居心地のよかったダナンともお別れの時が近づいてきました。ベトナムといえばベトナム戦争直後の混沌とした、あまり豊かではないイメージがあったんですが、このダナンの街を見る限りそれは全然違いました。
街には物が溢れ、美味しいものもいっぱい。清潔な店も多く、なんとネコカフェまでありました。
夕方になれば街のカフェにはお洒落な若者がいーーっぱい!
そんなダナンを離れ、次は同じ中部の街フエを目指します。
ベトナム最後の王朝グエン朝のあったフエは世界遺産にも登録され、その建造物群は「建設上のポエム」と称された美しさとか。フエの街は「ベトナムの京都」なんて言われているのも楽しみです。
ベトナムの京都・・いい響きじゃないですか。
ベトナムの埼玉、ましてやベトナムの北本や上尾なんて称しても誰も来てくれないだろーなぁ。
ダナンからフエまでは中距離バスも出ていますが、私達は「ベトナム統一鉄道」一択でした!
というのも今回のベトナム行きの目的のひとつが、ベトナム統一鉄道の寝台車に乗ることでして、その予行練習もかねて今回はつまみ食い程度のダナン→フエ間を利用してみたかったのです。
ベトナム統一鉄道の予約
※この情報は2018年11月当時のものです。予約システムに関しては常に流動的と思われるので、必ず最新情報をご自身で確認されてください。
まずはベトナム統一鉄道サイトで、希望する日の空席を調べます。
こんな感じで空席を調べることができます。
ダナンに来てから列車の予約が気になって、ちょいちょいベトナム統一鉄道のホームページを覗いていたんですが、座席に限っては二日前くらいまでは結構ガラガラでした。ところが一日前を切るあたりから急に席が埋まり始め、あっという間に満席に近い状態に。
この座席予約はまだマシで、後に予約した寝台車がとにかく大変でした。日本でいうA寝台(二段ベッド)は何日も前から早々に埋まり、B寝台にあたる三段ベッドも下段に限っては数日前にはほぼ満席。この寝台車の予約を取るためにフエの滞在を三日延長したほどです。
【ベトナム統一鉄道・寝台車編】
乗る日にもよるんだと思いますが、この鉄道は本当に人気がありますよ。
さてネットでチケット購入・・と思っていたら、
なんとベトナムの銀行に口座を持っていないと予約できませんでした!
多くの旅行者はネット予約できないってことだよ~~っっ。
そんなわけで、空席状況を確認した後「この席がいいかなぁ」と目星をつけた座席ナンバーを控えて、ホテルからてくてく歩いてダナン駅へ向かいました。
ネットで取れないので直接窓口で予約することにしたんです。
ダナン駅です。
駅舎前には昔のSLが展示されていました。
チケット予約は駅舎正面向かって左のコチラの建物で行っています。
中はクーラーが効いて涼しい~。
窓口のお姉さんに、明日のフエ行きで希望する列車と座席番号を伝えます。なんとお姉さん、鼻をほじりながらキーボードを叩き始めました。ベトナムでは人前で鼻をほじくる人が多いんですよね。オジサンオバサンならともかく、若い女性が何の躊躇もなく鼻をほじるとビックリします。
すると
お姉さん「希望の座席は埋まっちゃったけど、他の席でもいい?」
私達「お願い」
お姉さん「じゃあパスポートちょうだい」
私達「えっ!パスポート持ってないよ」
お姉さん「じゃあ、ファーストネームと誕生日教えて」
私達「はい」
そういって発券されたのがこちら。お姉さん、最初に希望して満席になった席のすぐ近くをキープしてくれました。ありがとう、お姉さん。
最後はニッコリ笑顔で見送ってくれました。
その帰り際、よく銀行なんかにある順番待ち発券械の存在に気が付きました。本来はコレを出して順番待ちするみたいですね。今日は他にお客さんもいなかったから、まっいっか。
駅ではかわいいセキセイインコが飼育されていました。
ベトナム統一鉄道・ソフトシート座席に乗車
そして翌日。
お姉さんに発券してもらったチケットを握りしめ、再びダナン駅にやってきました。
駅舎内はこれから列車に乗ると思われる人達で大混雑です。しかも、むちゃくちゃ暑い・・・。
数日間お世話になったダナンともお別れですが、
そんな感傷に浸る間もなくホームへ。改札口でQRコードをピッです。
向こうのホームに停まっているのが私達の乗る列車のようです。
ずっと停まっているからダナンが始発かと思っていたらそうではなく、20分もの停車時間がありました。
向こうのホームへ行くのに跨線橋などはなく、ばらばらと好き勝手に線路を横切ります。
ホームには売店がいっぱい。同じような商品を売っている売店がズラーーっと並んでいます。
それでは乗り込みます。
うわーーーっ、ビッチリ満席。ほぼベトナム人で埋め尽くされています。中には欧米人の姿もちらほら。
ベトナム統一鉄道には木製の硬い席と、クッションの効いたソフトシートがあるようで、どちらも座席指定になります。今回はソフトシートを予約しました。
座席はご覧の通り、まずまずの広さがあり、リクライニングもかなり倒せます。この後、前の方のお婆ちゃんがマックスでリクライニングを倒したら、ドミノ倒しのようにバタバタとみんな座席を倒し始めました。もちろん自由の国ベトナムでは後ろの人に「倒していいですか?」は一言もありません。各座席には収納式のテーブルもあります。
電源もバッチリです。網棚にはみんな容赦なく大きな荷物をバンバン上げていました。我家もデカザックを網棚に乗せましたが、大きく揺れていつか落ちてくるんじゃないかと見てましたが、案外落ちないもんです。
年季の入った、子供の頃を思い出すような、どこか懐かしい感じの車内です。
やがて列車はゆっくりと発車しました。
街の賑やかな景色から離れると、やがて海が見え始めました。私達は右側の席に座ったんですが、左側が海席でした。実は予約の際に右側だけに予約が集中し、左側はガラガラだったんです。なので「これは右側が海席に違いない」と予想して右側を選んだんですが、まんまと当てが外れました。
今度寝台車に乗るときのためにトイレの様子も見てこようと探索開始。車両にあった洋式トイレ(男女兼用)は便座がビッシャビシャ。これはベトナムの人は紙で拭かず水シャワーでピシャーーとお尻を洗うためなんですが、更にベトナムでは、なんと器用にも便座の上に和式のように足を乗せて用足しする人が多いらしいんですよ。実際、便座には足型がついてたりします。
これだったらベトナム式(いわゆる和式)の方がマシだと探してみるも、この車両界隈では洋式しか見当たらず。
うーーむ、こりゃ難易度高いぞ。
実はこの時のトイレはまだかわいいもんで、後の寝台列車にて本当の地獄を味わうことになります。【ベトナム統一鉄道・寝台車編】
景色は気が付けばのどかな水田が広がり、水牛がのんびり歩いているのが見えます。
車内販売は美味しそうなお弁当や
素朴なお菓子でした。
いやー、それにしてもベトナムの人達は大声でよく喋るし、それぞれがスマホで好き勝手に音楽聞いたり動画を見たりしているから、うるさいのなんのって。車両の中はいろんな音が飛び交って、金曜の夜の居酒屋状態でした。
乗車時間約3時間弱。やっとフエに着きました。
到着したフエは、
緑が多く、ダナンに比べ車も少なく、落ち着いた雰囲気の「大人の街」って感じがしました。
「ああ、やっぱりベトナムの京都って感じがするわぁ。」
間違ってもフエはベトナムの埼玉や桶川じゃありませんでした。