乳頭温泉 鶴の湯温泉 2024年お正月宿泊

日帰り可能浴場エリアは撮影禁止の掲示あり。浴場(無人時)・館内・料理など撮影と掲載の許可いただいています。

いまさら説明の必要もいらない、おそらく日本で一番知名度の高い温泉宿「鶴の湯温泉」です。日本国内のみならず海外からも大人気で、訪問時も韓国語や英語など様々な言語が飛び交っていました。

今回は約20年ぶりの再訪、2024年1月2日・3日の二連泊です。意外にも一週間前に予約を取ることができました。

 

鶴の湯温泉予約

正月休みの一週間前に鶴の湯温泉に電話してみると「狭くなりますが6畳部屋の三号館でしたら連泊でご用意できます」と返答。そのまま二泊予約する流れとなりました。
 

鶴の湯温泉は訪問予定月6ヶ月前の1日朝7時から電話予約を受付けているので、人気のある盆暮れ正月などは「朝から電話をかけまくり」そして「速攻で満室になる」というのがお馴染みの光景のようです。

ところがその加熱っぷりがゆえに「行くかわからないけれどとりあえずキープだけしておこう」や、半年の間に予定が変更になることも珍しくないようで、現地のスタッフさんいわく「だいたい一週間前にキャンセルが出て大きく動くんだよね」とのことでした。今回はその「大きく動くタイミング」で予約できたものと思います。
 

三号館の部屋と館内

鶴の湯温泉には15時過ぎにチェックイン、番頭さんより館内の案内等を丁寧に説明を受けながら客室へ案内されました。部屋は三号館の一階、6畳和室でした。
 

部屋には裸電球、金庫、石油ファンヒーター、お茶セット、浴衣、丹前、バスタオル、湯タオル、ティッシュ、カメムシテープ、コンセント2ヶ所、Wi-Fiを備えます。トイレや洗面台は共同になります。部屋に布団二組敷くと足の踏み場がほとんどない状態ですが、この狭さが逆に湯治場風情を感じられて落ち着きました。

昔ながらの建物なので隣室の話声など普通に聞こえます。なのでテレビがないのは正直良かったです。
 

ウェルカムスイーツは「もろこし」が柔らかくなったみたいなお菓子でした。「生もろこし」とか名前がつきそう。甘いお菓子が疲れた体に良かったです。
 

カメムシ

冬の寒い時期は暖かい館内で越冬するのか、カメムシは多めでした。これは鶴の湯温泉に限らず、前日まで宿泊していた松川温泉も一緒でした。こういうのが苦手な人は山の中の宿は無理だと思います。カメムシ対策として、部屋には退治用のガムテープが置かれていました。
 

三号館(二号館)共有スペース

三号館の玄関を内側から見た様子です。引き戸の向こうに見える左側の扉が喫煙所になっています。そのため、タイミングによっては二重扉内の空間に煙草の匂いがムンムン充満して、(煙草を吸わないので)これがちょっと苦手でした。
 

三号館一階の廊下です。三号館の一階は各部屋の前まで外履きで行ける造りになっていました。
 

三号館は館内で二号館と繋がっています。棟の一番端は日帰り入浴客も利用できる休憩場になっていました。新聞も置いてあります。
 

休憩場には自販機も設置されていました。ビールは黒ラベル500ml560円、350ml390円、ですが何故かビールの自販機だけ故障中につき売店で購入。
 

休憩場近くにあるトイレと洗面所です。三号館宿泊はこちらを利用します。寒い冬でしたがお湯の出る蛇口があったのはありがたかったです。洗面所には液体石鹸、ペーパータオル、アルコール除菌ありです。
 

