種池山荘テント場(名物・熱々ピザと爺ヶ岳ご来光)

このページでは北アルプス爺ヶ岳山頂下に位置する「種池山荘テント場」を幕営利用した様子と翌朝の爺ヶ岳ご来光などを紹介しています。

種池山荘テント場データ

2024年度も引き続きテント場は特定日予約制(web予約あり)
山小屋予約5月15日午前10時~/テント場予約6月3日午前10時~
→予約や登山道状況は「種池山荘公式サイト」をご覧ください
テントひとり2000円

幕営利用しました

[2023年8月]ひとり2000円(水1リットル無料)・トイレ1回200円以上
[2022年9月]ひとり2000円(水1人1リットル無料)・トイレ1回200円以上

 

種池山荘テント場の予約はオンラインで

先ずは何はさておき予約です。2022年の種池山荘の宿泊は完全予約制、テント場は週末などの特定日のみ予約制でした。予約や埋まり具合の確認を「冷池山荘・種池山荘・新越山荘の公式サイト」からできたのはとてもありがたかったです。

混雑具合が気になってシーズンはじめ頃から予約状況を時々見ていたんですが、秋の連休など人気の日は早々に埋まるものの直前キャンセルも多い印象で「昨日は満席だったのに今日見たら空いていた」なんてことがよくありました。

 

種池山荘テント場 2023年8月(お盆)

2023年8月のお盆に再訪しました。変化があったこと、今回わかったことなどを追記します。

 

去年は受付数をセーブしていたテント場ですが、種池山荘の公式サイトに「テント張り数はほぼ例年における適正数に戻しました」と記されていた通り、フルに近い状態でした。ただ、しっかりと区画線が引かれているし、訪問時は利用者も静かに過ごされる方が多く、嫌な騒々しさはなかったです。

この前日に冷池山荘のテント場に幕営しましたが、あちらは斜めの部分と尖った石が多く、トイレ(山荘まで)が遠くて個人的にはイマイチでした。その点この種池山荘テント場は全体が平らでトイレも近く快適度満点です。

山荘での充電は小屋の宿泊者専用

今回は2泊3日の行程だったので、2泊目に山荘内の充電コーナーを利用しようとしたところ、小屋の宿泊者専用でテント泊者は利用不可でした。前回は充電を必要としなかったので未確認でしたが、今回わかったので追記しました。

 

種池山荘テント場 2022年9月(シルバーウィーク)

2022年9月24日(土)

今回私達は種池山荘の二代目主人柏原正泰氏が自らの手で開道した「柏原新道」を歩いてきました。柏原新道の長い樹林帯を抜けるとパっと目の前が開け、すぐそこが種池山荘です。まるで扇沢から種池山荘への長い玄関アプローチみたいな感じでした。

 

種池山荘は「柏原新道」と「鹿島槍ヶ岳方面」と「針ノ木サーキット」の三叉路に位置しています。

 

そしてすぐ横には爺ヶ岳南峰がドーンとそびえています。

 

目の前の斜面にはチングルマの花畑、ここに初めて山小屋を建てた人はなかなかいい場所をキープしたなぁと思いました。

 

山荘の前には周囲の山々を眺められるベンチと椅子がありました。昼間はピザ目当てのお客さんも多くてこのベンチと椅子は争奪戦状態でした。

 

なにげに気に入ったのがこの鐘。高山植物の花々や北アルプスと思われる画がデザインされてます。

 

種池山荘の横には名前の由来になったと思われる小さな「種池」がありました。この種池は雪どけの時期に爺ヶ岳に出現する雪形の「種まき爺さん」が種を漬ける池らしいですよ。

 

池をのぞき込むとちょっと大きめのオタマジャクシにも見えるクロサンショウウオがプカプカ浮いていました。ほんの数匹しかいないレアな生き物かと思っていたら結構ウヨウヨいました。

 

ライチョウからのお願い。

 

種池山荘とテント場

種池山荘に到着したら先ずは館内でテントの受付をします。テントはひとり2000円でした。

 

このとき公式サイトにある「宿泊者全員名簿」を印刷し記入して持って行きます。

 

受付を済ませると番号札とひとり1リットルの水の交換チケットをもらえました。なんとこの日の一番乗りでちょっと恥ずかしかった。番号札はテントのわかりやすい所に設置します。夕方以降(結構暗くなってから)スタッフさんが「番号札持っていきまーす」と回収していきました。

 

種池の横の小道を進むとテント場です。小屋とテント場は近いのでトイレや売店に行くのにまったく不自由は感じませんでした。

 

