北岳 肩の小屋テント泊・2|広河原~北岳登頂(熱波とお花畑)

この記事は2017年7月に南アルプス北岳肩の小屋テント泊をした全3記事のうち、広河原~北岳登頂の様子を記した内容になっています。

 

2017年7月14日(金)のつづき。

北岳目指して芦安駐車場から乗合タクシーで広河原までやってきました。さぁ~~ここからが本番ですよ!

 

6:00大勢のハイカーさんで賑わう広河原を元気よく出発!我先にと競うように他のハイカーさん達も続々と出発。ちょっとした競歩大会のようになっています。

 

ふと横を見ると今日登る北岳が谷間の向こうに姿を見せていました。いまいくから待っててね北岳さん。

 

吊り橋を渡ってすぐに野呂川に面した広河原山荘です。川側にはテントも張られていてノンビリとした雰囲気が漂っています。芦安ではハイカーの他に釣り人の姿も見かけたので、ここでテントを張って釣りを楽しむんでしょうか。

 

水場で水を少しいただきました。

ここからは緑豊かな樹林帯を進みます。やがて「白根御池小屋分岐」にぶつかりますが、右に行くと白根御池小屋、左へ行くと大樺沢に沿った登山道になります。一見わかりやすい分岐なのですが、微妙に白根御池方面へと道なり状態になっているので、何組かは白根御池小屋の方に進んで「あ、こっちじゃない」と戻ってくる姿が見られました。まぁ、どちらに進んでも行きつく先は一緒なんですけどね。我家は左側の大樺沢沿い登山道を選択しました。

 

この登山道で印象的だったのが美しい水の流れです。大小様々な流れがあちこちに見られました。この時は前後を他のハイカーさんに挟まれていたので、あまりゆっくり眺められなかったのが残念。紅葉の秋は、さぞや綺麗だと思います。それにしても今日は暑いです。まだ7時台だというのに早くも太陽がギンギンで、この先が思いやられます。

 

大樺沢には雪がたっぷり残っていました。おかげで沢筋には涼しい冷気が漂っていて、暑さが和らいでちょっと助かりました。

 

8:00大樺沢の二俣分岐です。山と高原地図2016年には、ここにトイレの記載がありましたが、今回の訪問時では設置されていませんでした。

 

草地にはグンナイフウロや

 

ミヤマハナシノブが花を咲かせています。

 

二俣の雪渓の下から流れる沢水を手にすくうと痺れるくらい冷たかったなぁー。これで顔を洗ったら気持ちいいのなんのって。あ、今日は帽子じゃなくて布を巻きつけているのは、よく建築現場とかで見かけるアニキ達が使っているのを見かけて「あれ、汗とか落ちないし帽子にもなっていいんじゃない?」と真似してみました。でもアニキたちみたいにかっこよくキマらない。

 

ここで朝ごはん休憩をとることにしました。

のんびり寛いでいると左俣の雪渓方面から「ラクー!」と男性の大声が。声の方を見ると、ひえ~っっっ!ハイカーさんが歩く雪渓のど真ん中をソフトボールの球くらいの石が音もなく上から転がり落ちていました。

二俣からは「左俣コース」と「右俣コース」にわかれます。実は前日、肩の小屋に電話して登山道の残雪状況を聞いたのですが「左俣は雪が多く滑り止めが必要、右俣は雪の上を歩くことはないので滑り止め必要なし」とのこと。

 

8:35当然のように右俣コースへ進みます。はい、ここが地獄の一丁目ですよ~~。ここから先、直射日光降り注ぐ猛暑の急登をただひたすら黙々と歩くんですが、それがびっくりするくらい暑いんですよ!ここ数日の猛暑続きで涼しい所に行きたい、そうだ!標高の高い山なら涼しいに違いない!と、日本第二位の北岳を選びました。

なのに何だい!?この暑さは!!聞いてないよぉぉっっ!標高高い=涼しいは幻影でした・・・。高い所に行けば涼しいだろうと儚い夢をみていました。

樹林帯に入ると湿度でより一層際立つ暑さ、熱波で顔は真っ赤っか。背中もお尻も汗でビッシャビシャ。あまりの熱波に頭はボーッとなるし足元フラフラ。途中からは少し歩いては立ち止まるの繰り返しです。北国生まれの人間にこの暑さは過酷だった・・。

 

とりあえず足元の花々を見てガンバルっ!