夕食と朝食

食事は二泊の両日ともに本館の広間に案内されました。夕食は18時、朝食は7時を選択。ちなみに前回新本陣に宿泊した際は部屋食でした。
 

一日目の夕食。山の宿らしいキノコなどを利用してどれも美味しくいただきました。
 

鶴の湯名物の「山の芋鍋」はおかわり自由で2杯いただきました。初日のイワナは塩焼きでした。
 

二日目の夕食。これに昨夜と同じく、おかわり自由な「山の芋鍋」とイワナがつきます。二日目のイワナは甘味噌が塗られていました。
 

初日の朝食です。ひとつ「おや?」だったのが、一回目の朝食の味噌汁がとてつもなくしょっぱかったこと。「味の濃い秋田にしてもこれは濃すぎるなぁ味噌の量を間違ったかな?」と思っていたら、次の日の朝食はごく平均的な濃さの味噌汁が出たので、初日はやっぱり味噌の投入量を間違ったかな?
 

二日目の朝食です。
 

鶴の湯温泉の浴場

お風呂は鶴の湯温泉名物の露天風呂の他に、宿泊客は館内にある宿泊者専用風呂も利用できました。日帰り入浴時間帯(10-15時)の露天風呂エリアは大勢の日帰り客が来るのでかなり賑わいます。連泊での昼間入浴は混雑する露天風呂エリアは避けて、入浴者がほとんどいない館内風呂が良いと思います。
 

鶴の湯温泉 混浴露天風呂

鶴の湯温泉でも名物的存在の混浴露天風呂です。温泉の湧出する場所、いわゆる足元湧出箇所を浴槽にした池のような造りです。広々としたもので30-40人サイズの大きな露天風呂です。真っ白な白濁湯が満たされる露天風呂は秘湯感たっぷりの趣で、これまで幾度も雑誌やポスターに採用されてきた理由が分かります。
 

露天風呂に浸かっていると、底の多数の箇所からブクブクと気体と一緒にお湯が湧いているのが分かり、場所によっては若干熱い湧出場所もありました。直湧き源泉以外にも竹筒を利用した湯口からジャバジャバと源泉の投入があり、大勢の人が浸かってもほとんど湯がヘタることがありません。

ちょうど宿泊初日の深夜が湯抜き清掃日にあたり、そのため初日深夜は入浴不可。ですが翌朝には清掃後の新鮮湯が楽しめ、より一層満足でした。清掃後の湯溜め直後は薄い灰白色濁り、翌朝は普段と変わらない白濁湯へと変化、薄い硫化水素臭ありです。
 

奥の屋根掛けされている個所は女性専用エリアです。
 

女性は中の湯(湯小屋)で脱衣した後、この部分から混浴エリアに進むと混浴難易度は少し下がると思います。

女性エリアには打たせ湯もありましたが、訪問時は冬季だったのでお湯が出ていませんでした。(打たせ湯は冬季休止)
 

中の湯

混浴露天風呂には男女別の湯小屋が併設されており、男性側には2人サイズの浴槽がひとつありました。この浴槽には「中の湯源泉」が引かれています。
 

薄い白濁りの硫黄泉で硫化水素臭香る湯で、適温でいかにも硫黄泉といった好きなタイプのお湯です。この小屋で脱衣してから混浴露天風呂へ向かう流れになるので、入浴客の掛け湯や下半身洗浄の場所にもなっているようでした。
 

こちらは女性浴室です。女性側も男性同様に2人サイズの木造浴槽がひとつあり、ほんのりグレーがかっても見える白濁湯が、ややぬるめ寄りの適温で掛け流されていました。

印象的だったのが浴槽の析出物です。元々の素材は木材だというのはわかるんですが、それを覆うように析出物がコーティングされ、浴槽の壁や底はデコボコとし、表面は陶器のようにツルツルになっています。
 

この中の湯から屋外の女性用露天風呂(冬季閉鎖)、打たせ湯(滝の湯)、そして鶴の湯温泉名物の混浴露天風呂へと行くことができました。
 

黒湯と白湯 男性浴室

露天風呂エリアにはもうひとつ湯小屋があります。受付から橋を渡ったすぐ目の前の木造湯小屋です。男性用入り口から中に入ると脱衣所、左に黒湯源泉利用の浴室、右に白湯源泉利用の浴室があります。

