしました。ちなみにトムってクメール語で「大きい」という意味なんですが、実際アンコールトムは広く見どころ満載で、たった半日で見学するにはかなり無理がありました。本気で見学したら3日券なんて軽く吹っ飛びますよ。そこはそれ時間の無い旅行者なんで、無理やり半日に端折りましたが。
遺跡見学2日目のこの日は、アンコールワットの朝日鑑賞をすることにしました。朝早く起きるのが大変そうで最後まで「どうしようか」と考えていたんですが、まぁせっかくシェムリアップまで来たことだし、かの有名なアンコールワットの朝日を見てみよう、とトゥクトゥクのソファールさんにお願いました。
この日のトゥクトゥクチャーター代はスモールサーキット$15+アンコールワットの朝日鑑賞$5也。
アンコールワット内部の見学は明後日予定しているので、今日は朝日鑑賞だけです。(・・のハズだったんですが)
この日の迎えの時間は4時40分!夕方じゃないですよ、朝の4時40分です!(うひゃ~~っっ)このへんのくだり(当日早朝のチケット購入など)については前々回の記事をドーゾ。
この日はホステルで朝食が食べられないので「お腹が空いたら食べなさい」とパパさんが軽食パックを持たせてくれました。
当日の朝を時系列に並べると、
4:40ホステルから出発
5:00チケットセンター到着
5:15チケット購入完了
5:30アンコールワット到着
こんな具合でした。
アンコールワットの駐車場に到着すると、朝も早よからいるわいるわ、観光客がうじゃうじゃと。駐車場には大量のトゥクトゥクが停まり(帰りにソファールさんを見つけられるかなぁ?)と心配したけれど、ソファールさんの方がすぐ見つけてくれて全然大丈夫でした。トゥクトゥクの運転手さんにとっては、こんなの毎日の事で、大勢いる観光客の中からお目当ての人を見つけ出すコツみたいなのを習得しているのかもしれないですね。
さぁ、ここからが勝負ですよ!
大量に押し寄せる観光客を蹴散らして、アンコールワットの朝日が綺麗に見える撮影ポジションをキープしなきゃいけません。家の場合は撮影にはこだわってないんですが、それでもやっぱりいい場所をキープしたくなるのがアンコールワットってもんです。
撮影ポイントは大きくわけて二か所あり、ひとつが大定番のアンコールワット敷地内に入り表参道を挟んだ両側にある池。この左側の池(土産物エリアのある方)が、アンコールワットがバランスよく近くに撮れる一番の有名ポイント。実際に行ってみると池にアンコールワットが綺麗に写り、まさに「鏡アンコールワット」状態でした。そのためかアンコールワット内部へ続く浮橋には、暗闇の中ぞろぞろと連なって歩く観光客の大群が見えます。その数、数十・・いやもしかしたら数百!?
「無理、無理、無理、あんなところに行ったに人だらけでロクな画像が撮れないよ~。」
というわけで大混雑が予想されるアンコールワット内部は早々に諦め、第二ポイントのお堀の外側をキープすることに。こちらは駐車場のすぐ近くにあるにもかかわらず、多くの人が浮橋を渡ってワット内に行ってしまうので、意外にもそれほど人は多くありません。それでも既に数十人はいましたが、範囲が広いんで人がばらけてます。
ここでのベストポジションは、現在工事中の西参道橋の代替えとして使用されている浮橋の左側。実際に現地に行って景色を眺めるとわかるんですが、ワットの五本の塔すべてがシンメトリーにバランスよく並んで見えるポイントがあるんです。ただし見える範囲には限りがあって、ポイントからずれ過ぎると、たちまち塔のバランスも悪くなるという。一番いいのは浮橋から西参道橋に向かってちょっとだけ歩いたところですかね。バシッと五本の塔がシンメトリーに並んで見えるポイントがわかると思います。(※西参道橋工事終了後に浮橋が撤去された後は、西参道の右側が撮影ポイントってことになります)
さて、いよいよポジションキープですが、ベストポジションがポッカリと空いていたので腰を下ろすと、誰かが後ろから棒のようなものでお尻を突っついてきて
「そこは私の場所だよ!」と叫んできました。
振り向くと、欧米のお婆ちゃんが少し後ろの方でカメラを構えて立っていました。どうやら、そのお座りポイントのやや後ろから写真を撮りたいので、そのポジションに誰かが座っては困る、という事らしいのです。(普通に言ってくれれいいのに、何もそんなに怒らなくても~~っっ)と思いましたが、この瞬間のために遠路はるばるアンコールワットまでやってきたカメラ派の人達にとっては、これは遊びじゃなく真剣勝負なんだと思います。
私達は少しずれた場所が空いていたんで、そちらに移動。無事に場所をキープすることができました。その後もお婆ちゃんは、前に来る人を次々と棒で突っつき怒鳴って追い払ってました。
さぁ、いよいよ夜明けです。夜明けを待っていたかのように鳥たちの鳴き声が響き始めました。
やがて空がオレンジ色に発光を始めました。それまでザワザワとした人々の話し声が止み、静かな空間に鳥たちの声だけが響きます。
みんな一斉にカメラやスマホを向けます。
誰もが言葉を失うひとときです。
やがて空の発光は一段落し、観光客がバラけはじめました。トゥクトゥクに乗り次の遺跡へ移動する人、アンコールワットの境内に入る人。
まだ朝焼けの余韻に浸り、じっとアンコールワットを見つめたままの人達も。
私達は、朝日を見た後はアンコールトムに移動する予定でしたが、もう矢も盾もたまらず気が付いたらアンコールワットの中に。
テレビの中だけの遠い存在だったアンコールワットがいま目の前にあります。・・・凄い。
一番人気の撮影ポイント、左側の聖池にも行ってみました。おおっ、案の定大勢の人。
丁度アンコールワットの塔から太陽が顔を出すタイミングでした。
人が多すぎて撮影するのも大変。
凄い人混みの中、まったく動じず寝ているワンコには驚きました。もう毎日のことなんで慣れっこなのかなぁ。すぐ横に並ぶ売店では盛んに呼び込みをし、この池の前だけはお祭り騒ぎとなっていました。
アンコールワットは朝日ついでにちょっと見に来ただけだったんで、早々に切り上げようと思っていたんですが・・
気が付けば第三回廊まで上り、
ぐるっと一周。
第三回廊では何やら行事の準備をしていました。
そして第一回廊の壁画を全て見て回っていたという。
帰りに再び通った、絶大人気の撮影ポイント「左側の聖池」、太陽が昇り切った後ではガラーーーン。・・・誰もいない・・。寝ていたワンコも(暑くて)いなくなっていました。
「サンライズだけ見て戻るね」とトゥクトゥク運転手のソファールさんに言っていたのに、結局駐車場に戻ったのは3時間後。「さすがにムッとされるかなぁ?」なんて思ってたんですが、私達を見つけると満面の笑みで迎えてくれて、しかも「暑いですか?」と、冷たい水のペットボトルをサっと出してくれるこの気遣い。なんだかホント、申し訳なかったです。
しかもこの後、全ての遺跡で見学時間を超オーバーしまくり、ソファールさんは「待ち地獄」を味わうことに。内心「やばいお客に当たっちゃったなー」なんて思ってたりして。