熊に関する案内がありました。爺ヶ岳周辺での熊の話は以前から聞くのでまぁ普通にいるんだなぁと思います。「熊の居住地に人間がお邪魔するんだから居て当たり前」とは10年くらい前に奥会津のご老人に言われた言葉です。

 

テント場です。ひと張りぶんづつロープで仕切られていました。どのスペースに張るかは自由でしたが一番乗りで選び放題となると逆に迷う。それと、あまり早く張ると隣にどんな人が来るかわからないのも悩ましいところ。希望としてはソロの人がいいなぁ。ソロの人は静かだしサっと来てサっと撤収するパターンが多いから。

 

テント場は思ったより広さがありました。ネットでよく見かける狭い場所にテントギュウギュウ風に写ってるのがインパクト大だったんで、もっと閉鎖的で狭くジメジメした所かと思っていたら、青空が映える明るく爽やかないい感じのテント場でした。

 

スタッフさんに「水はけの悪い場所はありますか?」と伺ったところ、テント場の手前半分(種池山荘方面)が雨の時に水が溜まりやすいそうです。前日に大雨が降ったんですが、確かに山荘寄りの特に針ノ木方面登山道側に湿り気が強く残っている感じでした。

 

テント場は樹木に囲まれているので全体的に眺望はいまいちですが一番奥からは爺ヶ岳が見えました。特に奥の樹林帯を背に右から2番目は遮る樹木が少なめでした。

テント場は全体的に奥から手前(種池山荘方面)へ緩やかに下がっていました。これが手前側に水が溜まりやすい原因かな?と思いました。ただホントに気にならない程度の傾きです。土の地面は石もほとんどなくペグも刺さりやすく、あえて整地しなくてもすんなりテントが設営できるくらいでした。

ただ目視ではわかりにくいんですが木の根でモコっと土が盛り上がっている個所があるのでそれは要注意です。最初気が付かず張ってしまいテントの中に入って「あれ?」と気が付きました。

 

今回のお供は久々のステラリッジです。シングルウォールのドームシェルターと比べるとどうしても重さと使用後の手入れが面倒で、ここ最近の使用頻度がめっきり下がってますが、さすがに気温が下がるこの時期だと結露が気になるので久々に引っ張り出してみました。ただ今回の山行に限っては夜間~早朝の空気の肌感でドームシェルターでも結露なくいけたんじゃないかな?と思ってます。

そしてやっぱり今回も虫がたかってきました。他の色のテントには虫がほとんどついてないのに黄色のテントには何故か虫が寄ってきます。虫って黄色が好きなのかなぁ?

 

この日は(数え間違いがなければ)全部で11張りでした。

 

水場とトイレ

種池山荘には自由に汲める水場は無く、受付にて1リットル200円で購入します。テント利用者はひとりにつき1リットルもらえるのはありがたい。

 

トイレは山荘の外トイレを利用します。

 

トイレの背後に鹿島槍が見えました。

トイレに入ると先ずは小便器が正面にひとつあり、その左右に個室があります。個室は昔懐かしの蓋つきボットンでした。トイレットペーパーはありました。使用した紙は便槽内には捨てず横の箱に捨てます。

 

トイレの外には液体せっけんが置かれた手洗い場がありました。(※ここの水は手洗い用なので飲めません)

 

さらにアルコール消毒も置かれていました。

 

種池山荘の売店

種池山荘の売店です。テント受付や名物ピザの注文はここで行います。

 

バッヂはひとつ600円。6番のバッヂを買いました。種池に生息しているクロサンショウウオがデザインされた爺ヶ岳バッヂです。かわいい。

 

Tシャツのデザインは「人生の頂へ 登山道」でした。

 

チラシ寿司のお弁当も販売されていました。

 

種池山荘名物のピザ

種池山荘名物といえば焼きたて熱々のピザです!北アルプスの山中でピザを、しかも焼きたて熱々で食べられるってホント凄いことなんですよ。種池山荘に来たらこれは絶対食べようと決めていました。

 

ピザの注文(1枚1300円)は山荘内の受付で行い、焼きあがるとこの窓口で番号を呼ばれます。

 

ジャーン!本当に熱々焼きたてピザが出て来ました!チーズがフツフツとして一口食べたら「熱ッッ!」となる超焼きたてです。

タバスコもありました。ピザとくればやっぱりコーラ(400円)でしょ。なんだか山の上らしからぬ光景です。熱々ピザは好みの薄いクリスピー生地なのも嬉しかったです。

 

