テント背負って谷川岳主脈縦走|その4・平標山の家はテント場満員につき避難小屋泊

谷川岳の西黒尾根登山口からスタート、平標山の家テント泊を目指した谷川岳主脈縦走です。
その1・西黒尾根登山口→中ゴー尾根分岐
その2・オジカ沢ノ頭→万太郎山
その3・万太郎山→平標山の家
→その4・平標山の家→青年会新道→ゴール(このページ)

 

到着した平標山ノ家は、花のピーク期だったからかビックリするくらいの超満員!!

静かな山の中に突如歓楽街でもできたかのような大賑わいで、さほど広くないテント場はビッシリと隙間なく張られ小屋の宿泊客もギッシリ、あちらこちらでワァワァと宴会のような賑やかな声が響いています。

「こんなんで今からテント張れるかなぁ」と思っていたのですが、案の定、小屋の若旦那にテントを張りたいと告げると困った表情になり、申し訳なさそうに「ここでよければ・・」と空きスペースを案内されました。その場所が若旦那の申し訳ない表情と比例するような、かなりのアレで・・。

「うーーん、これなら別にテントにこだわらなくても小屋泊でもいいかなぁ・・避難小屋の方はどうだろう?」と中を覗いてみると、

 

・・・おっ!?

なんと外の喧騒とはうってかわって広い避難小屋内には男性が二人だけ!ギュウギュウに張ったテント場より断然コッチの方が快適じゃないですか。若旦那に「避難小屋にする!」と告げ、ようやく落ち着くことができました。

画像奥の扉の向こうはトイレです。トイレはやや臭いのあるポットンですが、いくら出入りしても避難小屋内に臭いは一切入ってきませんでした。

屋外側にもトイレの扉があり小屋の外からも出入りできます。男女共用で洋式がひとつ、和式がふたつ、男性用小便器がひとつ(だったかな?ザっと確認しただけなので間違っているかも??)訪問時はトイレットペーパーも置かれていました。

避難小屋内にはバーナーの使用もできるテーブルスペース、カーテンで仕切られた更衣スペース、衣類などを吊るせる紐やハンガー、サンダルも10足弱ほど置かれていました。

 

避難小屋といってもとても清潔で快適、窓からは偽装ピークで散々苦労させられたエビス大黒ノ頭が見えます。

その後もポツポツと避難小屋の利用者は来たものの、この日は全員が荷物を広げても問題ないくらいのびのびスペースを利用できました。

ホッと一息ついた後は、小屋で売られているビールとコーラで乾杯!その後、着替えで脱いだ靴下の臭さに悶絶。コースのハードさと靴下の臭いは比例するようです。そして水場で顔を洗うと、とめどなく流れ落ちるショッパイ水。山行中たっぷり汗をかきすぎて、もはや皮膚の上は塩田状態でした。

 

平標山ノ家は、この通路を境に左の棟が主に食事付などのお客さんが泊まる営業小屋、右の棟が避難小屋となっています。そして建物の両端にあるちょっとした広場がテント場となっています。

 

↑↑大雑把に図にするとこんな具合の配置。

我が家がお世話になるのは避難小屋です。営業小屋の方は内部撮影禁止になっていましたが、年配のハイカーさんを中心に大勢のお客さんで賑わっていました。

 

これは2015年に立ち寄った時の料金表です。2017年(今回)と、それほど変わってないかなぁ。避難小屋は協力金ひとり2000円でした。

 

平標山ノ家の魅力のひとつが、なんといっても水場だと思います。コレがあるから我が家もココを目指しました。ここの水はキンキンに冷たくて本当に美味しいんです。しかも他の山での水場はボトルに汲むと砂などが一緒に入り込むのはよくある事ですが、この水はほぼそれが見当たらないです。

 

これは2015年に掲示されていたもの。水質検査も行われています。

 

冷たい飲料の他にもTシャツや山バッジも販売されていました。

 

敷地内にはいくつもベンチスペースがあり、山を眺めながら好きな場所でくつろぐ事ができます。ただ訪問時はそのほとんどが宴会グループでうまってました。

 

我が家も外のベンチで夕食です。暮れ行く山々を眺めながら、まったりと食事をしていたのですが、気が付かないうちに今年初のブヨに一か所だけ噛まれてしまいました。この季節はホントに刺す虫が多いので、どちら様もご用心です。日没が近づくとさすがに寒くなり、持ってきたダウンを羽織りました。

夕食の後は避難小屋に戻り、窓の外の山々を眺めボーッと過ごします。避難小屋内に灯りはないので、射し込む外光とヘッデンだけが頼りです。外のベンチからは相変わらず賑やかな宴会の声があちこちで響いていましたが、夜8時も過ぎると一斉にお開きとなり、我が家もいつの間にか寝てしまいました。

三昧はその後も夜中に何度か目を覚ましたりしたようですが、私は朝まで爆睡。相当疲れていたみたいです。三昧によるとホトトギスが夜中もずーっと鳴いていたらしいです。家の周りのホトトギスも夜中に鳴くんですよね。