 

途中にあった雪田。この雪のおかげでちょっとだけ周囲は涼しく、ちょっとだけ元気になりました。

ここで北岳の常連さんとおぼしきご夫婦が「この雪田はねぇ、消えちゃう雪田なのよ」「肩の小屋に泊まるの?だったら水場に行ってみて、あそこのお花畑は本当に素敵なんだから」と教えていただきました。

 

雪田を過ぎると再びの猛暑・・いや、酷暑。

10:25白根御池小屋方面との分岐です。ここまでくれば、稜線に乗るまであと少し。

 

ふと見ると、斜面には一面のシナノキンバイ。

 

ハクサンイチゲも咲いています。

 

しかし・・キツイ。というか、暑い。

 

あまりに辛そうにしていたからか、擦れ違いのハイカーさんに「あともう少しで楽になりますよ」と励ましていただきました。

 

10:50やっーーーっと稜線に乗る事ができました。いやーーっっここまで暑かった!キツかった!

 

稜線も当然のように暑いんですが、爽やかさが全然違います(気分的問題?)。

 

足元にはタカネツメクサが、「いらっしゃ~い」とばかりに花束のように咲いていました。

 

小太郎山分岐点です。目の前には仙丈ヶ岳がゆったりと裾を広げています。

 

ここからは、ずーーっと花に囲まれた気分良い稜線歩きです。

 

クモマナズナに、

 

ツガザクラ、

 

花も凄けりゃ山も贅沢、キョロキョロしちゃって全然足が進みません。仙丈ヶ岳から右に視線を向けると・・・

 

おおっっ、甲斐駒ヶ岳、アサヨ峰、栗沢山が見えます。

 

空の上では、ほほぅ・・・飛行機雲の横に彩雲ができていました。

 

そうこうしているうちに、肩の小屋に近づいたようです。

 

こんなハイカーホイホイのニクイ案内が。

 

11:25北岳肩の小屋に着きました!後ろには北岳が迫っています。到着時テント場はまだ空いていて、好きな場所を選び放題でした。(北岳肩の小屋とテント場については次の記事で)

 

テント設営前にまずはビールとコーラで猛暑に乾杯(このアルコール摂取が後に悪影響?)。そして設営後はお昼のオニギリ休憩です。テント場に着くと気分は「まったりモード」にチェンジしてしまい、すぐ目の前の北岳に登る事すら面倒になってしまいました。

 

12:50せっかくなので重い腰をあげて北岳に行くことにしました。北岳へは小屋の左横から登山道がのびています。例によってアタックザックなんて洒落たもんは無いので、テント装備が抜けてペチャンコになった大型ザックで歩きます。

 

ちょっと上がった場所から見た小屋方面。

 

ここから山頂までがまた花が凄いんです。

 

小さく可憐なイワウメ。

 

名前がおもしろいチョウノスケソウ、

 

紫が華やかなタカネシオガマ。

 

そしてはじめて見た時、樹木の石楠花とのギャップに「なんじゃこれーー!?木はどこに行った!?」と衝撃が大きかったキバナシャクナゲ。

 

・・・と、この辺りで三昧が急に「とても眠い」と言い出します。なんでも急速にとてつもない眠気と体調不良が押し寄せて来てると言うじゃないですか。この急な変化は、おそらくは高所に加え先ほど摂取したアルコールが原因じゃないかな。

とりあえず、道端の岩に腰掛けて様子をみる事に。

 

周囲ではガスが湧きはじめ、ちょっと涼しくなってきました。

 

しばらく休むと涼しさも手伝ってか「少し元気になった」といい再び歩き始めました。前方の山の上に人がたくさんいるのが見えます。あれが山頂でしょうか?

 

13:35やーーーーーっと北岳山頂に着きました!

 

三角点です。

 

なんと三等です。

 

あんなに晴れていたのにガスが押し寄せ山頂は、あっと言う間に真っ白けっけ。

 

では肩の小屋へ帰りましょう。あとはもうテントでグダグダするだけなので、これでもかっっ!というくらいの牛歩で帰ります。

 

あれほど晴れていたのに、北岳山頂から戻ると肩の小屋はすっかりガスの中でした。ガスに包まれるとヒンヤリ過ごしやすくなるんで大歓迎です。その後はガスったり晴れたりの繰り返しになりました。

北岳肩の小屋テント場の様子はこちら

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