シェムリアップからタイのバンコクへバスで国境越え

いよいよ次の国、タイへ出発する日が近づいてきました。移動手段は大定番のバスを利用します。

今回のシェムリアップ→バンコクへのバスは、出発の二日前にホステルのパパさんに手配してもらいました。バス代21$+手配料1$。

「あと10$高い大手バス会社のVIPバスもあるが、この21$で充分快適だ」とのこと。

 

昼過ぎに頼んで、夕方にはもうチケットが届けられました。

そして当日。

2018年12月15日

 

シェムリアップからタイのバンコクへバスで国境越え

 

これまでジリジリと焼けるような晴天続きだったんですが、この日はどんよりと曇り空でちょっと涼しい。朝6時45分にパパさんが、いつものようにテラスに朝食を運んでくれました。斜め向かいの小学校は、もう子供たちがやってきて賑やかに遊ぶ声が聞こえてきます。前の通りは通勤のバイク、自転車に乗る学生さん、観光客を乗せアンコールワットへ向かうトゥクトゥクやワゴンバス、そしていつもの犬たちが走り回っています。

 

「ここで美味しい朝ご飯を食べるのもこれが最後なんだなぁ」と、しみじみいただきました。

やがて迎えの車が来ると、9日間お世話になったパパさんともいよいよお別れです。握手をして車に乗り込むと、道路まで出て来て奥さんと手を振って見送ってくれました。パパさんやソファールさんに面倒見てもらって、シェムリアップの滞在が何倍も楽しい日々になったのは間違いありません。

ありがとう、シェムリアップ。本当にいい街でした。いつかまた必ず再訪します。

送迎の車には既に欧米のバックパッカーが数名乗っていました。

 

↑これが送迎に来てくれた車です。

 

いったん街中の旅行者オフィスに立ち寄り、しばらく待機した後、

 

受付を済ませバスに乗り込みます。私達以外はみんな若いバックパッカーでした。

 

・・と思っていたら、なんと後から中国語を話す10名ほどの中高年グループも乗り込んできます。このくらいの年齢層で中国系のグループが飛行機じゃなくバスを利用するなんて珍しいな~。しかもこの人達、前日のランチで立ち寄ったちょっとお安めの食堂でも一緒だったんですよね。中国語圏の人達って舞台俳優かってくらいバカでかい声で話すんですが、この人達は小さな声で控えめなんです。異例づくしの謎グループだなぁ。

 

バスは二階建てで一階が乗務員用、客席は二階になります。まぁ普通の日本でもよくある観光バスタイプです。東南アジアのバスは激寒の情報もありましたが、エアコンの蓋が自由に開閉できるタイプだったんで、まったく問題ありませんでした。一階にはトイレもあります。一応チケットで座席指定はされていましたが、車内は三分の一程度の乗客で、出発後はバラバラと自由に席移動がはじまりました。

 

こちらは出発してすぐに配られた水とパンです。

 

シェムリアップの賑やかな街を抜けると、あっさりとのどかな田園風景になりました。広大な土地に稲穂が揺れ、水牛が点々と佇んでいます。ポツリポツリと見える木々は椰子だったりバナナだったりするので、ちょっと日本の景色とは違いますが、どこか懐かしさを感じます。

このバス、てっきりシェムリアップを出てからはもうお客さんを拾わないのかと思っていたら、なんとシソポンという街でバックパッカー二人が乗って来ました。このとき車内は既にみんなバラバラに席移動していたので、どこ席の人が来たのかとちょっとした緊張感に包まれます。それを察したのか、この御二方は自分たちの席ではなく空いてる席に座りました。

再び走り始めしばらくした11時頃、賑やかに栄えた町ポイぺトに到着。

 

カンボジア側イミグレーション

ここでバスの乗客である証のタグを首から下げ、いったん自分の荷物を全て持って徒歩でイミグレーションに向かいます。

 

前回のベトナム(チャウドック)からカンボジア(プノンペン)はメコン川の上で国境越をしたので、今回が正真正銘、歩いての国境越えになります。日本では決して経験できない歩いての国境越え、一度経験してみたかったんですよね。

 

気になりつつ遂に一度も食べなかった貝の醤油漬け。次こそは!と思うけれど、やっぱり貝は怖いよ、貝は。

先ずはカンボジア側で出国の手続き。古びた簡素な建物の中で言葉も交わさず手続きはアッサリ完了。

 

続いて荷物を持ったまま徒歩でタイ側へ渡ります。

 

カンボジアの国旗がはためいています。楽しかったカンボジア、またいつか来ることができればいいなぁ。

 

埃っぽく乾いた暑さの国境は大きなトラックや大量の荷物を積んだリヤカーなどが並び、まさに混沌とした様子でした。

 

タイ側イミグレーション

そしてタイの国旗がはためき始めます。

タイのイミグレーションはカンボジア側とうってかわって綺麗で立派な建物でした。ただトイレがなく(一階にあるはあるんですが、何故か南京錠がつけられ利用不可になっていました。もしかしたら昼休みだったのかも?)入国手続きに時間がかかるので、絶対にバス内のトイレなどで先にしておいた方がいいです。