 

6月18日(日)

早朝、我が家から通路を挟んだ向かいの単独男性の準備する音で目が覚めました。一足早く早々に出発するようです。隣の男性二人組はまだ寝袋に入っていますがモソモソとお目覚めの様子です。

 

小屋内のテーブルで湯を沸かして、例によって簡単な朝食をチャッチャと済ませます。その後、出発の準備をしていると三昧がおかしなことを言い始めました。

「そういえば隣で横になっていた男の人は、いついなくなったの?」

なんでも夜中に目を覚ましたら、我が家と隣の男性二人組の間に、いつの間にかもうひとり男性が横になっていたというのです。

「・・・え?そこには誰もいなかったよ?」

うーん・・おかしいなぁ。私の知る限りそこは終始空いていて、誰かがいたって感じはなかったけどなぁ。もしかしたら誰かが夜遅くに到着して、そして夜明け前に出発したって事でしょうか?

あまり深く考えるとよからぬ方向に想像が膨らみ怖いので、テントか営業小屋に宿泊していた人が周囲のイビキに耐えかねて一時的に避難してきた・・という事にしておきましょう。

 

最後は何やらモヤ~っとした気分になりましたが、小屋の外もガスに覆われモヤ~っとしていました。

 

6:00準備を整え出発です。一晩お世話になりました。

 

帰りは先々週「三国山~大源太山」を歩いた時に気になっていた、三角山から下る青年会新道(三角山登山道)から浅貝に抜ける予定です。三角山までの登山道はガスがかってはいたものの、カッコウやホトトギス、ウグイスの鳴き声に囲まれ、気持ちよく歩く事ができました。

 

もうすぐ二日間の主脈縦走も終わってしまうのかと思うと、なんとも寂しいような、名残惜しいような。

 

登山道では相変わらずたくさんの花々が彩を添えていました。

 

コースタイム通りに歩くと国道でのバスの待ち時間が長くなってしまうので、花を見ながらなるべくゆっくり進みました。

 

車が行き交う道路で待つより山の中に長くいた方が断然よいです。

先々週には華やかな容姿で楽しませてくれたシラネアオイは、ほんの数株だけを残して多くが葉っぱだけになっていました。

 

6:45大源太山の分岐を過ぎ、三角山に着きました。大源太山は先々週歩いたばかりなので今回は行きません。三角山山頂では高校生くらいの男の子たちが数人休憩していました。山岳部かなにかかな?

 

ここから青年会新道(三角山登山道)を下ります。樹林帯の中、雨でも降ったら滑りそうな急勾配。

 

青年会新道(三角山登山道)は急勾配ではあるけれど、よく整備されて植物も多く楽しめました。やがてワラビやフキの生えるなだらかな道になると・・・

 

7:45鉄塔です。ここでバスの時間調整のためやや長めの休憩にします。するとアッという間にブヨらしき羽虫に集られたので、慌てて頭に虫除けネットを被りました。

再び歩き始め、

 

8:00毛無山です。山頂と言うよりは登山道上のちょっと広い空間みたいな所ですが、名前の割に樹木はたくさん生えてました。

 

山頂にはこの登山道に関する説明が掲示されていました。掲示には藪に戻った登山道を再整備した事、そして「末永く多くの人がこの道を歩き続けることを願う」と結ばれていました。

再び勾配の急な坂になり、しばらく進むと・・・

 

パッと目の前が開け苗場スキー場浅貝ゲレンデに出ました。ゲレンデの下は砂防ダムの工事現場となっていましたが、日曜日の工事はお休みのようです。

 

8:56そして国道へ。あとはバスと電車を乗り継いで、昨日出発した谷川岳ベースプラザへ戻るだけです。

・・ところがっっ、コレがかなり面倒臭いんですよ。まずは浅貝からバスで越後湯沢駅へ。体からむんむんと悪臭が発せられているので「一般のお客さんに悪いなぁ」と、コレが一番の気がかりでした。ところが意外にも乗客はかなり少なくホッと一安心。

越後湯沢駅に着くと電車への乗り継ぎ時間がたっぷりあるので、その間に温泉&食事をする事にしました。まずは温泉を掛け流している小規模の宿へ。いや~~山行後の温泉は最高に気持ちよかったです。そしてラーメンの昼食。

そうこうしているうちに電車の発車時刻がやってきて車内へ乗り込みます。お客さんの中には我が家と同じく主脈を終えて土合へ戻ると思われる登山客の姿もチラホラ。

 

そして土合駅到着です。あの例の長いモグラ階段を歩くのかと思っていたら、上りホームは普通に地上にありました。同じ列車で降りたお客さんは数名ですが全員が登山客でした。

 

13:05谷川岳ロープウェイベースプラザの駐車場に戻って来ました!二日間車を置きっぱなしにしたらどうなるかと興味深々だったのですが、フロントガラスにしっかりと「出庫の際には日数分払ってね」の用紙が挟まれていました。しっかり毎日巡回しているようです。(当たり前か)

 

というわけで、谷川岳主脈縦走、無事〆ました!

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