種池山荘到着→テント設営→名物ピザ→昼間の爺ヶ岳散策を一通りこなしたので後は種池山荘のまわりでグダグダタイムです。下山時間を気にしないで好きなだけ山を満喫できるこのひと時が好き。

 

ビール(800円)とコーラ(400円)購入。

 

種池山荘前からの眺めです。ガスがゆっくりと流れて幻想的でした。

 

日本酒(550円)も購入。この後にビール(800円)ももう一本追加でなかなかの出費になりました。

18時の気温6℃です。ちょっと肌寒い。明日は針ノ木や五竜に抜ける人、鹿島槍をピストンする人など様々で19時頃には寝ちゃう人もチラホラいました。

夜にトイレに起きると空にはビックリするくらいの星空が広がっていました。他の人もあまりの星の多さに驚いていました。これまで何度か山でテント泊してますがこれほどの星空を見たのは初めてかもしれません。もしかすると台風の影響で大雨が降った後だから大気の汚れが流れたのかも!?(そんなことってあるのかなぁ?)

 

朝の爺ヶ岳山頂

2022年9月25日(日)

朝です。寒い・・・。テントの外にぶら下げておいた温度計をみると、なんと夜明け前の気温は-4℃でした。どうりで寒いわけだ。

薄っすらと空が明るくなり始める頃にご来光目当てに爺ヶ岳へ行ってみることにしました。テントのいくつかは既に撤収済、もしくは張りっぱなしで山行に出発済でした。みんな早いなー。

 

登山道の途中で振り返ると昨日はガスで見えなかった剱岳や立山が見えました。画像ではわかりにくいですが立山には眩しく光る山小屋?の灯りがクッキリと見えました。種池山荘からはご来光目当ての人たちが登って来ます。

 

これは針ノ木方面。ん?尾根道かな?ポツンと小さな光が見えるのわかりますか?あそこに何か建造物でもあるのかな?それとも登山客のヘッデン??ヘッデンってこんなに光るが届くものなの??

 

爺ヶ岳南峰に着くと、いままさに雲海から太陽がピカーンと顔を出す瞬間でした。

 

雲海に浮かぶのは富士山と・・・南アルプス?八ヶ岳??山座同定は相変わらず苦手。自分が登った山ですらわからない。

 

遠くに槍ヶ岳。

 

すぐ隣の鹿島槍ヶ岳。昨日はガスで見えませんでした。山頂下の肩の辺りに見える建物が冷池山荘かな。本当は種池山荘の前日に冷池山荘にもテント泊の予約をしていましたが台風で泣く泣くキャンセルして二泊三日が一泊二日になりました。次は行きたいなー。

 

だいぶ太陽が昇ってきました。

 

たっぷりと朝の眺めを満喫したのでそろそろ戻ります。途中で見えたダイヤモンド爺。

 

植物に霜がついていました。

 

6時55分テント場に戻って来ました。ここに見えているテントの多くは無人で、持ち主は張りっぱなしで鹿島槍などに行っているものと思われます。

 

あともう一泊ぐらいしたい気分を振り払って下山します。一晩お世話になりました。

 

最後にもう一度、種池山荘からの景色を眺めました。

 

昨日の往路はガスで景色が全然見えなかったけれど、今日はこんなに青空で周辺の山々も丸見え状態。そしてたくさんの人とすれ違いました。

 

あれは扇沢の駐車場だ。うわー-っさすが立山、集客力がすごい!

登山口に戻って来ました。二泊三日が一泊二日になり予定していた鹿島槍も行けなかったけれど、晴天の爺ヶ岳は非日常の世界に浸れる素晴らしい大展望でした。今年の夏山シーズンは週末のたびに悪天候でキャンセルや行き先変更を余儀なくされてちょっと消化不良気味でしたが、今回でこれまでの憂さが全部チャラになりました。

 

明日からまたがんばろう!そう思えるいい山行でした。

 

今回の寝具装備

モンベル/ステラリッジ2
モンベル/アルパインダウンハガー800♯1(2016年購入)
モンベル/シームレスダウンハガー♯5女性用(2022年購入)
モンベル/寝袋カバー
モンベル/フォームパッド
シートゥーサミット/トラベルシーツ(シルク)

さすがに♯5は寒くて安眠できませんでした。ダウンパンツとソフトシェル着てようやく安眠。♯1は暑くなく寒くなく快適。

 

▼動画もどうぞ(1分56秒)見てもうちには広告収入とか一切入らないので安心して(!?)見てください。

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