タイ側のイミグレーションが大混雑で、ホールに入りきらず扉の外にまで列が伸びるほど。結局、入国審査まで1時間半かかったでしょうか。それを知ってか、列に並ぶ人の中には、どこかの屋台で調達してきたと思われるカップ麺をすすったり、お弁当を食べる人の姿も。(当然みなさん並びながらなので立ち食いです)

私達の後ろに並んだ欧米男性の顔色が悪く調子が悪そうに見えたので、蒸し暑さに貧血でも起こしたのかな?と思い声を掛けると、「怪我した」といってズボンをまくりあげ見せてくれた足は、紫色に腫れあがりパンパンになっていました。うわーっ、これは酷い・・もしかして骨折してるんじゃないのかなぁ?「入管の順番が来たら呼んであげるから、壁に寄っかかっていた方がいいよ」と言うも、「ありがとう、でも入管に目をつけられちゃうから・・」と列に並び続けていました。

この男性の不幸はさらに続きます。どうやらタイのビザランでカンボジアに来ていたようなのですが、入管係のひとりが男性から女性に交代になった途端みるみる男性の顔色が変わりました。見ると生真面目を絵に描いたようなちょっと怖そうな女性なのですが、男性によると「彼女と以前バトルしたことある、彼女だけは嫌だ」とのこと。でも入管窓口は4箇所あるし、まさか彼女にはならないだろうと思っていたら・・まんまと男性はその女性に当たっていました。

ちなみに私達はタイ出国の航空券も持たない、いわゆる「片道入国」だったんですが、十数年ぶりの入国だったからか例によって一切の質問も会話を交わす事もなく拍子抜けするほどアッサリ終了。その隣のボックスでは例の男性が不安的中で何か揉めている様子でしたが、その後の結末がどうなったかはわかりません。

 

さて、いよいよタイ入国ですが、その余韻に浸ることもなく同じバスに乗っていた女性陣みんなで一斉にトイレ探しです。なかなかトイレが見つからず集団で「あっちだ、こっちだ」と走り回って右往左往。やっと見つけ飛び込みホッと一安心。ちなみに利用料5バーツでした。

 

バスはイミグレーションを出て少し歩いた左側の広い駐車場で待機していました。再び荷物を積んで出発です。入管で荷物チェックをするわけでもないし、また同じバスに乗るんだから重たいザックは置きっぱなしにしておいてもいいのになぁー、なんて思いましたが、何か理由があるのかもしれません。

 

途中立ち寄った30分休憩のドライブインは食堂や売店、敷地内向かって右端にはATMまでありました。家にあったバーツの旧札を「まだ使える?」とドリンクショップのお姉さんに見せたところ、ぜんぜんOKでした。お姉さんにコップンカーって言われたときは、「あ、タイに来たんだ」って、ようやく実感しました。

この休憩で斜め前方に座っていたドイツ人青年二人が帰って来なかったんですが、そのままバスは発車。てっきりここで降りたんだと思っていたら、たまたま少し前にこのドイツ人青年2人と会話をしたノルウェー男性が「ドイツの男性2人がいない」って車掌さんに伝え慌てて停車。その数分後に彼らは無事乗り込んで来ました。もしこのノルウェー人男性と彼らが少し前に話をしてなかったら、たぶん置いてかれていたと思います。うーん、危ない。

ところでこのバス、ちょっと難点があって、出発時はまったく大丈夫なんですが、出発から後半にもなるとトイレがちょっと臭うんですよ。誰かがトイレを開け閉めする度に臭いが二階の客席に漂ってくるという。まぁ臭いは1~2分もすれば消えちゃいますが。

バンコクに近づくにつれて大きなビル群が見えてきました。

若いころはバンコクが好きで、たまに旅行で来ていたんですが、久々のバンコクは「別の国!?」と思うほど大きく変貌を遂げていました。

その当時(30年くらいまえ)の市内中心部の交通機関はバスかトゥクトゥクかモーターサイくらいで、その後何年かして「なんかモノレールができるらしいよ?」と噂になった時は「へぇー」なんてビックリしましたが。結局それはモノレールではなくスカイトレインだったわけですが。中心部の工事現場ではゾウが普通に働かされていたり、今じゃ考えられないですよね。最後にバンコクへ来たのは15年くらい前、それからどう変化したか、街歩きがとても楽しみです。

バスはフワランポーン駅とカオサンに停車するとのこと。私達はフワランポーン駅で降ろしてもらうことにしました。ここで降りたのは私達と例のドイツ人青年2人組だけ。残りの乗客全員はカオサンへ向かいました。

 

フワランポーン駅、何年振りだろう?駅の周辺が整備され、見違えるほど綺麗になっていました。国と国を比べることは、歩いてきた歴史があまりに違い過ぎるので無意味な事なのかもしれないけれど、やっぱりカンボジアと比べると経済力や人々の暮らしぶりの差を感じます。

立ち並ぶビル群を見て「やっぱりタイって凄いな」と思いました。

 

 

さぁーー、第五か国目タイランド始まりますよーーー!
 

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