ラダック北の果て・ヌブラ渓谷6【ローカルバスでトゥルトゥクからディスキットへ】

2019年7月29日

インドの北の果て、パキスタンのすぐ近くパルティスタン地方の小さな集落トゥルトゥクの2泊3日はアッという間に過ぎ、きょうは温泉の湧くパナミックに移動します。

 

台湾のヒェさんとインドのサンディップさんアリャさん夫妻は、ディスキットからレーに戻るとのこと。サンディップさん夫妻はレーから自宅のあるケララにどの飛行機で帰るか検討中。「デリーは怖いからデリーで一泊しないで済むルートを探してる」だそうです。インド人も恐れるデリーっていったい・・・。

アリャさんが「あなた達はどうするの?」と聞くので「パナミックっていう温泉の村に行くよ」とこたえると「ふーーん」と頭の中で何やら新たな構想を思案中の気配。

 

2泊3日お世話になりました。もう一泊くらいいてもよかったかなぁ・・・と思いつつ、心残りがあるくらいが丁度いいかな。

 

朝6時前くらいにバスが通るというので、少し早めにバス停に行くと滞在中にまったく見かけなかったイスラエルの若者達が大勢います。みんなどこに泊ってたんだろう??ディスキットに行商に行く姉さん達も加わってこりゃぁ行きより混雑しそうな予感。

 

5時50分、バスがやって来ました。

 

車掌さんは前回と同じお兄ちゃんで、行のバスでヒェさんが口約束してくれた3人分の座席を運転席の横にキープしてくれてました。ただ、こんなに混雑していて私達より年上の地元のオバちゃん達を差し置いて特等席には座れないよなぁ・・・。

 

車掌さんに「屋根の上に行くから座席は他の人に譲ってよ」と言うとビックリして「本当に!?後で車内に戻りたいって言っても座席ないよ!?屋根から落ちるかもよ!?」と何度も確認されてしまいました。

・・・というワケで帰路も屋根の上に乗ります。行商の荷物が積まれたぶん、行きより座るスペースが少なくてしんどい。イスラエルの子が中身がアンズだと知らずに箱の上に座ってしまい、持ち主のオバちゃんが泣きながら絶叫するという阿鼻叫喚。アンズの箱をザックで取り囲んで誰も座れないようにしたけど中身が潰れてなければいいな。

バス代はひとり120ルピーでした。屋根の上だからといって割引は無しです。

 

下を見るとサンディップさんとアリャさんが、バスに乗らずに外にポツンと立ってた。しかめっ面で(こんなの乗れないよ)とジェスチャーしてます。「えっ?ええっ?あの二人とはここでお別れ?」と思っている間にバスは出発。手を振る二人がどんどん小さくなっていきました。

 

相変わらず荒涼とした景色の中をバスは進みます。景色は荒涼としているけれど、規模の大きな軍事施設が点在しているからか道だけは綺麗に舗装されています。空は雨が降りそうな重たい曇りで、吹き付ける風がやけに冷たいです。

 

屋根の上には地元のおっちゃん数人と、イスラエルの若い子たちが数人。その中のリーダー格っぽい女の子がさっきからコチラをじぃーーっと見ている気がします(サングラスしてるのでよくわからない)。すると「ねぇママ!」(ん?今ママって言った?)周囲を見回しても「ママ」に該当するのは私しかいない。

(はいはい、来ましたよ~)何を言い出すかと構えていたら「ママの国、凄い電車作ったじゃない」(←インド人の技術鉄のお兄さんも絶賛していた新幹線のこと)「頭のいい人多いわよね」(←ノーベル賞受賞者が多いこと)などなど次々日本をベタ褒め大絶賛。・・・なんだイイ子じゃないか。

 

分岐のような所で大きな荷物を持った兄さんが二人バスを待っていました。(この満員のバスに途中で乗るはキツイだろうなぁ・・・)と思っていたら・・・

 

諦めて分岐に戻って行った。こんだけ乗客が多いんだからバスをもう一台増やせばいいのに。

 

行きも通過した凄い岩。屋根の上の人は身をかがめないと激突して危険です。行きでは車掌さんが「気を付けて!」と屋根の上の人にアドバイスしてましたが、帰りはみんな一度は通った場所なのでアドバイス無し。

 

荒涼とした景色が続きます。

 

行きでも通った小さな集落です。ここに限らず集落の樹木がとにかくヤバいんですよ。葉っぱにトラックか何かから付着するのか、重油のような真っ黒な油がたっぷり付いていて、それに触れると服や体がベトベトになるという。バスの屋根に乗って通過の際は葉っぱに触れぬようどちら様もご用心です。

 

さらにバスは進みます。すると隣に座っていたオジサンが「ここで一番危険な場所知ってる?」の謎クイズを突然かましてきました。オジサンが「あそこだよ」と前方を指さします。「あそこ落石が多くてしょっちゅう大きな事故がおきるの」と言いながら謎の高笑い。

 

見ると確かに危うい。

 

・・・そういうマメ知識は通過してから教えて欲しかった(通り過ぎるまで本気でビビった)。

 

(それにしても冷たい風にさらされ続けてトイレに行きたくなって来たなぁ)と思いつつも、車掌さんは下にいるのでバスを停めてもらえる手立てがなくしばらく我慢。

 

牛さんラッシュでバスが超低速になったタイミングで屋根の上の様子を見に来た車掌さんに「トイレ行きたい」と告げるとすぐに停めてくれました。

荒野のど真ん中なのでトイレなんて無いですが、200mほど向こうの道路沿いにちょっとしたブッシュが見えたので、そこを目指してダッシュ。すると後ろから10人くらいイスラエルの女の子達が走って来て「ママ早く」と言いながら私を次々と追い抜いていきます。なんだ、みんなトイレ我慢してたんだね。

ブッシュに辿り着くと「ママこっち、こっち!」と手で合図をくれて、茂みに隠れてみんなで野トイレ。

 

どうやらディスキットに近づいて来たかな。トゥルトゥクからここまで、幾つもの軍事施設前を通過。アーミーの兄貴達が隊列組んで歩いていました。手を振るとみんな振り返してくれた。

 

そうこうしているうちにディスキット・バススタンドから1.1㎞手前のシェアタクシー乗り場に到着。ディスキットから当日中にレーに行く人はここで下車です。(訪問時はディスキットからレーに行くローカルバスは8時30分頃通過する1本のみだったので)

ここで台湾のヒェさんとはお別れです。楽しかった二泊三日。これからも良い旅を!

 

9:30バスは無事、落石にヒットすることもなくディスキット・バススタンドに到着。出発から約3時間30分、屋根の上は寒かったなぁー。

 

ディスキットからバスを乗り換えて温泉の村パナミックへ向かいます。このバスもなかなかの個性強めでした。

→ローカルバスでディスキットからパナミックへ移動編につづきます。

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