プノンバケン|アンコール遺跡のサンセットポイントは、大人気過ぎて入場制限まであるんだよ。

プノンバケンからの夕陽

4日間のアンコール遺跡見学の〆は、プノンバケンからの夕陽にしようと決めていました。

昼前から夕方までアンコールワットをたっぷりと満喫(←前回の記事)、駐車場でトゥクトゥク運転手のソファールさんと待ち合わせてプノンバケンへ移動します。

 

ここで問題。

 

いったい何時にアンコールワットを出ればプノンバケンの夕陽に間に合うかなぁ?

ってことですが、

トゥクトゥクのソファールさんによると、プノンバケンはアンコールワットの近くなんで、例えば夕方の17時に出発しても夕陽には間に合います。

 

・・ところが!

 

夕陽ポイントで大人気のプノンバケンは連日多くの観光客が殺到するため、なんと一度に300人までしか山頂部に入れないとのこと!

うーーん、それはマズイ。プノンバケンに人数制限があったなんて知らなかったよ~っっ。

(ちなみにちびっこ僧侶軍団が、パスゲートを通らない獣道風のショートカットルートを使って山頂部への上り下りをしていたけれど、あれは当然一般人は使っちゃだめなんですよね??)

ソファールさんいわく「その人数にあぶれるといけないから少し早めに」ということで、アンコールワットは16時には出発することになりました。(実際には先着300人という言葉にビビッて15時50分くらいにはアンコールワットの駐車場を出発したのでした)

プノンバケンの入口まで来ると、トゥクトゥクやワゴン車が続々と乗りつけ、次々と観光客が降りてきます。パッと見、この時点ではあまり観光客は多い印象はありませんが、(既にみんな山頂部にいて300人超えてたりして・・)と内心不安になりつつ歩き始めました。

 

プノンバケンへはなだらかな坂道を歩きます。周囲は木々に囲まれ、鳥のさえずりも聞こえて、ちょっとしたハイキング気分で歩けました。

・・・なぁんて書くと余裕で登ったみたいですが、運動不足の身にはかなりキツくて、大汗掻きまくり、息上がりまくりでした。

ちなみにこの人間用の道とは別に象の道もあって、山頂直下のパスゲート付近まで象に乗って登ることもできるらしいです。下には象乗り場のような所もあったんですが、この日はなぜか一頭も見当たらず。みんなお客さんが付いて山頂へ向けて歩いていたのかな?

 

そうこうしているうちにパスゲート(階段の手前)に到着しました。到着時刻は16時15分くらい。下からは10分ほどかかりました。もうTシャツは汗でビシャビシャです。

 

パスゲートの手前では牛さんが出迎えてくれました。

 

そして、これが入山パスです。無事ゲットできました。

 

入山パスを受け取りパスゲートから階段を上ると・・・

 

プノンバケンです。

観光客は思ったほど多くなく「なんだ全然余裕だった」なんて思ってましたが、この後ドドッといっきに増えます。それ考えると、このタイミングの訪問がベストだったかもしれません。季節や曜日によって変動する観光客の数をある程度予測して、何時到着がベストか見極めるソファールさん、日々観光客を乗せてアンコールワットを走り回るトゥクトゥクのドライバーさんは、さすがプロだわ~と改めて感心してしまいました。

 

10世紀初めに造られたヒンドゥー教のこの寺院もまた、世界遺産のひとつに登録されていました。こうして見ると周囲は何もないジャングルに囲まれ孤立した丘ですが、その昔ここには都があり、その中心にプノンバケンは造られたとのことです。

 

ここが都だったなんて今ではまったく想像できませんが・・。

 

遠くに大きな水が光ってますが、あれが東南アジア最大の湖トンレサップ湖でしようか?さすがにアンコール遺跡一番の夕陽の名所とあって、眺めも360℃の大展望です。

 

遠目にアンコールワットも見えました。

 

ズームアップで。

日没まで一時間以上の待ち時間がありましたが、これがかなり辛いものでした。というのもプノンバケンは他のアンコール遺跡同様に猛暑と照り付ける太陽光線が強く逃げ場がほとんどありません。夕方だからといっても太陽が沈むまでは涼しくなる気配もなく、その中でジッと夕陽を待たなきゃいけないんです。