▼白湯浴槽

黒湯浴槽は2人サイズの木造、白湯浴槽は4人サイズで同じく木造。どちらも基本は灰白色の薄濁りですが、黒湯は灰色がやや上をいく感じのお湯です。硫化水素臭の香る湯に適温で入浴できて満足度高かったです。滞在中はここの湯小屋に頻繁に通うほど気に入りました。
 

女性露天風呂

受付から橋を渡って目の前にある湯小屋を入ると風情満点の脱衣所と内湯があり、そこから裸移動で女性用露天風呂へと進むことができます(露天風呂にも脱衣スペースあり)。
 

裏山の斜面横に造られた女性大露天風呂は20人入れそうな大きさで、混浴露天風呂同様に浴槽底のあちこちからブクブクと湯が湧く足元湧出。
 

ほんのり青みがかった美しい白濁湯は場所により湧出量が違い、そのため浴槽内は適温~ややあつめと温度差があるので好みの湯温でまったりできるのが嬉しいです。
 

足元湧出の他に木管の湯口からやや熱めの湯を追加投入していました。女性露天風呂の分析書掲示がなかったので聞いてみると「白湯源泉」とのことです。おそらくは木管で投入しているのが白湯源泉なのかな?

女性露天風呂は旅館部の男女別内湯に面していますが、男性浴室の窓は開かないようになっているらしいです。
 

大浴槽横には一人サイズの小池のような浅め浴槽もあり、こちらも底からブクブクと湧き上がる足元湧出でした。
 

この小浴槽はややぬるめ寄り適温で、寝そべりながら空を見上げてのんびり浸かるのに丁度いいです。最高だったのが週に一度(?)行われる湯抜き清掃後の一番風呂で、無色透明に近いほんのり白濁は鮮度抜群で素晴らしかったです。
 

女性露天風呂の横にある金精様です。お正月らしく鏡餅がお供えされていました。
 

女性露天風呂のすぐ横の小川でもブクブクと、あちこちで湧出が見られました。
 

宿泊者専用浴室

鶴の湯には宿泊しないと利用できない浴室が三か所あります。それぞれ館内の離れた別箇所にあるので、はしご湯するなら一度着替える必要があります。
 

男女別内湯

▼男性浴室

一号館から渡り廊下を進んだ先にある男女別浴室です。女性用露天風呂の真横に位置しています。男女それぞれに2~3人サイズの木造浴槽がひとつあり、白湯源泉の白濁湯が掛け流されていました。
 

▼女性浴室

女性側の浴室には一人でゆったり、つめて2人の木造浴槽がひとつあり、熱め源泉をやや熱め寄り適温で掛け流していました。浴槽内で真っ白に白濁、湯面からはタマゴ臭プンプン、口に含むと歯がギチギチ浮くような金属味がします。浴室にはシャワー、ボディソープ、シャンプーあり。脱衣所にはドライヤーもありました。
 

宿泊者専用・貸切内湯

▼右側浴室

もうひとつは新本陣の入り口にある貸切風呂です。二つの貸切風呂が横並びにあり、どちらの浴室もほぼ似た造りで、それぞれに2人でゆったりサイズの木造浴槽がありました。
 

両浴室共にほんのり灰色がかった白濁湯の黒湯源泉を湯口50℃前後、浴槽42℃前後で掛け流し、加水利用との掲示がありました。
 
▼左側浴室

両浴室共にシャワーの位置が浴槽に近いのでシャンプーなどの飛び散り混入の影響を受けやすそうでしたが、訪問時は湯なまりなどはありませんでした。
 

宿泊者専用・露天風呂

一号館から東本陣に入るとすぐにある露天風呂です。使用源泉を聞くと黒湯源泉利用とのことですが、こちらは残念ながら冬季使用不可でした。この露天風呂目当てに季節を変えて訪問してみたいと思いました。
 

