網走監獄は現地ツアーガイドに参加がおすすめ!

2018年8月17日(金)

朝です。冷たい雨は降り続いたままでした。

きょうも北海道では欠かせない観光地のひとつ、博物館・網走監獄へ行ってみることにしました。

ここも子供の頃に来た事があるんですが(入所してたんじやなくて観光で)、その当時はたいしておもしろくもなかったんですが、あらためて来てみると重要文化財や有形文化財に登録されている建造物も多く、当時の時代背景なども重ね見て、かなり楽しめました。修学旅行で行った京都奈良の街がたいして記憶に残らなかったのに、大人になってあらためて来てみたら、とっても楽しめたパターンと似てると思いました。
 

網走監獄で行われるツアーガイドに参加

 
網走監獄では定期的にツアーガイドを行っているので、今回はそれに参加してみました。これはチケットを購入した人であれば誰でも参加できます。このツアーガイドは1日3回のみ行われるのでかなりの大所帯になりますが、直接解説を受けながら見学できるので、何も知らずに漠然と館内を見て歩くだけよりグーーンとおもしろみは増すと思います。

見学中は建物から建物への移動など、頻繁に屋外を歩くんですが、雨が本降りにもかかわらず傘を持って行かなかったので最初は車に取りに戻ろうと思ったのですが、なんと自由に利用できる貸し傘(無料)が置いてあり、これはとてもありがたかったです。

 

ツアーガイドの集合場所は庁舎と呼ばれる最高責任者の典獄室や会議室などが置かれた中枢のような場所で、その名の示す通り市町村でいう役所みたいな場所ですね。この建物も重要文化財に登録されていました。和洋折衷の淡いブルーと白を基調とした建物で、こげ茶色の重い監獄系とはちょっと違う雰囲気になっています。現在では資料展示と売店、奥には雰囲気のいい休憩スペースもありました。

ここではまず、北海道の開拓に囚人を労働力として送り込むため監獄が造られた、その囚人たちは明治政府誕生に反する政治犯や思想犯であったことなどを知ることができました。囚人たちが切り開いた道は724㎞にも及ぶんだそうです。

 

庁舎の片隅にひっそりと画伯の絵が置かれていました。

 

教誨堂です。こちらも重要文化財となっています。

【博物館 網走監獄公式サイトより】
“この建物は教誨事業の行われた講堂で、教誨とは収容者対して行う精神的、倫理的、宗教的な強化指導のことである。僧侶や牧師さんが受刑者に人の道を説き、更生へと導くように尽くした場所でもある。
建築にあたり、受刑者は精魂こめて作ったと語り継がれている。”

内部は広い体育館のようになっていて、堂内には受刑者の書や絵画も展示されています。外観は重厚で暗い印象ですが、内部は白と淡いブルーを基調として心休まる感じでした。屋根の軒には火避けの鰭付懸魚の彫り物が吊るされていました。こういう木造建築が一番怖いのはやっぱり火事ですよね。実際に網走刑務所も明治42年に火災という憂き目に遭いほぼ全焼したとのこと。

 


 

独立型独居房です。こちらの煉瓦バージョンは有形文化財ですね。受刑者がもっとも恐れたのがこの独居房とのことです。

 

浴場です。パっと見は昔ながらの共同浴場といった風情ある造りになっています。全員がやみくもに入浴するのではなく、横一列に並んだ受刑者が、体を洗い、そして横並びのまま前に移動し湯に浸かり、そして次の列の受刑者が体を洗い・・といった具合に短い時間で流れ作業のように入浴を完了するシステムになっていました。

 

舎房及び中央見張所です。ガイドさんが一番時間をかけて案内したのがここでした。

 

この中央見張を中心に

 

このように、いわゆる「牢屋」の並ぶ長屋が5棟放射状にくっついています。

 

上からみると、こんな感じ。画伯のイラストがわかりやすいんで、ちょっとお借りしましょう。

 

中央見張から牢屋方向を見るとこんな感じ。中央見張の背後には牢屋はないので、これで見張りもバッチリです。・・・のハズが、これでも脱走しちゃうツワモノが世の中にはいるんですね。

 

幾つかの部屋は扉が開き自由に中に入れるので、囚人気分(!?)を味わうことができます。

 


 

現代バージョンもあります。こちらは、いわゆるドミトリータイプですね。夜ご飯の酢豚が美味しそうです。でも、まさか毎日酢豚じゃないですよね??