 

早めに到着した人の中には直射日光を避けるため遺跡の陰に避難して夕陽を待っている人もいますが、夕陽を正面に望む場所の多くは直射日光を浴びながら場所取りしなきゃならない所がほとんどで、せっかく早く来ても遺跡の陰で待機しているうちに、夕陽を正面に見るベストポジションを後から来た人に取られちゃうなんて残念な結果もなきにしもあらずで。

そんなワケで照り付ける直射日光に耐えながら、太陽が沈むと思われる方角が正面に見え、そして一番高い位置にある最前列を早々にキープしました。

何度も言っちゃいますが、この待ち時間が暑いのなんのって・・。まさかこんなにヘビーな場所取りをするなんて思っても無かったんで帽子も持っていかず。仕方ないので頭にサブザックを乗せてなんとかしのぎました。寺院内ということもあってか、山頂部にはジュースや水の売店もなく、トイレもありません。ただひたすら暑さと直射日光に耐えながら待つのみです。

プノンバケンの場所取りは、
日除け、虫除け、水分が必須ですよ!

中には日傘やちょっとした敷物を持参している人もいて、随分用意がいいなぁと感心してしまいました。ちなみに敷物といっても日本の花見のように大々的に広げて場所取りしている人は誰もいませんでした。せいぜい自分の座るスペースに敷いている程度です。

気が付けば、左右も後ろもビッチリと、ほぼ隙間なく観光客が座って夕陽待ちをしていました。私達が到着したころはまだ観光客も少なかったんですが、いつの間にかプノンバケンは押すな押すなの大盛況です。

 

さぁ、いよいよ日没が近づいてきました。

 

空がオレンジ色に染まります。

 

荘厳な雰囲気だったアンコールワットの朝日では、誰もが言葉なく静寂の中での見学となりましたが、プノンバケンの夕陽は、みんな賑やかにワイワイしながら楽しい雰囲気で見学していました。

 

顔をお見せできないのが残念ですが、みんな口を開けて満面の笑顔です。

 

夕焼けに染まるカンボジアの大地。幾つかの白くたなびく煙が見えますが、あれは野焼きでしょうか?この大地に、つつましやかに暮らす幾つもの家族があるのかと思うと、なんとなく幸せな気持ちに満たされました。

 

一通り画像を撮ったところで、最前列を後ろの人に譲って夕焼けの遺跡内を歩いてみました。

 

遺跡内には大勢の僧侶も見学に来てました。

 

しかも皆、若ーーい!小学生くらいにしか見えない子もいっぱいいます。スマホいじってる子もいて、出家中もそこはやっぱり現代っ子ですね。

 

気球が上がってました。気球から眺めるアンコールの遺跡も素敵そうだなぁー。

 

真っ暗にならないうちに下山します。階段は帰る観光客で大混雑でした。その混雑ぶりを横目に、謎の獣道のような雑木の斜面を、さきほどの若い僧侶の子達がドドッと駆け下りていました。なんだ~、私もそこ通りたかったよ~っっ。

アンコール遺跡のラストを飾るプノンバケンの夕陽は、もっとしんみりと眺めるものかと思ってましたが、意外にも賑やかに楽しく見学を終えました。

入口まで戻ると、トゥクトゥクの運転手ソファールさんが真っ先に私達を見つけ手を振って合図をしてくれました。

アンコール遺跡見学が終わるということは、ソファールさんとのお別れも意味します。

 

この4日間(ホステルが手配したお迎えも含めれば5日間)本当にありがとう。まったく出しゃばらず物静かでいつもニコニコ、絶妙なタイミングで冷たいペットボトルの水も用意してくれました。本当は明日もお願いしたかったんですが、休日でプノンペンに携帯を買いに行くって言ってました。

トゥクトゥクを降りて歩いていると、反対車線で乾いたトゥクトゥクのクラクションが鳴り、見るとソファールさんが満面の笑みで手を振りながら通り過ぎていきました。

この時はまだ次の国へ出国する日を決めていなかったんですが、手を振るソファールさんを見て

「いよいよカンボジアを出国する日も近いなぁ」と、

どこか寂しく感じたりもしていました。

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