鶴の湯神社

駐車場から少しだけ山の方へ上った場所にある鶴の湯神社です。あまりお参りに来る人はいないようでひっそりとしていました。
 

鶴の湯温泉にちなんで?いくつもの千羽鶴が奉納されていました。
 

梵天や鶴の描かれた絵馬もありました。
 

かまくら

冬季の鶴の湯温泉名物のかまくらです。夜にはほんのりと明かりが灯されました。
 

かまくらの中には水神様が祀られていました。
 

※各感想やコメントは、男性浴室と館内の様子は三昧、女性浴室と館内宿泊者用浴室はまぐぞーが担当しました。

乳頭温泉 鶴の湯温泉 データ

秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50
0187-46-2139
宿泊しました:3号館74番/2024年1月2·3日連泊/一泊二食10600円+暖房費1日1320円利用
10時~15時
700円
月曜日は露天風呂清掃のため内湯のみ立ち寄り入浴可(月曜日が祝日の場合は直近の平日が清掃日)と公式サイトにありますが、お正月訪問時は夜中に湯抜き清掃し、翌日は普通に立ち寄り入浴を受付けていました。訪問前に問い合わせされた方が確実だと思います。
訪問:2024年1月(泊)

乳頭温泉 鶴の湯温泉 温泉分析

鶴の湯 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 37.6℃ pH=7.3 溶存物質計=3387mg Li=0.2mg Na=716.5(69.61mv%) K=34.7 NH4=2.6 Mg=59.8 Ca=151.9 Sr=1.0 Ba=0.1 Mn=0.9 F=1.4 Cl=834.4(51.60) Br=1.3 I=0.6 SO4=240.8 HCO3=1036 H2SiO3=67.6 HBO2=51.5 CO2=98.9 (H27.2.16) ※温泉利用状況=浴槽温度が高い期間(7-9月)のみ加水あり

中の湯 含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型) 45.1℃ pH=6.7 溶存物質計=3131㎎ Li=0.2mg Na=726.6(71.58mv%) K=25.0 NH4=5.4 Mg=57.0 Ca=136.9 Sr=0.9 Ba=0.2 Mn=1.1 F=1.0 Cl=823(52.01) Br=1.5 I=0.7 HS=3.3 S2O3=3.6 SO4=4.8 HPO4=0.2 HCO3=1075 H2SiO3=53.3 HBO2=45.0 CO2=147.9 H2S=7.6 (H26.8.25) ※温泉利用状況=浴槽温度が高い期間(7-9月)のみ加水あり

白湯 含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型) 59.6℃ pH=6.6 溶存物質計=2817㎎ Li=0.2mg Na=616.9(67.96mv%) K=23.9 NH4=4.2 Mg=43.7 Ca=163.0(20.59) Sr=0.9 Ba=0.9 F=1.5 Cl=682(48.50) Br=1.3 I=0.6 HS=5.7 S2O3=2.5 SO4=286.9 NO3=4 HCO3=859.0(35.51) H2SiO3=75.4 HBO2=45.8 CO2=119.8 H2S=16.1 (H26.8.25) ※温泉利用状況= 浴槽温度が高い期間(5-11月)のみ加水あり

黒湯 含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型) 58.7℃ pH=6.8 溶存物質計=3387㎎ Li=0.2mg Na=781.4(70.21mv%) K=28.7 NH4=7.0 Mg=59.2 Ca=166.9 Sr=1.1 Mn=1.0 F=1.5 I=0.9 HS=6.0 S2O3=2.5 SO4=252.8 NO3=5 HCO3=1068(36.55) H2SiO3=76.6 HBO2=51.1 CO2=140.8 H2S=10.8 (H26.8.25) ※温泉利用状況=源泉温度が高いので加水あり

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