この後ツアーガイドは監獄歴史館で解散となり、残りの展示建物などは自由見学になります。この時、屋外ではパトカーのサイレンと車の停車を命じる声が響いていました。おそらくは交通違反の切符切りだと思うんですが、なにもこんなところで違反しなくても・・・場所が場所なだけに。

 

ツアーガイド解散後は二見ケ岡農場(二見ケ岡刑務支所)へ行ってみました。模範囚が緩やかな看視のもと自給自足する場所です。こちらもいくつかの建物などが重要文化財に指定されています。

 

右側の部屋は花輪先生の「刑務所の中」を映画化した際に撮影に使われたそうです。

 

なんと花輪先生の絵コンテがひっそりと展示されていました。花輪先生、網走に収監されてたのかなぁ。花輪先生と言えば、大手出版社から特別限定本が出版されたとき、特別企画として一冊一冊、自筆で「眼」を描くという眩暈のするような企画がありましたよ。

 

お風呂もありました。二見ケ岡の受刑者の皆さんは、髪の色が紫色なのが気になりますが・・・。これが二見ケ岡スタイルなんでしょうか。

 

二見ケ岡にも、いわゆる牢屋ゾーンがあります。「お邪魔しまーーす」

 

こちらがお部屋です。

 

更に奥に進むと・・・穏やかな二見ケ岡には不似合いな展示が突如登場。

 


 

その後再び庁舎へ戻り、素敵な休憩スペースで一休み。「チーズぼっこ」というお菓子が美味しそうだったので、買ってみました。ぎゅっと味が詰まったチーズケーキのクッキーという感じで美味しかったですよ。

 

 

そして最後は監獄食堂へ。こちらでは現在の網走刑務所受刑者と同じ昼食を食べることができます。注文したのは監獄食B(ほっけ)820円と、森のランチ900円。監獄食はすぐに出てきたのですが、森のランチの方は時間かかりまくって30分以上!この日は満席になるほど混雑していたってことも原因だと思いますが。個人的には監獄食の方が昭和世代の日本人向けで美味しかったかな。

網走監獄を出所した後は、昨日立ち寄り入浴をして気に入った川湯温泉に宿泊する事にしました。というのも、どうやら今夜あたり天候がいよいよ荒れそうだぞ、ということで避難を兼ねています。

途中、昨日は雨で通り過ぎるだけだった濤沸湖へ行ってみました。まぁ今日も雨は降ってましたが・・・。

 

 

濤沸湖・水鳥・湿原センターです。ここでこの辺りに生息している鳥について学びます。そういえば先日の網走で、グライダーのように羽のピンと張った大きな猛禽が飛んでいたんですが、あれは何だったかな?双眼鏡を覗いてみたけれど、確認できたのは何やら水面に浮いたブイのようなものにバランスボールのように乗った鵜だけでした。

 

今宵の宿は川湯パークです。川湯の中でもお安めなお宿で、当日予約もOKで助かりました。我家と同じく悪天候から逃れるために飛び込み予約したと思われる車中泊組やライダー、登山前泊組などで結構賑わっていました。掛け流しの温泉は勿論、何が助かったかというと・・・

 

コインランドリーが館内にあった事!短期旅行ではある程度ためて帰宅後に一気に洗ってもいいんですが、長期旅行となるとそうもいかず。日常の生活ではまったく使うことのなかったコインランドリーが、今や必須状態になっています。今夜の宿は長期旅行者の緊急避難所のようになっていたので、夕方以降はコインランドリーがフル稼働の取り合い状態でした。

この日は久々の布団にグッスリ。やっぱり布団は心地いいし、疲れが取れるなぁ~。

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