野付半島で野鳥や動物を見た後は、根室の先っぽにある納沙布岬にやってきました。この納沙布岬も野付半島と同じように、平たい原野の中を道がどこまでも続いていました。
納沙布岬から北方領土の歯舞群島貝殻島灯台は3.7㎞しか離れていないので天気がよいと見えるらしいですが、これじゃあダメですね。
・・・と思っていたら、みるみる雲が消え青空が広がってきました。うーん、なんなんでしょう、この天気。
大きく北方領土とその位置が描かれています。
そして遠くに薄ぼんやりと見えるアレが貝殻島灯台でしょうか?この後訪問した北方領土資料館には、もっと鮮明な写真が展示されていました。
納沙布岬には北方領土資料館が何故か北海道の施設と根室市の施設の二つもありました。展示物は似たようなものですが、なぜに別々に資料館を建てたのかは謎です。もしかして仲が悪いのかな・・とかいろいろ想像したりして。せっかくなので二つとも行ってみることにしました。
まずは北海道側の施設へ。北方領土のキャラクターエトピリカのエリカちゃんがお出迎え。
北方領土に関する展示物は羅臼の施設とほぼ同じ感じです。
目の前に海が広がりとても良いです。望遠鏡で北方領土も見ることができました。実は北海道に来て北方領土関連の施設を全部で五か所訪問したんですよ。そのうち三か所が展示物と望遠スペースの似たような内容で、そうなると、どこがどこやら後になって記憶がごっちゃになってしまいました。まぁ多くの観光客はどこか一か所のみの見学で、全部めぐるってのはそんなに多くないのかもしれません。
そんな中、記憶に残ったのが根室市の施設です。なんだか、どこかアットホームな雰囲気なんですよね。
こちらでは、根室湾内にいた道内最大級のトド「トットくん」がドーンとお出迎えです。「こんなデカいのが野生にいるのか~」とちょっとビックリ。北海道の施設はガラーンとした中にちょっと緊張感のある空気が漂い、いかにも公共の施設って感じでしたが、根室市側はアットホームな印象を受けました。
道内の動物と鳥も展示されています。親子連れのお母さんが茶色のエゾリスを見て「ええっっ!?あの縞々のがエゾリスじゃなかったのぉぉーー!?」と大声でビックリしてましたが、大丈夫ですよお母さん、あれも確かエゾシマリスって名前でした。
館内に再現された色丹島の神社です。なんとクジラの骨で造った鳥居という珍しい神社です。捕鯨が盛んだった色丹島らしい神社ですね。まだ色丹島にこの神社は残っているんでしょうか?
ここには北方領土で撮られた貴重な写真が展示され、当時の暮らしぶりを垣間見ることができました。当時の写真の多くは旧ソ連軍にとられているので本当に貴重な資料なんですね。そして昔、国後と根室、国後と択捉を海底ケーブルで繋いでいたらしい電話です。明治時代と書かれてましたが、明治に海底ケーブルって凄くないですか!?「受話器をとって会話をお楽しみください」とあったので試してみたけれど使い方がいまいちわからず・・。
そしてこんなのをいただきました。日本本土四極 最東端 出発・訪問・到達証明書だそうです。裏はこんな感じでした。おそらく残りの三極を訪問してそれぞれこの証明書を貰えば日本地図が完成するんだと思います。
帰路はすっかりと青空になり草地の広がる道を爽快ドライブです。もうお盆も過ぎたからか他に通る車はほとんどありません。時折大きな荷物を積んだバイクとすれ違うだけです。
北海道って本当に草地が広大ですよね。
途中にあった北方原生花園に立ち寄ってみました。ここにも立ち寄る観光客は誰もいません。
原生花園にはフウロやハマナスなどたくさんの花が風に揺れていました。
それよりも先ほどから木道の前方を占拠するあの方々が気になります。
よりによって全員後ろ向きなので、下手に近づくと後ろ蹴りされそうな予感がぷんぷんします。
そんな中、一頭のお馬さんが凄い勢いで走り寄ってきました。
そして何をするでもなく、おやつをねだるわけでもなく、そばでモシャモシャと草を食べています。人懐っこいお馬さんなのかな?かわいいなー。
かわいいお馬さんに後ろ髪ひかれながら原生花園をあとにし先へ進みます。
根室市にある北方四島交流センター「二・ホ・ロ」にも寄ってみました。こちらの施設はその名の示す通りロシアと日本の交流のための施設のようです。館内はとてもスタイリッシュで明るい雰囲気になっていました。展望室は海から離れているぶん、海が目の前の他の資料館と比べて北方領土はあまり見えません。
定期的にロシア語講座やロシア料理講座なども開かれているようで、やがて来る返還のその後を見据えた交流ということでしょうか。
ロシアルームに展示されていた民族衣装を来た人形のクオリティが・・・。
日本ルームでは将棋の名人戦も行われたようです。
実際、根室市とロシアはとても近い存在のようで、道路標識やバスの停留所でもロシア語表記を見かけました。根室に限らずこの後向かった稚内では温泉施設をロシアの人も利用していたし、その人達と流ちょうにロシア語で話す日本の人もいました。
途中の「道の駅スワン44ねむろ」で買った花咲カニです。聞くと丁度今が花咲カニの旬とのことで、丸のままの一匹売りもしていましたがさすがに手が出ません。そんな観光客のために、その場で食べられる甲羅盛りも売られていました。値段はサイズのよって違いますが、ちょっと奮発して1200円のものにしました。上の段を食べ終えると、下にもカニがビッシリと詰められていて(左下の画像)、なかなか食べごたえがあって美味しかったです。贅沢なおやつだなぁー。
その後温泉に寄り道しながら本日の寝床「道の駅厚岸グルメパーク」に着いたのは夕方近くになってからでした。
この道の駅厚岸グルメパークは厚岸の高台に位置していて、とても眺めがいいんです。
そして名前の通り、飲食店が大充実。ありがたいことに道の駅にしてはめずらしく、夜八時九時までやっているお店もあるんです。せっかくなんで厚岸といえばのカキを食べてみました。
それでまぁ、カキを焼いて食べたわけですが、お店の人に説明をうけても、紙に書いてある焼き方を見ても全然食べごろがわかんないんですよ。早い話が、まだ全然焼けていない状態のカキの殻を無理やりバコバコ叩き割って(焼けると自然に殻がぱかッと開いたらしい)、粉砕された殻まみれの半生カキを食べていたという。だって、まさか、カキが焼けるのに、あんなに時間がかかるなんて思わなかったですもん。我家のような素人は「道の駅しかべ間歇泉公園」みたいに、蒸し器に入れて○分って具合に時間指定されている方が失敗なくていいてす(泣)
この日の車中泊組は北海道にしては少ない印象でしたが、それでも20台くらいはいたでしょうか。中でも気になったのがバイク旅の人で、この道の駅は幕営禁止なんでテントは張れず「どこに寝るんだろう?」って思ってました。単なる通りすがりと思いきや、夜遅くになってもバイクが置かれているので、持ち主はこの道の駅内のどこかにいるんだと思います。夜中にトイレに行った際にも「どこにいるんだろう?」と気になってちょっと探してみたんですが、まったく姿は見えず。ただ、ある場所に来ると必ず蚊取り線香の臭いがするんですよ。たぶん、その辺りにいるとは思うんですが。
そんなこんなで、朝から観光を欲張った一日はつつがなく(!?)過ぎてゆきました。
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